表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

565/579

最古竜の息吹 - エンシェントブレス -

 地上へ降り立つと、ルーカンも浮遊状態で余裕をもって降りてきた。バルーンブーツの効果か……!



「……お、の、れぇ……」



 ブチブチと額に青筋を浮かせるルーカンは、明らかにブチギレていた。怒り心頭だな。しかし、それはこちらも同じ。

 スコルを人質に取られ、キリアンを痛めつけられた。


 幸い、スコルは無傷。キリアンは一命をとりとめた。まだ不快感は残るのか、辛そうにしている。



「……こっちは気にするな、ラスティ」

「わかった。キリアン、君は避難してくれ」

「了解」



 キリアンはゆっくりとだが、離れていく。

 俺はゲイルチュールを生成し、構える。直ぐにスコルの支援スキル『キリエ』と『グローリア』が包み、俺の能力が一時的にアップ。ありがたい。


 一方のルーカンも新たなスペルカードを取り出していた。



「スペルカード! 最古竜の息吹(エンシェントブレス)



[スペルカード:最古竜の息吹(エンシェントブレス)]

[レア度:★★★★★]

[詳細]

 支援スキル[最古竜の息吹(エンシェントブレス)]を発動する。これは自身にのみ効果がある。

 一定時間、物理・魔法攻撃力と移動速度を10倍アップする。



「ラスティさん、あのカードは凄い効果を持っているみたいです……!」


 スコルの言う通り、あれは身体能力底上げのカードだ。そんなモンまで持っていたとは! マズイな。いくらなんでも10倍アップは強すぎる!



「大帝国で一枚しか存在しない★5の激レアカードだが、今こそ使う時だ! そして、更に――」



 ルーカンは、ニヤリと笑う。最後の一枚を使うと言って、スペルカードを取り出す。どうやら、最後の切り札を取り出したようだ。いったい、どんな効果だ……?

 ヤツは言葉を続けた。



「スペルカード……エクスキューショナー!」



 ブゥンと不思議な音が響くや、ルーカンの手には漆黒の剣が握られていた。魔法剣か! ――って、まて! しかも『エクスキューショナー』って耳にしたことがある。

 結構前だけど、この世界のモンスターとしても存在したはず。


 そうだ、あれは人型のモンスターで、魔剣を持つやつ。エクスキューショナーというモンスターがエクスキューショナーという魔剣を使うというトンデモモンスターだった。結構苦労して倒した覚えがある。


 そんなモンスターの魔剣をヤツが!

 スペルカードでもあったとは。



[エクスキューショナー][S級]

[効果]

 魔法召喚によるS級魔剣。

 通常のエクスキューショナーよりも武器ランクが高く、効果も強化されている。

 片手剣攻撃力 +1000。

 両手剣攻撃力 +1000。

 クリティカル率100%。

 クリティカルダメージ +100%。

 騎士の場合、クリティカルダメージ更に +100%。

 使用者は低確率で[神速]状態になり、攻撃速度が最大となる。



「ちょ……マジかよ!」

「フハハ、ラスティ。今まで散々やってくれたお礼をしてやらねばなァ!」



 少し跳ねただけなのに、ルーカンはもう俺の目の前にいた。……な、なんつう!


 ゲイルチュールでエクスキューショナーを受けるが、とんでもない重さに俺の手は痛みを感じるほどだった。……クソッ、マジかよ。ルーカンの野郎、強くなりすぎだ。


 スペルカード、恐るべし!



「ラスティさん!」

「スコルはなるべく下がっているんだ!」

「は、はい……」



 スコルを守りつつも、俺は無人島開発スキルでチェーンを複数生成。ルーカンめがけて飛ばすが、すべて一刀両断されてしまった。なんて攻撃力の高さだ。



「無駄だ! 私はもう今までの私ではないのだからな!」

「そうかよ。なら――サンダーボルト!!」



 最大火力で風属性魔法スキルを飛ばす。一気に畳みかけないと、こちらが消耗するばかりだからな。それにもう地上だから強い技で攻めていかねば。


 しかし、ルーカンは俺のサンダーボルトを弾き飛ばしていた。……なんだと!



「このエクスキューショナーには効かぬぞ」

「バケモノめ!」


 続いて『落石』や『落とし穴』も試すが、全部回避された。まさか、ルーカンがここまで強くなるとは。

 次の一手はどうする……このままではジリ貧だぞ。


 どうするべきか思考を巡らせていると、スコルも聖属性魔法を使って反撃してくれていたが――強力な魔剣を前に歯が立たない。おいおい、聖女のスキルさえも寄せ付けないのかよ。どうなってんだよ、あの剣。



「もはや、この私を超えることなどできぬ! ラスティ、貴様は滅びよ!」


 目の前に現れるルーカンは、エクスキューショナーを向けてくる。……やべえ、殺られる…………!!


 スコルを守れずに俺は死ぬのか……。



 クソ、クソ、クソがあああああ…………!!



『――諦めるな』



 ……む? なんだ?



『諦めるな、ラスティよ』



 脳内に声が響く。この渋い声は……まさか!



「…………親父」

『貴様に“魔王”の力を与えてやろう……。魔王ドヴォルザークの偉大な力を』



 親父はそう伝えてきた。って、ふざけんな!

 抗議しようとしたが、時すでに遅し。

 なんか俺の中で『闇』が増幅していた。



「なッ! おま、勝手に!?」



 く、ぐうううううぅぅぅぅ…………力が、深淵から声が。


 やめろ、やめろおおおおおおお!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ