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第20話

どうしよう8月1日消去予定とか言ってたのに、今更書きたい衝動が…消去保留にするかもです(><)

毎日更新はしません、書きあがったら、書きあがった分だけ上げてくような感じです。

さて。リオンの成績確保のためには更に上位の魔物をティムする必要がある。しかし俺らが狙うのは知能の高い魔物。ぶっちゃけティムするだけなら難しいことはない。闇魔法で洗脳している間にティムしてしまえば良い。ただし、一時いっとき洗脳され、騙し討ちのようにティムされた魔物がティム後、積極的にテイマーのために働いてくれるか?と聞かれたら疑問の残るところである。ティムしているのだから、命ずれば働いてはくれるだろう。しかし自ら積極的に働いてくれるかどうかはわからない。永遠に洗脳し続けるという手もあるが、洗脳し続けるとやや戦力が下がる傾向にあるのはキャラハの森の動物で確認済みだし、そんな非人道的な方法で仲間を増やしていきたいわけではない。自由意思で従ってくれたのでないのなら、奴隷のようなもの。命令こそ聞いてはくれるが、俺はぶっちゃけ潜在的な敵だと思っている。例えば俺が自由意思でなく無理矢理ティムされたのであれば、そりゃあ命令は聞くだろう。ただし、ブロフがどう見ても真っ当そうでない人間にリオンの殺害を依頼していた、あの情報を知って、どうしたか。ブロフと黒尽くめの男をこっそりと始末してやるなんて親切なことはしなかっただろう。放置した。いや、寧ろリオンが上手に始末されるよう誘導した可能性だってある。潜在的な敵というのはつまりそういうことである。幸いにも騙し討ちした、サニーはややサッパリした気質で、恨むようなことはなかったが、今後同じ方法を取って行って、ティムした魔物にリオンが恨まれないとも限らない。その辺をじっくりとリオンと話し合った。


『その可能性を考えるとテイマーという職業が機能しない気がする…』


リオンは困った顔をした。


『いや、俺らが目的としてるのは知性的な魔物な訳だから、逆に“人間の生活に興味がある!”“ティムされてみたい”と思う変わり者も探せばいるかもしれないぞ?多分。リオンはティム状態をいつでも解除できるのだろう?ならば、ティムされてみたい魔物にだけポイントを絞って行けばいいのではないか?それでそのティムされた魔物が人間の生活に飽きたら解放してやればいい。“いつでも解放してもらえる”と知れば、ティムされてみたい魔物もいなくはないと思うぞ?』

『いるかなあ…?因みに人間の町の街中では解放できないよ?』

『当り前だろ。まずは巣まで行って、そういう変わり者を探してみよう。居たらめっけもんだし、いなくてもその魔物に拘る必要はないのだし。』


俺らが次に狙っているのはアラクネである。上半身は人間で下半身は蜘蛛の魔物。大抵美しい容姿をしていて雌が多いが、雄もいるらしい。俺はぶっちゃけ亜人との差がよくわからないのだが、ティムが可能で、魔石を持っているのは魔物に分類されるらしい。しようとしたものもいるらしいが、テイマーには人間や亜人はティム出来ない。闇魔法には隷属の魔法もあるんだがな。この世界には奴隷もいて、『隷属の首輪』なるもので縛っているらしい。ミュリが何度も狙われているのはそれだ。美しい女性ならアハーンウフーンな需要がかなり高いらしい。アラクネの雌も美しいのでそういうアハーンウフーンな需要で捕らえられそうになったこともあるらしいが、極めて知性が高くて、罠も得意で、群れの統率がとれているので、捕らえるのは難しかったようだ。


『いいけど…問題は僕がちゃんと巣まで行けるかってことだよね。』

『それな。』


幾らテイマーが“自分の持っている魔物は強いんだぞ”と誇示しても、いくらなんでも巣の中にまで到着できないような軟弱者を受け入れてくれるかと言われれば普通NOだよな。今回の俺のミッションは、“リオンをアラクネの巣まで連れて行き、尚且つ無事に帰還する”である。自信があるかと聞かれるとちょっと難しい。図書館でアラクネのトラップについてはたっぷり勉強したが、アラクネが悪意を持って知能を凝らして張ったトラップを護衛対象を連れて攻略できるのか…いざとなれば逃げるだけなら転移で逃げられるが、例えば落とし穴系トラップが張ってあって、足元に槍でも設置された日には…俺は無事だがリオンは一瞬でお陀仏である。


『どうする?俺も自信はないし、リオンがアラクネは遠慮しておきたいのなら別の魔物にしても構わないぞ?』

『“竜穴に入らねば竜を得ず”とも言うし、試すだけ試してみようか。駄目そうならすぐ逃げられる?』

『おう。それは任しとけ。』


俺とリオンは、アラクネの巣に特攻かけることになった。俺がリオンを連れて地上を移動。サニーが上から俯瞰して、アラクネの巣の位置を伝えてくれる、という役割分担だ。俺にも翼があったらなあ。

カザミ街道から西に少し行ったあたり、森…というほど木が多くない、林のような風景の広がる、アラクネの巣の手前で俺は人型形態を取った。


『よし。乗れ。』

『へ?』


膝をついて背を向けるとリオンが間抜けな声を出した。


『離れてると、護衛しにくいんだ。いいから、おぶされよ。お前より小さいが、何とか乗れるだろ?』

『う、うん…』


リオンがおぶさってきた。やっぱりタッパがなあ…この手は今後リオンが成長すると難しいかも。リオンをらくちんに護衛できるほど強くて、騎乗できるタイプの魔物が欲しいなあ…


『じゃあ行くぞ。ちょっと速度出すし、俺も本気出して動くから、リオンは舌噛まないようにしろよ?』

『わかった。』


俺はぐんとスピードをつけて走り出した。きらっと糸が光ったのが視認できたのでフレイムストライクで直線距離ぶっ飛ばした。アラクネの糸は火には弱いらしい。普通の糸と比べて極端に弱いという意味ではなく、普通の糸なみに燃えてしまうという意味だ。しばらく駆けているが、異様に動物が少ないのが気になった。ぐわっと足元が沈む。来たか…落とし穴系トラップ!瞬時に前の地面に瞬間移動するが、そちらの地面も沈んだ。スライムの360度視線で見えてしまった木の根っこと、その木が最低限生命活動を行える土を残して満遍なく足元を掘られて鋭い竹槍が植えられているのを。

アフォか!

どう見てもまともに地面を走らせる気のないトラップだ。あーあー。そうでした。アラクネちゃんは木に張り付くのも得意でしたっけね!近くの木に転移して、三次元駆使の立体移動をせざるを得なかった。


『ちょっ!怖っ!!やだ!ラヴィ!』

『うるさい。黙れ。気が散る。』


背中側の視界を使うとリオンが半泣きで歯を食いしばっていたが、そんなものを鑑賞している場合ではないのだ。立体移動はいいが、木立の中に鋼線の様な糸が混じっているのだ。俺は多少体積が減るくらいで(もしかしたら瞬時にくっつくから減りもしないかもしれない)困らないが、リオンの体をかすらせたら怪我をさせてしまう。俺は移動しながらせっせと糸を焼くのに忙しいのだ。サニーから『もう少シ右の方でス…』などの指示が届くのでその通りに移動している。

立体移動を駆使すると、やがて開けた土地に出た。試しに地面に足をつくと、しっかりと土があった。サニーの声がした。


『到着でス』


目の前には武器を手にしたアラクネ達。


『落ち着け。交戦の意思はない。』


個体に制限をつけず、周囲50mくらいに念話領域を広げた。


「な、なに!?頭に声が…」

『これは“念話”だ。俺は人型に見えるかもしれないが、スライムのラヴィ。俺の背中に乗ってる奴は、テイマーのリオン。俺はティムモンスターなんだ。』


まあ、人型と言っても半透明に体が透けているので、人間でないことなど一目瞭然だが。アラクネ達はテイマーと聞いてますます警戒を強めたようだ。


「テイマーとティムモンスターが何の用だ。」

『リオンにティムされたい“変わり者”を探しに来た。ほら、後はリオンが言えよ。』


リオンを背中から降ろしてやる。リオンは立体移動でぐったりしていたが、何とかふらふらと立ち上がった。


「は、はじめまして。こんにちは。リオン・クラヴァスと申します。」


リオンは自分がアートミル学院初等部の学生で、高等部へ行きたいので、成績を上げられる、“一般的にティムしてたらスゲエ”魔物をティムしたい。そしてその魔物とは友好的な関係でいたいので、あくまで“自分の意志で”ティムされてくれるモンスターを求めている。“人間との共存生活に興味がある”“僕にティムされてもいい”と思ってくれるアラクネはいないだろうか。因みに、人間との共存生活が肌に合わないようなら“街中でなければいつでも解放する”条件であることを述べた。


「信用できるか!」

「人間はすぐに嘘を吐く!」

「上手いことを言って、私たちを売り飛ばすつもりだろう!」


アラクネ達から非難された。


『実際人間には嘘をつくものが大勢いるし、疑うのも無理はないと思う。ぶっちゃけアラクネを1匹2匹攫ってティムすること自体は俺たちにとってそう難しいことじゃない。しかし無理矢理ティムされたアラクネは所詮潜在的な敵だ。俺たちはそんな存在は欲しくないんだ。俺たちは“自分の意志で”俺たちと一緒に来てくれる“仲間”が欲しいんだ。だから、いくら信用できなくても無理矢理信じろなんて言わない。寧ろこれから俺たちと同じようなことを言う大嘘つきが現れる可能性を考えれば、警戒心はより高く持つべきだと思う。その上で“やっぱり俺たちを信じてみたい”という“変わり者”を求めているんだ。アラクネにそういうやつがいれば俺たちときてほしい。だが、もしいないというのであれば、俺らは大人しく引く。あともう一つ言っておくと、今後それなりに冒険することもあるかもしれない。そうすると怪我をしたり、死ぬこともあるかもしれない。正直集落の中にいた方が安全だと俺は思う。連れて行く個体だって俺たちはあまり裕福ではないから、1匹か2匹くらいしか連れていけない。さあ、この条件で乗るやつはいるか?』


アラクネ達は声を荒げた。


「いるわけないだろ!」

「帰れ!」


うーむ…これは無理っぽい予感。アラクネ達は武器を構えたり、お手製の弓で狙いをつけている。リオンを振り返ると苦笑いしていた。


『帰ろう。ラヴィ。』

『そうだな。』


やっぱり知性がそれほどなくっても強くてリオンの成績につながる魔物のティムを考えた方が良いんだろうか。キャラハの森の熊辺りをティムしてみるか?物が物なので街に入れるのはいい顔をされないだろうが。


「あ、あの!私行ってみたいです!人間の街!!」


少女の声が上がった。


「これ!クレア!」


周りが抑える。


「だって!私、人間の街を見てみたい!本当に嫌なら解放してくれる条件なら、こんな理想的な条件ない!」

「人間の言うことなど信じては痛い目を見る。」

「信じるかどうかは私が決める!私はもう15歳。大人だもん!」


クレアと呼ばれた少女が、胸を張った。クレアは水色の艶やかなロングヘアにぱっちりした翠色の瞳のとても可愛らしい少女だ。下半身は黒い蜘蛛だが。


「クレア!行くな!そんな胡散臭い奴らと一緒だなんて…」


声をあげたのは少年。黒髪に黒い瞳の、アラクネの中では珍しく雄個体だ。クレアと同じ15歳くらいで、やはり容姿は整っている。


「ユーロ…心配してくれるのは嬉しいけど、私、もっと外の世界を知りたいの。だから私は行くわ。お嫁さんになってあげる約束…守れなくてごめんなさい。」


……なんか一気にメロドラマチックな展開になってきたのだが…俺とリオンはとても気まずいです。いやいや。結婚の約束とかしてんなら普通にそっちを優先してくれていいんだけど。


「~~~~ッ!!わぁったよ!俺も行くよ!クレアがなんて言ったって俺にはクレアしかいないんだ!!」

「ユーロ!」

「クレア!」


抱き締めあう二人。とても気まずい周囲。甘々イチャイチャを見せつけられて、とても気まずいです。しばらく二人でメロドラマを楽しんでいたようだが、ユーロという少年が、俺たちに向き直った。


「一応行く方向で話まとめるけど、お前たちの実力ってどんなもん?正直ついてってすぐ後悔しそうな弱さか?」

「んー……正直言って僕に強さは期待しないで欲しい。ラヴィの実力は僕も把握してない。模擬戦ではオーガより強かったけど。」

「よし、スライム。俺と勝負だ!」

『勝負の内容によるが…』

「内容?普通に戦えばいいじゃないか。」

『スライムに怪我らしい怪我は存在しないから、俺はそれでもいいが、お前はどうなんだ?強酸を浴びて平気か?猛毒を注入されて平気か?風の刃で切られて平気か?炎で焼かれて平気か?他にも攻撃方法はいくらでもあるが、大抵まともに食らえばお前は平気じゃないと思うぞ?』

「……。ぶ、武器で。木の模造武器で!魔法と毒と酸は無しだ!」

『そうなると俺はガクッと実力が落ちるんだが…まあいいだろう。俺もお前がどの程度か知りたいからな。』


俺とユーロは対峙した。俺は集落の奴からゴブリンの双剣に近いタイプの木剣を借りた。ユーロの獲物は槍らしい。


「俺は糸を使ってもいいのか?」

『構わない。』

「では双方位置に、始め!」


審判の合図で、俺とユーロは打ち合った。距離があるときは槍の方が有利だろうって?いやいや、奥さん、俺、不定形生物スライムっすよ?片手の剣で、槍の穂先を受け止めて、もう片腕を半触手型ににょろんと伸ばして鞭のようにしならせた。


「なっ!?」


ユーロが驚いているようなのでまずは軽く切りつけてやった。木剣なのでそんなにダメージはないと思う。腕を元の長さに戻す。ユーロが糸を放ってきたがちゅるんと身を丸めて避ける。ユーロの槍の腕前はまあまあと言った感じだ。リオンのクラスの人間から言えば確実に上位だし、鋼線も交えればオーガ相手でも勝利できたかもしれない。しかし不定形生物とはあまり相性が良くない。うにょうにょちゅるちゅる素早く体を展開させて、ユーロをビシバシ斬りつけた。


「おい!そんなんありかよ!」

『ありだろ?約束通り魔法も毒も酸も使ってないぞ?まあそれでも、本物の武器を使っていたらとうの昔にお前は死んでると思うが。』

「気持ちわりい!」

『それは俺もちょっと思う。』


なまじ人型とってるから部分的にスライム化させるとヴィジュアルの気持ち悪さは半端ない。ユーロが投網状に糸を編んで放ってきた。それはもし俺が片手剣だったら割と有効かもしれない。俺は片手に持った剣で投網の先端から先端を折りたたみ、もう片手で槍の穂先を弾いた。そして片足をスライム化させて鞭状にしてユーロの手を蹴り上げた。ユーロが槍を取り落とす。

ユーロの額に木剣を当てる。


『満足したか?』


ユーロは悔しそうな顔だ。


「ちくしょう!お前が強いのはわかったよ!」


ユーロはすっかり拗ねてしまった。


『まあ、まあ。ぐれるな、少年。俺はちょっと特殊だから。お前はまあまあ強いぞ?』

「ぜんっぜん嬉しくねえ!戦力殆ど封じた上で容易くあしらわれた相手にそんなこと言われても全然嬉しくねえ!」

『あー…因みに言っておくが、俺は殆どの人間の前では人型は取らない。ボール型に触手が伸びる程度で武器も使わない。一部の人間以外に念話で話しかけたりしないし、酸は使うが、治癒以外の魔法は使わないし、毒も使わない設定だ。だから多分他人の前での俺とだとユーロの方が強いと思うぞ?』

「ハァ!?戦力隠してるってことか?なんでそんなこと…」

『アラクネがどういう価値観で生きてるか知らんが、人間は珍しいものが好きだし、自分の知らないものは研究し尽くさないと気が済まない生き物だ。知性があって、人型とれて、多種多様な魔法の使えるスライムだとか言ったら、まず間違いなく権力者や研究者のオモチャだな。俺はそんな目には合いたくないから、お前もクレアも秘密は守れよ?』

「ふうん。めんどくせーの。」

『人間社会は面倒くさいものなんだ。嫌なら来なくていーぞ?』

「そんなめんどくせー世界にクレアを一人で放り込めるわけないだろ。」

『そうか。まあ、その辺はお前らの自己判断に任せる。』


本人から魔法禁止を言い出したので使わなかったが、ユーロとクレアは風の魔法と土の魔法が使えるらしい。そしてクレアは弓の名手だそうで。まあ、戦力としてはスゲーレベルなんじゃないかと思われる。前衛と後衛が補填できて丁度良い。因みに俺は弓使いはちょっと苦手だ。奴らこっそり奇襲で的確に核を狙い撃ちしてくるんだもん。それで何匹のスライムが屠られたのを見たことか。ブルブル。


「じゃあ、クレアとユーロをティムしていいのかな?」

「いいです。」

「いいぞ。」


二人が素直にリオンの前に出た。


「はい、じゃあラヴィのおでこに注目。赤い華みたいな模様が見えるでしょう?あれは僕がティムしたティムモンスターという証なんだ。ティムモンスターにはあれを見えるところにつけておくのがルールなの。どこにつけて欲しい?手の甲とかでも大丈夫だけれど、あんまり隠れたとこにつけると、他の人間に野生のモンスターと間違われて殺されたり、“隠れていたからよく見えなかった”とか言い訳されて攻撃される場合があるよ。」


クレアは「ふわ~可愛い!」とはしゃいで、どこにつけるか吟味しているようだ。


「ここにしてください。」


クレアは自分の左頬を指した。


「じゃあ、俺も同じところに。」


クレアとお揃いにする気満々である。

リオンが二人の指定の位置にマークをつけてティムした。ティム時に名前を付ける仕来りだが、もう既に名前を持っているので、同じ名前を重ね付けしたようだ。

帰りはクレアとユーロに安全なルートを教えてもらって街道まで出た。俺はリオンをおんぶから降ろし、サッカーボール大になってリオンの腕に抱かれた。サニーはお外で虫か、動物の生肉かなんか食べてくるらしい。


「二人はどんなもの食べるの?住処はどうしたらいい?」

「食事は人間と同じ加工された食べ物だな。住処は地面に布を巻いて寝ていたが。」

「はいっ!私“ベッド”っていうのに寝てみたいです!」


クレアが主張した。ベッドなる物の噂を聞きつけて憧れていたらしい。


「そうだね。えー……と、ダブルベッドでいいの?」

「だぶるべっど?」

「ユーロと一緒のベッドで寝るかってことなんだけど…」

「……。」

「……。」


クレアが恥ずかしそうにユーロを見て、ユーロも恥ずかしそうにクレアを見た。そして二人で頷いた。クレアの妊娠とかが発覚したら、どうしたらいいのだろう…もう大人だそうだし…俺とリオンは町に帰っていの一番にダブルベッドと4方を囲う大きな衝立を購入した。他のティムモンスターに見られながらダブルベッドで致すというのもお気の毒ですし?声が漏れちゃうのは諦めてもらうけど。お店の人には大急ぎで配送してもらった。あと清掃用具とシーツの替え。洗濯桶と洗濯板、洗剤、石鹸。人型に近いとはいえ湯屋は諦めてもらうほかない。従魔には従魔を洗う施設がある。井戸から水を汲んできて洗うのだが、きちんと仕切りのついた個室になっている。勿論普通テイマーが自分の従魔を洗うのだが(俺もリオンに洗われているし)、知能を持って人型に近い従魔の場合(初等部の生徒がそんな大層なもの捕まえてくるのは稀だが)自分で自分を洗う場合もある。クレアとユーロには自分で自分の風呂、洗濯は頑張ってもらう。食事は朝昼晩リオンのお手製の料理である。半放置形態で、授業に参加しない日は街をうろつくのも自由。通貨の概念を教えて多少の小遣いを持たせておいた。二人とも頭は良いらしく、すぐに理解してくれた。因みに従魔の印のあるモンスターを襲うのは重罪だ。従魔はテイマーの貴重な財産扱いなので。

そんな感じでクレアとユーロの加わった1日目が終わった。


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