ハニワちゃんの反抗期(書籍2巻発売記念)
本日、書籍2巻の発売日です!!!!!!!!!
買って応援ください!!!!!;;(土下座)
詳しくはあとがきにて( ˘人˘ )
「ぴ! ぱぴ!」
ぴょこぴょこと歩いてきたハニワちゃんは、自分の身体よりも大きな新聞をゼイン様に差し出す。
ゼイン様は「ありがとう」と笑顔で受け取ると、ハニワちゃんの小さな頭を指先で撫でた。
「ふふ、本当にかわいい」
そんな姿を見ていると、自然と口角が緩んでしまう。
──私がウィンズレット公爵邸で目を覚ました後、エヴァンに連れられてハニワちゃんもここへやってきた。
そして最近は朝、ゼイン様に新聞を届けるお手伝いをするのが日課になっている。その他にも色々と頑張ってくれていて、愛しさは募るばかり。
「本当にいい子だな」
「はい、とても」
そんなハニワちゃんは常に良い子で天使、だけれど。
「でも少し前に、反抗期が来たんです」
「反抗期?」
「はい。実は半月ほど前──……」
◇◇◇
「ハニワちゃん、おいで」
「ぴぱ! ぷ!」
声をかけても、ハニワちゃんはぷいと顔を背けてその場から動こうとしない。
その後も素っ気ない態度のままで、困惑してしまう。何をしても無視したり、顔を逸らしたりするのだ。
「どうしたんですかね、ハニワ」
「反抗期かしら……イヤイヤ期……?」
私だけでなくエヴァンもヤナもハニワちゃんの初めての様子に戸惑い、首を傾げている。
どこか具合が悪いのでは、何か不満があるのでは、と不安になって、ハニワちゃんの側にしゃがみ込む。
「どうしたの? 何か嫌なことがあった?」
「ぺぴぽ! ぺぴぽ!」
そう言うとハニワちゃんは、ゼイン様に以前いただいたハニワちゃん用のベッドを指差した。
「ああ、公爵様に会えないことに対して怒っているんじゃないですか?」
「うっ……」
ハニワちゃんの言葉はよく分からないままだけれど、「ぺぴぽ」というのがゼイン様のことで、エヴァンの予想が当たっている気がしてならない。
ハニワちゃんはゼイン様のことが大好きなのに、私が距離を置いているせいでずっと会えていないのだ。
「ご、ごめんなさい……でも、もう会えないの」
「ぴ……?」
そう告げると、ハニワちゃんは泣きそうな顔をしてベッドにもぐりこみ、出てこなくなってしまった。
「ハニワちゃん……」
小さなおしりが掛け布団がわりのハンカチからはみ出している姿に、ひどく心が痛んだ。
◇◇◇
「ということがありまして……」
だからこそ、今のハニワちゃんを見ていると、ほっとして心が温かくなる。
「……そうか」
ゼイン様も、ハニワちゃんの気持ちや言動に胸を打たれたようだった。柔らかい笑みを浮かべるとハニワちゃんを抱き上げ、そっと抱きしめる。
ハニワちゃんはよく分かっていない様子ながらも、嬉しそうにぎゅっと抱きしめ返す。
そんな二人の姿にじーんと感激していると、不意にゼイン様にぐいと腰を抱き寄せられた。
「やはり君はもう二度と、俺から離れない方がいい」
「…………っ」
そして耳元でそう囁かれ、心臓が大きく跳ねる。
「ぱぱ! ぽぴ!」
火照る顔を必死に縦に振って頷く私と、満足げに微笑むゼイン様を見て、ハニワちゃんはやっぱり嬉しそうに手やおしりをぶんぶんと振っている。
こんな何気ない瞬間も、どうしようもなく幸せで。
これからはゼイン様の側で、大好きなハニワちゃんとずっと一緒に過ごしていけたらいいなと心から思った。
いよいよ本日、書籍2巻の発売日です!(緊張)
とにかく宛先生のイラストが神です!!!!!!!!!
見たいシーンが絶対に絶対にあると思います。
ラストにはなんと……!?!?!(大興奮)
★特典は以下になります★
・アニメイトさま
「好きな子ほど」ゼインがグレースを好きすぎていじめたくなっちゃう甘々なお話です!
・メロンブックス/フロマージュさま
「知らない方が幸せなこと」マリアベルの好みのタイプの話をするグレースは、衝撃の事実を知ってしまい……!?
・電子特典
「ハニワちゃんとぱぱ」ハニワちゃんをきっかけにゼインの溺愛が炸裂するほっこり甘いお話です。
最高の1冊になっているので、よろしくお願いします!
今月発売のコミックス1巻とセットでぜひ♫
改めて破局悪女を応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございます……;;
2巻を出すことができて、すごくすごく嬉しいです。
3巻、4巻と続けていけるよう、ご購入して応援いただけるととっても嬉しいです……!!(;;)
紙書籍を買おうかと悩んでいる方、まだAmazonさまで描き下ろしイラスト・小説の特典付きの1・2巻セットが販売中なので今です!(必死の宣伝)
どうぞよろしくお願いします(>人<)♡♡