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長いしっぽの猫

作者: やす

しっぽが長いあの子はいつも一人ぼっち、誰も気味悪がって話かけない


「ねぇ、一緒に遊ぼうよ」


しっぽが長い私は一人でも楽しい。

誰も近付いて来なくても全然平気


「………ふん」



しっぽが長いあの子はいつも一人ぼっち、今日もまた1人で遊んでる


「なにしてるの?」


しっぽが長い私は一人でも楽しい。

このしっぽで縄跳びだって出来ちゃう


「………別に」


しっぽが長いあの子はまた1人ぼっち、あの子の為に魚を取ってきたよ


「はい、これあげる」


しっぽが長い私はなんでも出来る。

今日は池でしっぽを垂らして魚を沢山釣ったわ。

「魚は沢山あるからいらない」


しっぽが長いあの子はまた1人ぼっち、突然雨が降って来た


「はい、葉っぱの傘」


しっぽが長い私は雨でも平気。しっぽを丸めて傘代わりにするの。


「………」


傘をさす猫を無視して去る長いしっぽの猫


また彼は私をつきまとう。

「だって…」


勝手にやってれば。


次の日も


次の日も


彼はやってくる。


こんなに無視をしてるはずなのに…


だけど…無視される以上に彼女が好きなんだ。


しっぽが長いあの子はまた1人ぼっち。また池で魚釣り。


「沢山釣れてすごいね」

しっぽが長い私にとって釣りなんておやすいごよう。


「…………ふん、これあげるわ」


「いいの?ありがとう!!絶対大切に食べるから!骨は宝物にするよ!」


「勝手にすれば…」


あ!!!!


熊があの子を襲おうとしてる。

守らなきゃ!!

「逃げて!!」



………



しっぽの長い私は今日も1人。あのしつこい彼が私の身代わりになって、食べられてしまった。


勝手に逃げれば良かったのに…。


馬鹿みたい。



しっぽの長い猫は初めて誰かの為に涙を流した。


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