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【完結】最強クラス【影霊術師(シャドウネクロマンサー)】に覚醒し、俺を捨て駒にした勇者パーティと世界の全てに復讐する  作者: なすび
【第1章】Born of the SHADOW Necromancer

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20 血を流し、泥を被って、刃を立てる

前回のあらすじ

デュラハンにボコボコにされるシド。見かねたエカルラートはシドを助けようとするも、シドは自分の力で倒すと言ってエカルラートの助力を断るのであった。

『――――ッ!!』


『ヒヒ――――ンッッ!!』




 デュラハンを乗せた黒馬が再び疾走する。

 受け止めてはダメだ、避けろ!



――斬ッ!



 横跳びに躱すも、右の太ももがざっくりと斬られていた。


「この程度かすり傷にもなんねェぞ!」


 Uターンしてデュラハンの再攻撃――今度は完全に回避する。

 続く3撃目――4撃目――5撃目と避け続け、タイミングも覚えてきた。


 ここで攻めに転じる――!




『――――ッッ!?』



「おらああああああッッッッ!!!!」




 デュラハンが斬撃を繰り出すと同時に、影からオークの上半身のみを顕現させる。

 オークの大きな肩を足場に大きく跳躍――馬上のデュラハンと同じ高さにまで飛ぶと、空中で身を捻って斬撃を回避。

 デュラハンに肉薄しタックルする。



――ガシャンッ!!



 デュラハンは落馬し、黒い甲冑が大きな音を鳴らす。

 デュラハンへマウントポジションを取る体制になる。


「へッ、馬に乗ることはあっても上に乗られる経験はねェだろ」


『ッッ!!』





――ドスッ!




「がはッ!?」


 デュラハンは落馬しても剣を離しておらず、下から突き出すように俺の脇を貫いた。


「いってェ……でも、これで完全に捕まえた」


『ッ!?』


 貫かれたまま体重をかけ、ズルズルと刃が肉に沈んでいく。

 これでもう地面に仰向けになっているデュラハンは、剣を抜きぬくことが出来ない。


 不死故に出来る芸当だ。

 痛みにさえ我慢すればいいだけ。


「さて、それじゃあ次は――こっちの番だッ!」


 ナイフを振り上げる。

 デュラハンは動けない。


 奴は全身を甲冑で武装している、急所である首も顔もない。

 

 消去法で狙う場所は1つしかない。

 頼むからここが弱点であってくれと祈りながら――青い炎を灯らせたデュラハンの首の下にナイフを突っ込んだ。




「おらああああああッッッッ!!!!」


『――――ッッッッ!?!?』




――ドスッ!!



 デュラハンの持ち上がっていた手甲から力が抜け、ガシャンと音を立てる。

 首から溢れていた青い炎はなくなり、完全に沈黙する。




――レベルが上がりました。


――レベル38 → 40



「はぁ、はぁ……レベルアップの通知、倒したのか」


『デュラハンは鎧の中が弱点じゃが、馬に乗ったデュラハンの弱点を狙うのは至難の業よ――よもや本当に1人で倒してしまうとは……』


「不死じゃなかったら最低でも2回は死んでたがな……影霊(シャドウ)も足場として使っちまったし」


『ヒヒン……』


 デュラハンから降りて息を整えていると、黒馬が悲しげな声をあげながらデュラハンの甲冑を舐める。

 それは主の死を悼んでいる様に見えた。


 デュラハンと黒馬の間には、それだけの絆があったのだろう。


「安心しろ、すぐに再会させてやるからよ――影霊(シャドウ)としてだけどな」


 ポタリ――1筋の涙を流す黒馬の脳天に、ナイフを振り下ろした。


「【影霊操術(シャドウネクロマンス)】」


 早速デュラハンと黒馬に【影霊操術(シャドウネクロマンス)】を発動する。



『――――』


『ヒヒ――――ンッ』



 デュラハンも黒馬も両方黒いから、影になってもそんなに印象変わらないな。

 影霊になると肉体は影のような黒、瞳が赤い炎のようになるのだが――デュラハンは青い炎を灯していた首の部分が赤色の炎に変わっている。




名前:デュラハン

ランク【B+】

総合戦闘力3500



名前:ダークホース

ランク【B-】

総合戦闘力2500





 2匹のステータスをチェック。

 デュラハンはゴブリンロード以上、ミノタウロス以下の戦闘力。

 黒馬改めダークホースの方はオーク以上ゴブリンロード以下といった具合だ。





「デュラハンとダークホース、ゲットだぜ」


 ダンジョンがボスの消失を確認したようで、玄室の中央に台座が出現する。

 台座の上には大きな魔石――ダンジョンコアが乗っている。


「これがかなり良い値段で売れるんだよな」


 ダンジョンを攻略したご褒美というやつだ。

 勿論デュラハンとダークホースの魔石も忘れず回収する。

 それに加えて今回は冒険者協会からのクエスト報酬も支払われるため、結構な金額が期待できそうだ。


「ダンジョンコアを回収すると1分後にダンジョン内の人間は全員地上にワープするようになるから、帰りは楽だな」


『行きも随分と楽しておったじゃろ』


「その分ボスで身体動かしたからいンだよ」


 一分後――俺達はダンジョン前にワープする。


 そしてダンジョンコアを失ったダンジョンは崩壊する。

 しばらくすると全く新しいダンジョンが誕生する仕組みとなっている。


「よし、そんじゃ帰るか」


『帰りは先ほど影霊(シャドウ)にしたダークホースに乗るとよいぞ』


「なるほど、その手があったか」


 エカルラートの助言に従い、ダークホースを顕現させる。

 影霊(シャドウ)となった影霊は従順なので、大人しく俺を背に乗せてくれた。

 影ではあるが、鞍が最初からついているのでこれなら移動時間の短縮になりそうだ。



「でもこれってよく考えたら寝取られにならない?」


 デュラハン……ごめんな。



 ちなみに魔石とダンジョンコアの売却額とクエスト報酬を合わせると、しめて80万Gになった。

 そしてB級ダンジョンをソロでクリアした功績を認められ、B級冒険者への昇格も果たしたのであった。

デュラハン「唐突なNTRで脳が破壊されました」

シド「お前最初から脳ないだろ」

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