表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】最強クラス【影霊術師(シャドウネクロマンサー)】に覚醒し、俺を捨て駒にした勇者パーティと世界の全てに復讐する  作者: なすび
【第2章】KNT's of the Sword and Balance

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/168

68 《聖痕之陸》――アニス・レッドビー

本日はクリスマスなので、おまけイラストです。

リンちゃんとフロウちゃんのサンタツーショットです。

イラストはAI、文字は商用利用ではないなら使用可能なフリー素材から頂戴しました。

挿絵(By みてみん)

名前:アニス・レッドビー

クラス:アサシン

レベル:61

HP:580/580

MP:430/430

筋力:82

防御:64

速力:167

器用:155

魔力:70

運値:91




名前:シド

クラス:影霊術師シャドウネクロマンサー

レベル:103

HP:2060/2060

MP:2200/2240

筋力:360

防御:310

速力:390

器用:410

魔力:225

運値:215



 聖教会の刺客――アニス・レッドビーと俺のステータスを見比べる。


 クラスは元勇者パーティのルゥルゥと同じアサシン。

 レベルはA級冒険者に匹敵するが、先ほど死闘を繰り広げたカイネと比べれば足元にも及ばない。


「上司の命令には基本従うっスよ――給料貰ってるんでね。でも、上司に死ねと言われて喜んで死ねるほど信心深くはないっス」


「少なくとも、カイネという聖職者は信仰の為に命を賭けられる奴だったけどな」


「ありゃ聖教会の中でも札付きの狂人(キチガイ)っスよ。カイネ先輩を基準にされたらたまらないっス」


 アニスは同僚をキチガイ扱いしてケラケラと笑いながら続ける。


「そんな訳でお兄さん、提案があります――ウチのこと、見逃してくれないっスか?」


「はぁ? 自分から俺の隠れ家にまでやって来といてなにいってんだ?」


「こっちも命令されただけなんスよ。立場上、命令には従わないとウチのクビが危ないんで――シナリオはこうっス――」


 アニスはピンと、人差し指を立てた。


「――ウチは影霊術師シャドウネクロマンサーの隠れ家を襲撃、しかしシドお兄さんに手も足も出ず撤退、命からがら逃げ出してきた――とまぁ、こんな感じの言い訳が立てば、上司も納得してくれると思うんで」


「…………」


『シド――よもや、このガキの戯言に乗るつもりではあるまいな?』


 俺は悩みかねていた。

 聖教会は復讐対象であり、聖教会も影霊術師(おれ)を抹殺対象にしている。

 だがかつて共闘したシスターの少女――フローレンスという例外がいるように、全ての聖職者がシカイ族を目の仇にしている訳ではない。


 俺は悪人であることに変わりないが、害をなさない人間を殺す程修羅にはなれない。


「お願いしまっス! この通りっス!」


 アニスは両手を合わせて懇願する。


 少なくともこいつは、いつでも手にかけることが出来たはずのリンに危害を加えなかった。

 そして人生の大半を奴隷として過ごしたリンが、警戒を解き楽しそうに会話をしていた。

 同年代の友達が出来て喜んでいたのだ。


 ゴブリンロードには侵入者を例外なく殺せと指示しているので、正当防衛と言えるだろう。

 影霊(シャドウ)であれば、MPを使えばいくらでも復活させられるし。

 未だ、俺はアニスによって一切の損失を出していない訳だ。


「分かった――その条件を飲んでやる」


 ここでコイツとガチバトルをすれば、リンにその光景を見られるかもしれない。

 初めてできた友人を、主人おれに殺されるのを見たら、リンにとって大きなトラウマになりかねない。


「(その憶測を全て計算して交渉してるんだとしたら――とんだ策士だな)」


「シドお義兄(にい)さん流石! 話が分かるっスね~! おっ、よく見たら背も足も長いし男前じゃないっスか~! もしウチの性別が男なら一目ぼれしてたっスよ!」


 なんでだよ。

 普通逆だろ。


 しかも〝おにいさん〟の言い方にちょっと含みを感じたんだが……。

 どこの馬の骨か分からん奴にうちのリンは渡さんぞ。


「一応戦ったけど勝てなかったって体でいきたいので、首の後ろを手刀でトン――ってして気絶させて貰っていいスか? んで森の外の街道あたりに投げ捨てといて貰えるとありがたいんスけど」


「分かった」


 つんつん――と首の後ろをつつくアニスに従い、手刀を作って振り上げる。


 そして、振り下げようとした瞬間――殺気。



 ――スパッ!



「――――ッ!?」



 指が一本――落ちる。



 ――スパスパスパスパッッ!!



 次の瞬間、全ての指が俺の身体から離れ、手の甲が――手首が、次々と輪切りにされていく。



「――――フヒッ!」



 アニスは目にも止まらぬ速さで短剣を取り出すと、振り下ろした俺の腕を乱れ斬りにしたのだ。

 食べやすいうようにカットされた食材のように、手首から先が無数の肉片に切り刻まれた!


「なッ!?」


『愚か者! じゃから油断するなと言ったであろうが!』


 赤い瞳が俺を射止める。

 飄々とおどけた少女の面影はどこにもいない。


 その鋭い眼には見覚えがあった。

 油断して仕留めそこなったアサシン、ルゥルゥと同じ――暗殺者アサシンの眼だ。



「リンリンちゃんのいう通りっス。シドお兄さんって本当――優しすぎるっスね」


【おまけ】AIイラストつきSS第4弾です。



シド「髪を伸ばす薬か……」


エカルラート「なんじゃシド、面白そうな物を持っておるな」


シド「ダンジョンのドロップアイテムで、髪の毛を伸ばす薬が手に入ったが使い道が見つからなくてな」


エカルラート「将来の為にとっといたらどうじゃ?」


シド「怖いこと言うなよ!! ていうか不老不死だからハゲねぇだろ…………多分」


エカルラート「妾は既にロングヘアーじゃしなぁ……そうじゃ! のゥシドよ、ロングヘアーのリン――見たくはないか?」


シド「………………見たいな」


 サァ―――― ←(リンの飲み物に薬を盛る音)


リン「ふぇぇぇぇ!? な、なにこれ~~~~!?!?」


シド&エカルラート「「きゃわわ~~~~❤❤❤❤」」

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ