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【完結】最強クラス【影霊術師(シャドウネクロマンサー)】に覚醒し、俺を捨て駒にした勇者パーティと世界の全てに復讐する  作者: なすび
【最終章】NO LIFE KINGDOM

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152/168

152 衝突する最凶の影

今回からシドの一人称に戻ります。

 ――リン、そしてフロウが率いる聖火隊が、城下で影霊(シャドウ)共と死闘と繰り広げている最中。


 ――王都中央、王城の最上階に位置する玉座の間にて。


「さぁ、かかっておいで――そして全ての永久とこしえ寄越よこし給え――シド」


「そう急かすなよ。吐くほど喰わせてやっからよ――ソブラ!」


 突入する際に天上に空けた穴が、広間を照らす。

 日光が降り注ぎ、日向ひなたとなっていた広間の中央――それが、俺とソブラが同時に展開した影で塗りつぶされた。



『『『『グオオオオオオオオッッッッ!!!!』』』』


『『『『グオオオオオオオオッッッッ!!!!』』』』



 影の亡者の共鳴――そして進行。

 俺とソブラが召喚した無数の影霊(シャドウ)が、あっという間に玉座の間を埋め尽くし、突貫し、影の濁流が混ざりあう。


「こんな雑兵シャドウで僕を倒せるとでも?」


「思ってる訳ねェだろッ!」


 影霊(シャドウ)の頭や肩を踏みつけながら、ソブラへ向かう。

 ソブラも同じことを思っていたようで、玉座から腰を持ち上げ、眼下の影霊を足場にし――広間中央で接触。


 俺とソブラは同時に跳躍。

 突入時に空けた天上の穴から外に出ると――



 ――斬ッ!



 ――同時に、長剣による斬撃を繰り出した。


 鍔迫り合うことなく、2人の影霊操術シャドウネクロマンサーは反発し、空中に投げ出される。


「リュシフィール!」


「ククルカン!」


『ギギャアアアアッ!』


『キシャアアアアッ!』


 空中で旋回して待機していた黒竜リュシフィールを呼び戻し、背中に着地。

 同様にソブラも、王城の外壁に巻き付いていた大蛇ククルカンの頭の上に着地した。


「これが最後の五大魔公、終焉のリュシフィールか!! 素晴らしいッ!」


 王城の上を旋回するリュシフィールの姿を、王城の外壁にとぐろを巻いて張りついている白蛇の頭上から鑑賞するソブラ。


「見惚れたまま死ね」


『グオオオオオオオオッッッッ!!!!』


 リュシフィールは喉奥にエネルギーを溜め――ソブラ目掛けて吐き出した。

 全てを消滅させる五大魔公の権能――黒竜の破息(ドラゴンブレス)


「バロム――転送!」


 リュシフィールの光線が命中する直前――ソブラの足元から杖を持った影霊(シャドウ)がにゅっと飛び出し――ソブラとククルカンが消えた。

 あれは影霊合戦の際に、羊の顔をした人型の影霊(シャドウ)が使っていた転送魔法か。


「試乗させてもらうよ!」


「上かッ!?」


 ソブラの転移先はリュシフィールの頭上。

 重力によって落下するエネルギーをも力にして、ソブラは長剣を振りかざす。


「ヴァナルガンド!」


『ワオンッ!』


 しかし転送魔法からの強襲の可能性は既に警戒済み。

 足元から出現した巨大な狼の顔が、俺の体を丸呑みして、影の中にダイブする。


「なるほどね――これがリュシフィールの乗り心地か、素晴らしい」


 ソブラは俺が異空間に逃げたことで、リュシフィールの背に着地した。


 そんなソブラを嘲笑いながら、影の中で――リュシフィールに命令を下す。


「リュシフィール――竜咆ドラゴンフィアー




『ギャオオオオオオオオオオオンッッッッ!!!!』




「なッ!? これは……体が……ッ!?」


 竜咆ドラゴンフィアー

 食物連鎖の頂点に位置する竜。

 その頂点に君臨する竜の王。


 その咆哮は、あらゆる生命体が忌避し、恐怖する最凶の雄叫び。

 死霊操術ネクロマンスで使役していてもなお、その咆哮は俺の体を痺れさせる。


 故にヴァナルガンドの異空間に避難する必要があったのだ。


 ソブラは至近距離で竜咆ドラゴンフィアーを浴びて全身が硬直し、リュシフィールから振り落とされる。

 そしてリュシフィールは空中で一回転宙返り――遠心力が十分に乗った、鞭撃の如き尾撃が直撃する。



――バッチンッッ!!



「がッ!?!?」


 空中でリュシフィールの尾で弾き飛ばされたソブラは、王城の尖塔に突撃。

 尖塔は崩れ、王城の屋根の上に、無様に倒れ込んだ。


 俺は再びヴァナルガンドの空間転移で、リュシフィールの頭上に着地。


「リュシフィール――もう1度ドラゴンブレスだ」


「くくく……リュシフィールに乗せてくれてありがとう。悪くない乗り心地だったよ」


 砕けた石材と共に王城の屋根の上に倒れたソブラが、不敵に笑う。

 何がそんなにおかしい? と思った時、リュシフィールの背にくさびのようなものが埋め込まれているのに気付く。


 なんだ……これは……?

 まさか……さっきリュシフィールの背に着地したとき、奴が打ち込んだのか――!?


 楔が輝き出す。

 楔から大量の光の帯が飛び出し、箱をリボンでラッピングするかのように、リュシフィールの全身に伸びていく。


『ギギャ!!』


「リュシフィール!?」


 光の帯に包み込まれる直前――リュシフィールは器用に尻尾の先端を俺の体に巻き付け、俺を空中にぶん投げた!

 一泊遅れて、リュシフィールの全身が光の帯で包まれ、見えなくなるのであった。

AIイラスト付きおまけSSです。

フロウとスキアは今回もイチャイチャします。

フロウはシドに対する恋愛感情を、外見が似てる部下に疑似的にぶつけることで日々のストレスを発散させてます。



フロウ「いつも頑張ってくれているスキア君のために、新しいお洋服を用意しました」



スキア「いや絶対女の子の服でしょ!? このパターン分かってるんですよ!?」



フロウ「違いますよ。今回はちゃんと男性用の服です。スキア君は私をなんだと思っているんですか?」(プリプリ



スキア「日頃の行いですよ」



フロウ「てへ☆」



スキア「あ、サイズもぴったりだ……それに格好いいですね。ありがとうございますフロウ様」



フロウ「ふふっ。ええ、凄くお似合いですよ――スキア君」

挿絵(By みてみん)

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