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【完結】最強クラス【影霊術師(シャドウネクロマンサー)】に覚醒し、俺を捨て駒にした勇者パーティと世界の全てに復讐する  作者: なすび
【第1章】Born of the SHADOW Necromancer

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32 A級ダンジョン【藍蘭湖】攻略

前回のあらすじ

シドは奴隷の少女を助けるため、強力な回復魔法を扱うウィンディーネがいるA級ダンジョン【藍蘭湖(あいらんこ)】へ向かう。

一方復讐対象である勇者パーティも、重騎士ガーレンの傷を治すために【藍蘭湖】へ向かうのであった。

 ――王都の外に乱立するダンジョン群。


 ――周囲のダンジョンには目もくれず、ダークホースに騎乗した俺は一直線にA級ダンジョン【藍蘭湖(あいらんこ)】へ進む。


 ヴァナルガンドの異空間移動は、マーキングした場所にしかいけない。

 現在俺がヴァナルガンドで瞬時に移動できるのは王都の外壁部までで、そこからは馬での移動になる。


「やっと見えてきたな」


 速力を落とすことなく1時間ほど走らせた末、【藍蘭湖】へ到着。


影霊(シャドウ)顕現――魔石は拾わなくていい、とにかく階段を探せ」


 屋敷に置いてきたゴブリンロード、デュラハンを覗く主力影霊を召喚し、バラけさせ捜索を開始する。

 無論今回は俺も捜索に参加し、少しでも早く下層へ進む。



「――邪魔だッ!」


『プリャッ!?』



 道を塞ぐ妖精型の魔物を切り伏せながら進む。

 周囲に展開した影霊(シャドウ)の視界を映した板をチェックするのも忘れない。


「ミノタウロスが階段を見つけた――こっちだな」


 A級ダンジョンと言えど、道中の魔物は俺の敵ではない。

 俺のレベルは78。


 既に人類の上澄みクラスのステータスを持つ俺にとって苦戦する相手ではなかった。



 ――ダンジョン探索を始めて2時間後。



「よし、最下層までついたか」


『A級ダンジョンをこれだけ早く駆け抜けた冒険者はそうそうおらぬだろうな』


「多少強引な捜索になったが、今回は1秒でも時間が惜しい」


『小娘1人に必死じゃのゥ――クハハ』


「なんとでも言え」


 扉を開ける。

 中の玄室は、今まで俺が足を踏み込んできた玄室を比較すると、かなりの広さを誇っていた。


 足首が浸かるくらいの水が一面に張られており、壁の上部からは小さな滝のように水が流れている。


「あれがウィンディーネか――でかいな」


 幻想的な空間。

 その最奥部に目的の魔物がいた。


 宙に浮いているウィンディーネは、青い肌の美女であった。

 ただし身の丈が4メートルくらいあり、下半身が魚の尾のようになっている。




『――――ッ!!』




 侵入者を発見したウィンディーネが鳴く。

 管楽器のような甲高い声を鳴らすと、玄室のいたる所からポンッ――と音を立てて小型の魔物が出現する。


 青色の妖精型の魔物、ブルーシルフだ。


「手下を召喚するタイプの魔物か。だったらこっちも加減はしねェ――影霊領域(シャドウフィールド)


 ウィンディーネに合わせて影霊(シャドウ)を召喚する。

 俺を中心に半径約20メートルにまで影を広げる。

 この影の内側にいる魔物はステータスが強化されるおまけ付きだ。


 召喚するのはミノタウロス、オーク、ガーゴイル、ゴブリンウォーリアーといった戦闘能力に長けた影霊(シャドウ)

 更にレッドウルフにゴブリンを乗せたゴブリンライダーも召喚する。


「雑魚は任せるぞ」


『ブルガッ!』『グオオッ!』『ギギャー!』『グオオッ!』


 異口同音に返事をする影霊(シャドウ)

 俺はダークホースを召喚して騎乗すると、影霊(シャドウ)達の脇を駆け抜けながら、ウィンディーネめがけて一直線に駆ける。


「邪魔だッ!」


 ウィンディーネの元へはいかせまいと、手下のブルーシルフが立ちふさがるも――長剣で両断。

 ダークホースの足を止めることなく、馬上から斬撃を繰り出し、精霊型の魔物を切り伏せながらボスへ近づいていく。




『〜〜〜〜♪』




 ウィンディーネが歌いだす。


 10秒ほど歌声を奏でると、玄室にいるブルーシルフの傷が瞬時に癒えるのを確認した。


「エリア内の味方全てを回復させる魔法か!」


 完全に殺した魔物が復活した様子はない。

 しかし――わずかにでも息のある魔物の傷は完全に塞がっている。


 俺とミノタウロスはブルーシルフを一撃で倒せるから、復活することはないが、その他オークやガーゴイル影霊(シャドウ)は、回復するブルーシルフに手こずっている。


「本来ブルーシルフは低級の魔物、オークやガーゴイルクラスの魔物が手こずる相手ではないはずだ」


 恐らくは――フィールド全体の精霊系魔物のステータスをアップさせる能力も持っていやがる。

 屋敷の安全のためにとゴブリンロードとデュラハンを置いてきたのは失敗だった。


『ブルーシルフを倒さなければボスの元までたどり付けず、ボスを倒さなければブルーシルフが回復していく、なんとも厄介な相手じゃ』


「本来であれば集団で挑むレイドタイプのボスだろうな――A級ダンジョンのボスに相応しい厭らしさだ」


 ダンジョンの回廊の横幅や、1人当たりの報酬の取り分を考慮すると、冒険者パーティは4~6人が好ましいとされている。

 しかし十分な広さのある玄室でダンジョンボスと戦う場合は、複数のパーティが一時的に手を組んだり、ギルドが総力戦でボスに挑むこともある。


 A級ダンジョン【藍蘭湖(あいらんこ)】も集団戦を想定して作られたボスだ。



 まあ――1人で無数の影霊(シャドウ)を操る俺には関係のないことだが。



「よぉ、会いたかったぜェ!」


 ついにウィンディーネの元にたどり着く。

 ダークホースの鞍を蹴り上げ跳躍し、宙へ浮かぶウィンディーネに肉薄する。


 長剣による斬撃を繰り出すも――――




――――キィンッ!





「なッ!? 弾かれたッ!?」

今回のAIイラストは前回聖教会にカチコミにきた勇者パーティの勇者シルヴァンです。

こいつは理解のある風な態度を取りつつも王族の権力を振りかざすカスです。


挿絵(By みてみん)

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