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4.狭間

(「・ω・)「ガオー




「ここは狭間だよ」


女の子が答えた。




……はざま?



口に出してはいない筈なのに

また女の子が応える。



「何かと何かの間を歩いたり、普段通らないような狭

 い場所に行ったりしたようなことはないかい?」




この場所に来る前の記憶を辿る.....


そして、犬に押し倒されて電柱とブロック塀の間に

転けたことを思い出した。




すると、やっぱりボクの考えは

女の子に伝わっているようで



「その場所がこの狭間に繋がったのさ」


「そちらの世界にもたくさん話しがあるだろう?


 霊界へと続く門だったり

 宇宙につながるポータルだったり

 空間を跳躍するゲートのような


 その場所からはありえない何処かに

 繋がってしまうことがね


 どの世界にもそういった話は必ずあるのさ

 だって本当にあるんだからね」



.....家に帰る方法は


.....家族に連絡はできないのかな



ボクが今まで生きてきた世界や触れてきた常識とは異なる話に呆けていると、女の子はそれを察して続けて言った。



「狭間は1度入ってしまうと元には戻れない

 そういう場所なんだよ」




「元の世界に戻るなんてできないに決まってるさ

 既に元の世界からはみ出してしまったんだから


 でも、キミがいなくなったことで生じる

 世界への影響はないよ。


 キミはここに来てしまった時から

 誰からも認識されていない。

 思い出しても貰えない。


 ...例外を除いてね」




.....ボクはずっとこのままなのか




「後から説明しようと思っていたんだけどね

 キミのいた場所には今のキミのように

 別の世界から狭間に入ってしまって

 はみ出してしまった誰かが入り込むのさ。


 僕のような存在に案内されてね」




「そして、その誰かは、キミ全く同じ容姿では

 ないけれど、あの世界のキミという存在になる。

 誰も何も不思議に思われないままでね」




「足りなくなった世界の一部を

 はみ出してしまったモノで埋める為に

 狭間に入ってしまった人やモノ達を

 別の世界に案内していくことが

 僕たちの役割なのさ!」




相変わらず言葉は出ているのに動かない口を持つ

女の子は、未だ揺れ動く輪郭だけのボクに

狭間という場所について楽しそうに教えてくれた。





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