第4話
みなさんご機嫌よう。今日も今日とて魔法に夢中なスライムです。再び1ヶ月ほど魔法に熱中してました。新しく覚えた【風魔法】と【雷魔法】も中々楽しい魔法です。【風魔法】では基本のウィンドスラッシュに加え、ウィンドバレットとウィンドストームを覚えました。【雷魔法】の方ではライジングアローとスタンを覚えました。【雷魔法】は中々難しいです。
今日は再びゴブリンの森に行って新しい魔法を覚えてきたいと思います。
まずはスライム形態で偵察。杖持ちゴブリンを探す。本当にゴブリン増えたなあ…そこらへんにうじゃうじゃいるよ。他の魔物が駆逐されかねない勢いだ。数は暴力だね。これ人間的には放置してて大丈夫なんだろうか?今に人里にも降りていくと思うけど。そう言えばゴブリンの親玉…ゴブリンキングかゴブリンロードか知らないけど、はどんなスキルを持っているんだろう?沢山スキルを持っていたとしても1度に得られるスキルは1つだけなのでどれが当たるかは分からないけど。もし次、持ってない魔法を得られたらゴブリンの親玉でも見に行こうかな?
早速めぼしいゴブリン隊を見つけた。5匹のゴブリン大所帯だが前衛2の杖持ち後衛3だ。まずは後ろから忍び寄り、3連射の【酸弾】で後衛を始末する。戦ってるときにいちいち魔法撃たれたらウザいからな。人型形態になって、襲撃に気付いた前衛のお相手をする。相手は剣持ちが二人だ。一人は木の盾を装備している。盾を上手く使いながらの防御&攻撃だが所詮木の盾だ。【酸弾】を浴びせればボロボロになった。あとはなし崩し。盾持ちは盾がないとかなり弱かったし、剣で防がれるもののこちらは【剛力】持ち。容易く押し返せる。そして素早い振りで相手を翻弄し、2匹に勝利する。
もぐもぐタイム。
―――【光魔法】を覚えました―――
―――【土魔法】を覚えました―――
―――【盾術】を覚えました―――
おお!一気に3つも。これは嬉しい。俺は双剣持ちなので盾は使わなさそうだけど。
じゃあ予定通りゴブリンの親玉でも見に行くかな。
スライム形態になってポヨンポヨンゴブリンの巣に忍び寄る。俺じゃ敵にはならないだろうと侮っているのか殆どのゴブリンは俺をスルーしている。
ゴブリンの親分は食事中だった。部下に焼いた肉を運ばせている。ゴブリンも焼いた肉とか食べるのか…森にいたゴブリンは火を通してない肉を普通に食べてたが。俺はこっそり焼いた肉に毒液を吹きかけた。じっと身を潜めてゴブリンの親玉の食事風景を見守る。
ぱたり。
ゴブリンの親玉が倒れた。他のゴブリンはそれにまだ気付いていないようだった。近付いて行って剣で止めを刺すと、美味しく頂いた。
―――【念話】を覚えました―――
おお。これで他の魔物と話が出来るんだろうか。俺は密かに興奮した。
そそくさと巣を去り、スライムのポップする場所にやってきた。チビスライムに話しかける。
『なあ、俺の喋ってることわかるか?』
チビスライムは何も答えなかった。待っていても何も答えなかった。落胆した俺はチビスライム達を食した。
―――【分裂】を覚えました―――
【分裂】とな。試しに使ってみる。俺が2匹に増えた。それなのに一体あたりの体積は減ってない。不思議。
『俺の言うことわかるか?』
『あたりまえじゃないか。』
『何で他のスライムには念話が通じなかったんだと思う?』
『新鮮な答えを求めているなら無駄だよ。俺は君なんだから。』
しばらく一緒に行動していたが、15分くらいたつと唐突にもう一人の俺は溶けてなくなってしまった。
再び【分裂】を使う。
『なんで15分くらいで消えちまうんだ?』
『よくわからないけど、俺はあくまで本体じゃないからだと思うよ。』
『消えちまうの怖くないのか?』
『よくわからない。本能にそう言うものだと刻みこまれてるのかも。』
『そっか…』
『だからいくらでも捨て玉に使っていいよ。自分のために消えるのは怖くない。』
『…ありがとう』
俺は俺に優しい。だから余計にやりきれない気分になる。しばらくお喋りしていたが、やはりもう一人の俺は15分くらいで消えた。
寂しい。寂しい寂しい寂しい。
胸の奥に封じ込めていた気持ちが溢れだす。周りは魔物しかいなくて言葉も通じない。俺はこの先たった一人で生きてかなきゃならないのか?……諦めるにはまだ早い。森の魔物に片っ端から【念話】を試してみよう。
結果から言って惨敗だった。辛うじて熊が言葉を発したが『喰ウ…喰ウ…』としか喋らなかった。意思の疎通など到底無理だ。ゴブリンはきっとゴブリン同士で意思の疎通を行っていたのだろうな…
俺には仲間がいない。
八つ当たりで魔法の練習をしまくった。魔法を使いすぎると行動不能に陥るということがわかった。多分MP的な何かを消費しているんだろう。これは危険である。戦闘中に行動不能に陥ったら核が透けて見えている俺は格好の的だろう。魔法の使い過ぎには気をつけなくてはならない。幸いにもMP的何かはそんなに少なくはないようなので気を付けてればそんな極限状態に襲われることはないと思う。減りすぎてくると少し目眩がするような前兆もあるし。




