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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
開発編

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元皇子よ、戻ってこい

 浜辺付近に向かい、茂みから様子を伺った。

 海の向こうにはドヴォルザーク帝国の『戦艦』がこちらを(にら)むように停泊していた。恐らく、あの位置で(いかり)を降ろしてあるのだろう。


 小さなボートが接近しているのが見て取れた。その中に二人の姿があった。ヨハネスでは……ないな。


 ひとまず俺は、スコル達に待機命令。俺ひとりで浜辺へ向かう事にした。


「いいか、絶対に動くなよ」

「で、ですけど……」

「大丈夫だよ、スコル。向こうも直ぐに攻撃を仕掛ける気はないらしい。でも、いざとなったら逃げるんだぞ」

「……いいえ、わたしはラスティさんと最後まで運命を共にします」



 そこまで言ってくれるとは――ならば、必ず守る。



 ――俺はひとりで浜辺に出た。



 海から浜辺にボートが到着。

 下船する二人の人物。



 コイツ等か(・・・・・)



 金の髪を爽やかに(なび)かせ、気分の良さそうな表情を向ける男。その服装は明らかに帝室のもの。あの細身で女受けしそうな容姿は――間違いない。



「ラスティ! 我が弟よ、こんな湿気た無人島にいたとはな!」

「第一皇子・ワーグナー」


「昔のように兄貴と呼べよ、ラスティ。俺達は兄弟じゃないか」



 ニヤッと口元を吊り上げ、ワーグナーはその青い瞳で俺を見つめる。



「なにが兄貴だ! 親父は俺を追放したんだぞ。今更帰れって言いだすんじゃないだろうな! お断りだ!」


「ああ、戻ってこい。お前がドヴォルザーク帝国に必要だ。この通り、頼むから大人しく(・・・・)城へ戻るんだ」



 俺が帝国に必要?

 大人しく帰れ?


 ふざけんなッ!!



 どの口が言うんだ。俺はずっと住んでいた故郷を追い出され、何かもを失ってこの無人島に流れ着いたんだ。必死に足掻いて、ようやく新しい生活を手に入れた。第二の人生と言っても過言ではない。


 俺にとって今が大切なんだよ。



「ワーグナー、お前こそ黙って帰れ。親父にこう伝えろ、クソくらえとな!」



 しかし、ワーグナーは冷徹に笑うだけだった。ああ、コイツは昔からそうだよな。スコルをボコボコにしていた時もそうだった。平民を見下し、ただの奴隷としか思っていない。血も涙もないヤツなんだ。


 人間としての感情が欠如している悪魔だ。



「そんな戯言は自分の口で伝えろ。俺の目的はただひとつ、お前を凍らせてでも連れ帰る事だ。手を出すなよ、副団長」



 そういえば、ワーグナーの隣にはローブを深く被る人物がいた。顔が見えないから、男か女か分からん。そうか、あれが副団長か。


 ローブの人物は静かに頷く。

 そして、ワーグナーはひとりで俺の方へ。こいつ、戦う気か……!



「やる気か、ワーグナー!」

「ラスティ、お前は聖騎士のヨハネスを何度も撃退したそうだな。これは、ドヴォルザーク帝国に対する敵対行為と見なされてもおかしくはない。大義名分はこちらにあるわけだ」


「知るかよ。そっちこそ侵略者じゃないか。勝手に島にズカズカ入って来やがって」

「この島は、ドヴォルザーク帝国の領地だ。ただ無人島で無価値だから放置されていたに過ぎない。だが、見たところ資源が豊富でダンジョンもいくつかあるようだな。そうだろう」


 ワーグナーは、副団長に聞いた。



「……おっしゃる通りです、皇子。ここには高難易度の『ランダムダンジョン』が存在します。攻略できれば、あらゆるレアアイテムを入手できましょう。帝国の財政も潤沢になるかと」



 静かな女の声だ。

 副団長は女なのか。



「それは良い事を聞いた。では、この島を改めて奪うとしよう……! ラスティ、お前から全てを奪ってやる!!」


「ワーグナー、おまえ!!」



 許さん。それだけは絶対に許さん。

 この島は俺のものだ。

 それを奪うというのなら、俺は守るために戦う。



 やるしかない。

 いや、やらなきゃならないんだ。



 俺は、敵意を剥きだしにしてゲイルチュールをワーグナーに向けた。



「ほう、この帝国の第一皇子にして、最強の魔法使いである俺に武器を向けるか、ラスティ。言っておくが、十年前とはワケが違うぞ。あの時は詠唱で油断したが、今は違う。覚悟しろ」


「そうかよ。こっちもあれから随分と成長した。お前だけが特別ではないって事を、この“つるはし”で叩き込んでやるよ」



 魔法を使われるよりも先に、俺は先制攻撃を開始した――!

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― 新着の感想 ―
[一言] 奪ってやる(侵略)と言った時点で帝国所有は無いと宣言していることに気付かないのか 追放なんだから国外に出されている時点でここが領域外であるというのに 自分達の領土すら把握していないと宣言して…
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