表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】最強クラス【影霊術師(シャドウネクロマンサー)】に覚醒し、俺を捨て駒にした勇者パーティと世界の全てに復讐する  作者: なすび
【最終章】NO LIFE KINGDOM

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

138/168

138 S級ダンジョン【黒獄炉】

今回から最終章初のシド視点になります。

ようやく主人公再登場です。

 俺の故郷は大陸北部に密集していた、シカイ族の集落群の1つだった。

 大陸の中で最も寒冷気候で、作物はカラス麦か芋くらいしか育たない痩せた土地。

 死体を操る異質な文化を持つ少数民(シカイ)族は昔から扱いが悪く、大陸の果てに追いやられ困窮した生活を送っていた。



 そんな俺が現在いる場所は、かつてシカイ族が住んでいた土地から更に北――大陸最北端の山脈。

 人類が生活出来ない年中寒気に覆われた環境。

 その山脈の山頂に――現存している最後のS級ダンジョンがある。


 その名も――【黒獄炉こくごくろ】。


 五大魔公の最後の1体――終焉のリュシフィールが眠るダンジョン。

 存在自体は数百年前から認知されていたものの、生息する魔物のレベルの高さと、立地の悪さから王宮は黒獄炉を立ち入り禁止ダンジョンに指定した。


 それ以降人類はこのダンジョンに足を踏み入れていない。


「ま――それを取り締まる王宮はもうねェんだけどな」


 そういって俺は――黒獄炉地下50階層の扉を開けた。




『グルルルルルルルルルルッッッッ!!』



 扉を開けた瞬間――熱風が吹きすさぶ。

 俺は既に死んでいるが、生きている人間であれば一瞬で顔の水分が奪われるであろう熱気。


「よぉ――一ヶ月ぶりだなクソトカゲ。テメェの顔もそろそろ見飽きてきたわ」


『グルルルルルルルッッ!!』


「言わんとすることは分かる。〝それはこっちのセリフだ〟って言いたいんだろ?」


 黒獄炉最深部は、まさに地獄の炉と言える熱気だった。

 広大で天井も高い玄室は、まるで火山の火口のように高温で、岩質の床や壁に素手で触れようものなら一瞬で皮膚が溶けるだろう。


 そして玄室の奥に鎮座しているのは巨大な黒竜にして――――エカルラートやヴァナルガンドと同じ五大魔公。



 五大魔公。

 この世界に5つしかいないS級ダンジョンの主にして、創造神の権能を切り分けられた神の化身。


 一つは、血を分け与えることで永遠の命を付与する吸血姫――《永遠》を司る《不滅のエカルラート》。

 一つは、現世と同量の異空間を体内に有する獣――《悠久》を司る《呑み下すヴァナルガンド》。

 一つは、神の持つ知識を余すことなく書き記した書物――《叡智》を司る《神脳のアーカーシャ》。

 一つは、ありとあらゆる物質を生み出すことが出来る大蛇――《創造》を司る《産み落とすククルカン》。

 一つは、世界の全てを焼き滅ぼし終末を齎もたらす邪竜――《破壊》を司る《終焉のリュシフィール》。


 目の前にいるのは――その最後の一柱。

 《破壊》を司る終焉のリュシフィールだ。



 俺はリュシフィールを睨みつけた。

 リュシフィールもまた、黒々とした瞳で俺をめつける。


「お人好しの聖女様フロウと約束しちまったからな――ダンジョンの地下で大人しく眠ってたところ悪りィが、俺が勝つまで何度でも寝床を荒らさせてもらうぜ」



***



 10年前――影霊操術シャドウネクロマンサーソブラは王都を掌握した。

 挙句、俺はエカルラートと影霊(シャドウ)の殆どを失い、逃亡生活を余儀なくされるのであった。

 だがただソブラに怯えてヴァナルガンドの中に引きこもっていた訳ではない。


 10年かけてソブラを殺すための戦力シャドウを集めていたのだ。

 影霊操術シャドウネクロマンサーの奥義【影門・卍髏の剣】の代償に1000体以上集めた影霊(シャドウ)を失うことになったが、減ったのであればまた集めればいい。


 ヴァナルガンドの空間収納に身を潜め、空間転移で大陸全土のダンジョンを攻略し続け、ソブラを倒す力を少しずつ溜め始めた。


 そしてソブラ打倒の最後の切り札として――最後の五大魔公――終焉のリュシフィールを死霊操術(ネクロマンス)するため、S級ダンジョン【黒獄炉】の攻略を始めた。


 だが10年かけて集めた影霊シャドウでも黒竜リュシフィールには敵わず、挑戦と逃走を繰り返しながら、累計10回目のリュシフィール攻略に挑むのであった。



***



「俺の手持ちのS級はヴァナルガンドとアーカーシャの2体。だがアーカーシャはただの本故に戦力になんねェ。対するソブラの持つS級はクルルカンの1体。これだと1対1で戦力は拮抗――となれば、テメェの力が必要なんだ。いい加減折れて俺に力を貸してくれや」


『グルルルルルルルッ!』


「ま――無理だわな。つーわけで、物理的に首の骨折るしかねェか。影霊――召喚」


 ぶわり――俺の足元に落ちる影が広がる。

 中から湧き出すのは、大量の影霊影霊影霊シャドウシャドウシャドウ

 玄室を埋め尽くさんとする影の軍団が、リュシフィールと対峙する。


「総員――突撃」



『『『『グオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!』』』』




 俺が現在影の中に飼っている影霊(シャドウ)の数は10000。

 10年前の10倍だ。

 そのうち召喚した1000の影霊(シャドウ)が、一直線にリュシフィール目掛けて突撃する。




『ギャオオオオオオオオオオンッッッッ!!!!』



 ――ゴウ




 巨大なリュシフィールからすれば影霊(シャドウ)なんざ精々アリの群れのようなものだろう。

 人間が足裏でアリの群れを踏みつぶすかのように、リュシフィールは口から熱光線ビームを吐き出した。

 リュシフィールの権能は――触れたものを問答無用で消滅させる《破壊》。


 他の4体の五大魔公の権能が《不死》《創造》《空間》《知識》と、神が世界を構築するための力なのに対し、リュシフィールのみが世界を壊す能力を持っている。


 その破壊の権能を秘めた熱光線が、影霊(シャドウ)の群れに到達する――直前。


「タイタン!」


『グオオオオオオッ!!』


 影霊(シャドウ)を守るように召喚された巨人タイタンが、両腕をクロスして防御態勢を取り、リュシフィールの熱光線を受け止めた!


『グオオオオオオ!!』


 破壊の力を帯びた光線はタイタンの硬質な肌を焼き焦がしていくが、タイタンは身を削りながらも一歩ずつ全身していく。


 10秒後。



 ――タイタン HP0 【消滅】



 タイタンの胴部がリュシフィールに貫かれて消滅すると同時に、熱光線も途絶えた。

 過去10回のチャレンジで、奴の光線の持続時間が10秒であることと、30秒のクールタイムを挟まなければならないことは検証済みだ。


「次の光線ドラゴンブレスが来るまでに可能な限りダメージを与えろ!」


 タイタンによって光線から生き永らえらた影霊が、リュシフィール目指して突撃する。

 今回の挑戦で必ず――リュシフィールを倒す。

・10年の間にシドがやっていたこと。


 失った影霊(シャドウ)を再び補充するための大陸各地のダンジョンを次々と攻略していく。

 最終的にレベル190、影霊の総数10000体に到達した所で、ソブラを倒すには最後の五大魔公リュシフィールの力が必要不可欠と判断し、S級ダンジョン【黒獄炉】の攻略を目指す。

 【黒獄炉】攻略に挑戦するも、リュシフィールの圧倒的強さの前に敗走。

 再度リュシフィール討伐を目指す。過去10回リュシフィールに挑戦するも、未だ決定打を与えられずにいる。


 ――こんな感じです。

 このあたりも丁寧に書こうと思ったのですが、面白くならなそうだったので回想でサラっと流しました。

 コツコツレベル上げと影霊を集めていただけなので……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ