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第5話

ゴブリンの親玉がいなくなってゴブリン隊は瓦解するかもしれない。その前に魔法を少し取っておきたい。【光魔法】があったんだから【闇魔法】があるのではないかと睨んでいる。ゴブリンの森はハチの巣をつついたような大騒ぎだ。突然ボスがいなくなっちゃったんだもんな。俺が食べたからだけど。てへぺろ。

全く統率の取れていないゴブリン達があっちへうろうろ、こっちへうろうろ。既にグループを組んで行動するのも止めている。俺にとっては都合が良いけど統率者がいなくなったくらいでこんな烏合の衆になってもいいものか。さすがスライムと最弱の座を争う生物だ。スライムにも個性があって【酸弾】を持っている固体はほんの一握りだろう。その一握りの個体と比べるとゴブリンの方が弱いように思える。だけどスライムはどうやら知性がないようで、実際の勝負はドローだろう。【酸弾】を持ってないスライムと比べればゴブリンの方が強いように思うけれど。

うろうろ彷徨ってるゴブリンの中から杖持ちのゴブリンをヒットマンよろしく狙い撃ちにする。9匹の杖持ちゴブリンを屠ったところでスキルが取れた。


―――【時空魔法】を覚えました―――


なんか狙ってたのとは違うけど、すごそうなの来た。あとで何が出来るか分析だな。そのゴブリンは俺が倒した時点でドパッと突然品物を吐きだした。薬草と思しきものから食料や武器。何故か貴金属や宝石などの光りものまで。原型がなんだかわからない食料はいらないが、薬草と武器と貴金属や光り物は出来れば回収したいなーと考えてたらそれらがすっと消えた。代わりに「え?」と思うと頭の中に目録が出た。これって時空魔法なんだろうか。目録からルビーの指輪を選んで出したいと念じるとぽいっと指輪が排出された。再び指輪を回収する。これ、便利すぎる…まあ、スライムが光りもの持ってても仕方ないんだけどね。用途がないから。人型になって装飾してみるという事も出来るが、あまり興味がない。そしてスライムに必要な荷物と言うのもあまりない。せいぜいこの双剣くらいか。

そうこうしているうちに森に人間が入ってくるようになった。俺は慌てて隠れる。人間はゴブリンを狩っている。やはり増えすぎたのが問題になったのだろう。あまりにも鮮やかに倒していくので今後の戦いの参考にさせてもらう。軽いステップに素早く突きだされる剣。足運びなどをよーく観察する。技は見て盗めっていう事だろう。

毎日人間は入ってきてゴブリンを倒し続けた。気になったのはゴブリンの胸をえぐって親指の爪くらいの小さな石を取り出してるって言う事だろうか。あれはファンタジー小説によくある魔石と言うやつではなかろうか。多分換金できる品だろう。まあ、スライムがお金持ってても仕方ないけど。

この日は人間の一人が大けがを負った。ゴブリンを倒している所に熊が乱入して来たのだ。横腹を爪でえぐられて瀕死の模様。仲間がポーションらしい物を飲ませているが助かるんだろうか?人間たちは仲間を抱えて森から去って行ってしまった。俺は少々確かめたいことがあって怪我人のいた地点まで行く。大量に血を流したようで土が湿り、濃厚な血の匂いをさせている。俺はその血を土ごと抉り取ってもぐもぐした。


―――【隠密】を覚えました―――


やった!今までは死体丸ごと取りこんでたけど、ある程度の生体組織が吸収できればスキルは得られるようだ。これなら格上相手でも上手くすればスキルを得られるぞ。

ところが血の匂いに誘われた熊さんが現れた。双剣で戦う。熊さんはやはり強い。何度も身体を手ではじかれて体積を減らした。核に当たらないように身体の中では核がめまぐるしく移動している。やがて手を切り裂き、そのぶっとい腕に歯を立てると毒を注入した。熊は巨大な体を横たえた。食べてみたもののスキルは得られなかった。

今日は湖で【隠密】の練習と【時空魔法】の研究を行おう。

【隠密】は使ってはみてるんだけど効果があるのかどうか微妙にわからないところ。この森にスライムが隠密を使わなくてはならないような敵はいないから。せいぜい最近やってきてる人間にくらいだろう。まあ、あって困る物でもないし育てておこう。

【時空魔法】は興味深い。アイテムボックス的な用途のできる魔法ではあるが、ボックスの中を細分化し、物によって時間を止めたり、熟成を促したりできるようだ。今のところ熟成を促すようなものは所持していないが。そして転移が出来る。今は短距離転移しかできないが、熟練度をあげれば長距離もできるのではないかと睨んでいる。

2週間ほど人間のゴブリン討伐部隊が出てゴブリンは森から姿を消した。その間も俺は目で技を盗んでいた訳だけど。一日観察すると、夜、その技を湖の畔で繰り返し試す。俺の技術レベルも割と上がってきたと思う。寂しい俺は時々森で出会うスライムに【念話】で話しかけているが、未だ返答があった事はない。


そしてゴブリンがいなくなって静かになった森に新たな勢力が参入して来た。


森狼だ。


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