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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
開発編

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島に眠る財宝!?

 ふと気づくと俺もスコルも少し寝ていた。……ああ、スコルの(ひざ)の上が寝心地良すぎてヨダレを垂らして寝てしまっていたらしい。俺とした事がうっかり。


 (まぶた)を開けると、顔面が異様に重かった。視界も真っ暗、どうなっている?



 ん、なんだこの柔らかい物体――って、スコルの胸だ!!



 ぼよんぼよん弾んでいる。

 どうやら、スコルも眠ってしまったらしく、上半身がこちらへ倒れていたようだ。その不可抗力により、俺の顔面はスコルの胸によって包まれてしまっていた。


 なんてこった。

 ここが全て遠き理想郷か!?


 などと言っている場合ではない。これは早く何とかしないと……! 俺はそっとスコルから離れた。……ふぅ、柔らかかっ――じゃなくて、無事に脱出。額の汗を腕で拭っていると、海の方から船が見えた。



「船? まさか、また帝国の連中かな」



 警戒していると、船はいきなりドン、ドン、ドンと砲撃を始めた。なっ、突然撃ってきやがった。砲弾がこちらへ飛んでくる。やばい、やばい、やばいって。


 寝ているスコルを抱えて俺は回避。



「――うわぁ、びっくりしました! ラスティさん、その、わたしをどうする気ですか!? まだそういうのは早いと思うんですが……」



 正面から思いっきり抱きしめている状況だが、それを意識している暇もない。俺は飛んでくる砲弾を回避しまくった。


「あっぶねえ~! 危うく殺される所だったよ。スコル、ケガはないよな」

「は、はい……ていうか、なんで攻撃されているんですかぁぁぁ!?」



 今更かいっ。スコルは、怖がって俺に“ぎゅぅ”と(すが)り付く。そ、そんなベッタリされると困るぅ! この綿のような感触に抗いつつ、スコルを守る……興奮しちゃって無理そうかも!


 でも、幸い砲撃の雨は止んだ。

 船がこちらへ向かってくる。


 む……あれは『海賊旗』か!

 つまりなんだ、あの船は『海賊船』ってわけか。なんてこった、目を付けられたのか――いや、違う。俺は唐突に思い出した。


 この島でバーニングスライムを倒した時に『金貨』と『謎の地図』を手に入れた。ま、まさか……取り戻しに来たのか。だとすれば危険だ。



「スコル、俺にちゃんと抱きついているんだぞ」

「も、もちろんです……! やったぁ、ラスティさんの体に合法的に抱きつけますぅぅ……!」



 なんかすっごく嬉しそうにスコルは、更に“ぎゅぅぅぅ”と抱きついてきた。だ、だから、そんなに密着されるとォ!!


 集中、集中だ俺。


 やがて船はかなり島に接近して来た。座礁(ざしょう)しない距離で(いかり)を降ろし、中から複数の海賊たちが現れた。小舟に移り、こちらへ向かってくる。そして、ついに上陸をしてきた。


 岩のようにゴツゴツとした筋肉質の男が複数人。リーダーらしき赤髪の――女!?



「船長、やっぱりガキが住んでやがりますよ。この島、前はモンスターしかいなくて無人島だったはず」

「ああ、そうだな。あの時は巨大なスライムに襲われた。けれど、今はその姿もない。いるのは人間で……しかも子供だとはな」


 赤髪の女船長がこちらを(にら)む。

 本とかで良く見る海賊の格好をしている。だけど、貴族のような身なりに近い。


「あ、あんた達……宝を探しに来たのか」

「君、どこかで見覚えのある顔をしているな。それに、その抱いている金髪のエルフ……ボロディンの聖女ではないか」


 船長とか言う奴はスコルを睨む。

 コイツ、俺はともかくスコルを知っているのか。


「さあな。悪いけど、この島は俺の島なんだ。出て行ってくれ」

「そうはいかない。向こうには、ゲルンスハイム帝領伯のテテュス号が見えた。つまり、この島に帝国が入ったという証拠だ。その前に金貨を取り戻す」


「金貨だと、やっぱり宝箱でも眠っているのか」


「そうだ、我々が汗水を垂らし、必死で稼いだ大量の金銀財宝があるのだよ。一生遊んで暮らせるお宝が眠っている。だが、モンスターに阻まれて回収不可能だったのだ。地図も失くしてしまい、最悪だった。だが、お前達が住んでいる光景が見えたのでな。こうして再上陸を果たした。さあ、素直にそこを通せば痛い目をみなくて済むぞ」


「そうか、分かった」


 俺は左手を挙げた。


「なに……? 降参する気か、少年」

「違うさ、警告射撃をさせてもらう」

「――なっ」


 ボウガンが海賊たちを“敵認定”をし、自動で矢を射出する。超高速で放たれる矢は、海賊たちの足元をズドズド刺していく。



「うあああ!!」「なんか矢が飛んできたぞ!」「あっぶねえ!!」「せ、船長!!」「なんだありゃあ!」「前はこんなの無かったぞ」「に、逃げろぉ~!!」



 男たちは、船長だけ置いて海へ飛び込んでいく。なんてヤツ等だ、リーダーを置いていくとか酷いなぁ。てか、ボウガン使えるなぁ!


 ――さて、この船長さんをどうしようかな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] …登場した海賊共は義賊か?それともか弱き市民を襲うクズ共か?…義賊なら、しばきあげて反省させたあと、配下に加えるといいかも…人手は多ければいいですし… [気になる点] …大人しく上陸して、…
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