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異世界帰りのレベルゼロ!

作者: シャウト

初投稿です。よろしくお願いします。

朝起きたら、異世界にいた。

ーーなんて事は、この世界では特に珍しいことでもない。

実際、俺も異世界に行って、たった今元の世界に帰ってきたところだ。

「おかえり。お兄ちゃん」

「ああ、妹よ。俺はどれくらい家を出ていた」


魔物たちとドラマティックな死闘を繰り広げ、ギルドの仲間と心と心でぶつかり合い、もう、身も心も使い果たした。

今はただ、幾年の時を異世界で過ごしたのか。

それを知りたい。

「2分くらいかな?」

「2分だと……」

「うん。だって新聞取りに行ってただけだよね」

俺の異世界ライフはそんなものだったのか……! ?

「お兄ちゃん、もうそういうの止めた方が良いよ。高校生なんだし」

「いや、俺には魔法が……」

杖だと思って手を振り上げるも、握っていたのは新聞紙だった。

……しばらく沈黙が流れる。

「はぁ……」

どうしようも無いなぁといった顔つきで妹は去って行った。


状況を整理しよう。

俺は確かに異世界にいたはずだ。そしてどうにか元の世界に帰る方法を見つけた。

そしてまあ色々あって無事戻ってこれた訳だが。

俺は夢でも見ていたのか……。

そうだったのか。

疲れた、寝よう。そう思い俺は自分の部屋に行った。

ベットでしばらく目を瞑っていた俺は気付く。

魔法使えるよな!

魔法見せれば姫乃いもうとも異世界にいたことを信じてくれるかもしれない。

よしっ!


「姫乃ー」

「なにー?」

「これをみてくれ」

「ん?」


そうだな、まず見せるなら解かりやすい浮遊魔法か。

「は!!」

ティッシュ箱に狙いを定める。

普通ならここで詠唱を唱えるのだが、俺は無詠唱で魔法を発動させる。

この無詠唱魔法を習得するまでがまたきつかった。

同じ魔法の繰り返し、Mpが枯渇するまで永遠と繰り返す。地道な努力と体力がいるこの無詠唱魔法の特訓。

まあ、この他にももっと楽に習得する方法はあるのだが、なぜこの面倒な方法を選んだかと言うと、この方法では無詠唱魔法だけでなく、Mp自動回復の能力も身につけられる。

Mp自動回復とは、Mpを常に枯渇した状態にしておくことで自己再生能力をあげ、普通は1日寝ている間にで全回復するものなのだが、10分ほどでMAXまで回復できるようになる。

まあ、1分で換算すると10分の1のMPを回復できるわけで。1秒ではどれくらい回復するのかは面倒なので計算はしないが、1秒でもそれなりに回復するのだ。

異世界で俺が独自に生み出した能力である。

無詠唱と自動回復が同時に身につけられる一石二鳥の特訓だ。

そうそう、異世界にはもともとmpという概念が無かったので……


「ねぇ、まだー」

「あ、あっれ?おかしいな」

俺はまだティッシュ箱を中に浮かせられないでいた。

MPが足りないのか?いや自動回復するからそれはないか……。逆にMPを使い切る方が難しいし。

となると、レベルがゼロになったとか。

ま、まさかなそんなのあり得な……。

「私、もう行くよ。朝、忙しいからさ」

「ちょ、ちょっと、待ってくれ」

俺は咳ばらいをする。

「俺は異世界にいた。それだけは事実だ!」

「行ってきまーす」

「え?おい無視かよ!」

姫乃は制服のスカートを揺らしドアの向こうへ消えて言った。

制服か懐かしいな、姫乃ももう高校生になったのか。

俺もしばらく着てないし、試しに着てみるか。

「ん?待てよ……俺も高校生か!」


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