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【完結】最強クラス【影霊術師(シャドウネクロマンサー)】に覚醒し、俺を捨て駒にした勇者パーティと世界の全てに復讐する  作者: なすび
【第3章】In the abyssal depths of the boundless SHADOW

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96 チェスのルールは知ってるかい?

前回のあらすじ

シドの前に姿を現したもう1人のシカイ族はソブラと名乗り、シドと同じ影霊術師シャドウネクロマンサーであった。

彼は20年前、国家転覆を企てたことで当時の聖教会によって討伐されたはずだった。

しかしソブラは聖教会の目を欺き、今もなお生存していた。

そして同じ影霊術師シャドウネクロマンサーであるシドに協力を持ちかけるのであった。

「神になることさ」




「…………は?」





「もはや一国の玉座如きに用はない――僕は新世界を創造する神となる」


「頭でもイかれたか?」


「確かに、脳を焼かれたことはある――20年前にね」


 ソブラは不老不死ジョークをかましながら、ルゥルゥとは反対側に控えている山羊頭の影霊(シャドウ)に指示を出す。

 するとソブラの正面に――おどろおどろしい血の色の装丁がなされた分厚い本が出現した。


 ヴァナルガンドのように、異空間に物質を収納する能力か?

 もしくは、離れた場所から物質を転送する能力か?


「これはシドが所持している2体の《五大魔公》と同じS級ダンジョンのボスの1体――名をアーカーシャと言う」


「S級ダンジョンのボス……!?」


 血色の本は、触れることなく勝手に開き――パラパラとページがまくられていく。

 あの本が……エカルラートやヴァナルガンドと同列に数えられるS級ダンジョンのボスだと?


「《叡智えいち》を司る神脳しんのうのアーカーシャには、この世の全ての知識が余すことなく書き記されている。そして僕は知ったのさ――神になる方法をね」


『…………《五大魔公》か。よもや人間からその名を聞くことになるとはのゥ』


 懐かしむようにエカルラートが呟く。


「(エカルラート――五大魔公ってなんだ?)」


『妾やヴァナルガンド――S級ダンジョンのボスをまとめてそう呼ぶ』


「(この世で最も強い魔物トップ5の総称ってことか)」


「シド――君は僕の次に神に近い存在だ。故に教えてあげよう」



 ソブラは語る――神になる方法とやらを。



 曰く――この世界には5つのS級ダンジョンが存在し、5体のS級ボスが存在する。



 一つは、血を分け与えることで永遠の命を付与する吸血姫――《永遠》を司る《不滅のエカルラート》。

 一つは、現世と同量の異空間を体内に有する獣――《悠久》を司る《呑み下すヴァナルガンド》。

 一つは、神の持つ知識を余すことなく書き記した書物――《叡智》を司る《神脳のアーカーシャ》。

 一つは、ありとあらゆる物質を生み出すことが出来る大蛇――《創造》を司る《産み落とすククルカン》。

 一つは、世界の全てを焼き滅ぼし終末をもたらす邪竜――《破壊》を司る《終焉のリュシフィール》。



「僕はその内の2体――アーカーシャとククルカンを所持している」


「確かにどれも非常に強力な魔物だな。でもよ、そいつらを全て手中に納めても、神そのものを名乗るのはいささかおこがましいんじゃねェか?」


「それはどうかな? よく考えてみたまえ――【永遠の命を持ち】、【広大な空間を所持し】、【全知を有し】、【無から有を創造し】、【全てを壊す力】がある――それは、新しい世界を生み出す力に他ならない。《五大魔公》の権能全てを体内に取り込むことで、人は上の次元の存在へと昇華するのだよ」


「…………」


「別次元の神がそうしたように、僕らがいる次元の神もまた、己の権能を5つに切り分けたのさ。次の神のためにね」


 あまりにも突拍子のない夢物語。狂言。戯言。

 都合のいい空想だと切り捨てるのは簡単だ。



 でも――もし真実だとしたら?



「(エカルラート……あいつの言葉は真実か?)」


『わからぬ』


「(分からないってことは、嘘ってことか?)」


『否――例え妾を含めた《五大魔公》が、創造神の権能を五つに切り分けた存在だとしても、切り離された四肢は意思を持たぬ。妾が神の切り落とされた腕の1つだとしても、腕があるじの思惑などあずかり知らぬ事。故に――分からぬのじゃ』


「そういう訳で、シドの持つエカルラートとヴァナルガンドを譲って欲しいんだ。《五大魔公》4体分の権能があれば、最後にして最強の《五大魔公》――終焉のリュシフィールを手中に収める事も容易い」


「それが真実だろうと妄想だろうと、答えはノーだ」


 奴の言葉が真実だとしても、エカルラートもヴァナルガンドも、俺の大切な仲間だ。


 そして――奴の語る創世神話が嘘だとしたら、奴はマジで世界を滅ぼす戦力を手に入れることになる。

 こんな奴に世界を支配されてたまるかよ。


 嘘だろうと真実だろうと――答えは同じって訳だ。


「残念だ――同盟は失敗か。それじゃあ――戦争しかないよね?」


「ッ!?」


 ソブラは己の影をぶわりと広げる。

 あれは己の影を広げて、影霊を強化する影霊術師シャドウネクロマンサーのスキル――影霊領域(シャドウフィールド)!?


「ちッ!」


 一歩遅れて――俺も影霊領域(シャドウフィールド)を展開する。

 境界線を押し合うように、2人の影が衝突する。



 影霊(シャドウ)を召喚しようとした直前――



「いや、戦争は言い過ぎかな。ゲーム――と言い換えるよ」



 ――ソブラは展開した影霊領域(シャドウフィールド)を納めた。



「は?」


影霊術師シャドウネクロマンサー同士で戦うのはあまりにも不毛だ。なかなか決着が着かないからね」


 影霊術師シャドウネクロマンサー影霊(シャドウ)の軍勢を呼び出し、MPを消費することで無限に復活する。

 そして術者本人は不老不死ときたもんだ。

 三日三晩かけても決着が着かない可能性は十分にありえる。


「だからさ――ゲームをしよう。お互いの《五大魔公》を賭けて」


 ソブラはピンと、指を立てた。

 創造神を夢見る狂人は提案する。



「チェスのルールは知ってるかい?」


ざっくりとした解説


創造神はこの世界を作った後、己の肉体を5つに分けました。

それがS級ダンジョンのボス――《五大魔公》です。

魔物を使役するスキルを持つ影霊術師シャドウネクロマンサーが全ての《五大魔公》を手に入れ体内に取り込むことで、新しい世界を創造する力を持つ神へと昇華できます。

別次元に存在するあらゆる世界は、こうやって増え続けてきました。

マルチバース、異世界といったイメージです。並行世界とは違います。


上記の情報を、ソブラは神脳のアーカーシャを手に入れたことで知りました。

もはやこの世界を支配することに価値はなく、王ではなく神となるべく、ソブラは《五大魔公》を2体所持しているシドに接触したのでした。



あとこの世界は天動説・フラットアースで、世界そのものは地球の半分くらいの広さ、シドの生活している大陸は北アメリカ大陸くらいの大きさです。

スノードームみたいに大陸を地面に半球状になっており、球体の部分に天体が照明装置として張りついているイメージです。


まあ政府が隠してるだけで、我々の住むこの世界も実は平m【閲覧制限】

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