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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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改造植物系モンスター

 スコルの無防備すぎる白い背中に触れようとした――その時だった。


 背後から“ナニカ”に引っ張られ、俺はプールに落ちた。……なんだァ!?

 這い上がると、俺はどうやらオケアノスに投げ飛ばされたようだった。い、いつの間に。



「ラスティ様、破廉恥(はれんち)です……!」



 ストレルカが顔を赤くして言った。

 確かに、よくよく考えれば、みんなの前で俺はなんてことをしようとしていたんだ……!



「……ラスティさん、大丈夫ですか?」

「あ、ああ……プールに落ちただけだから平気だ」


「オイル、塗ってくれますか?」

「え」



 それでもスコルは俺に塗って欲しいらしい。

 どうしようか悩んでいる間にもストレルカがオイルポーションを握りしめ――それをスコルの背中にたっぷりとかけていた。

 そして、塗りまくっていた。



「スコルさん、わたくしが隅々まで塗って差し上げますわ!」

「え、えええ~~~っ!?」


 強制ぬりぬりされるスコルは、バタバタと暴れていたが……ストレルカの馬鹿力には敵わなかった模様。

 あっちのことは任せるか。



 ◆



 意外なことにルドミラは泳ぐのが苦手らしく、俺はずっとコーチしていた。まさか、勇者にも不得手があったとは、あまりに意外すぎた。

 幸い、ルドミラのビキニには見慣れているので、そんなに緊張することもなく泳ぎ方を教えることができたのだが――。


 なんだろう。


 スコルとストレルカの視線がちょっと……怖い。



「あ、あの……」

「どうした、ルドミラ」

「私なんかがラスティくんを独り占めしていいのでしょうか……。その、スコル様とストレルカさんの視線が物凄く痛いのですが……」


 さすがに居心地悪いのか、ルドミラは珍しく複雑そうな表情を浮かべていた。という俺も、どうすればいいのか分からなくなっていた。またオイルを塗ろうとすれば、ストレルカが阻んでくるだろうし。


 かといってストレルカを相手すれば、スコルが()ねちゃうんだよなぁ。

 だが、これ以上の放置も余計にマズい気がしていた。そろそろ手を打たねばな。


 こうなったらヤケクソだ。スコルもストレルカも混ぜて思いっきり遊ぶ。それしかないだろう……!


 声を掛けたようとしたが、建物の奥からテオドールの姿が見えた。



「おーい、ラスティ! 試作品ができ――うぎょぉっ!!」



 なぜかコケてしまい、ポーション瓶を割ってしまう。パリンと割れたそれは、人型になるや植物系のモンスターと化した。


 って、うぉい!!


 モンスター召喚じゃねえか!!



「テ、テオドール! なんか出てきたぞ!」

「し、しまったあああ! 改造したアルラウネが出てきてしまった!」


「なにぃ!?」



 全身緑色のソレは、可愛らしい美少女だったが――ムチのような(いばら)を急に振り回して、スコルとストレルカの水着だけを引き裂いた。


 って、うああああ!?



「「きゃああああああああ!!」」



 い、いかん!!


 てかなんで水着だけ引き裂くぅー!?



「見てはいけません、ラスティくん!!」



 背後からルドミラの両手が俺の両眼を覆うのだが、ちょいまて!! 密着しすぎだ!! 背中に当たってるって!!



「ぶふぉおおッ! スコル様とストレルカ嬢が全裸にいいい!!」



 鼻血でも噴き出しているのか、その場にテオドールはぶっ倒れたようだ。って、なに見てんだ! あとで殴るっ!


 いや、今は先にアルラウネを倒さねば。



「ハヴァマール! アルラウネを何とかしてくれ。俺は動けん」

「大丈夫なのだ。全裸のスコルとストレルカがすでに動いている」


「マジか……!」



 そういえば、怒りの魔力を感じる。これは二人の……!



「許せません!」

「そうですね、スコルさん。ここは共闘といきましょう」

「はいっ!!」



 どうやら二人とも仲直り(?)したようだ。その調子でアルラウネを倒してくれ!




「ホーリークロス!」

「ウォーターボール!」




 スコルとストレルカの魔法スキルが炸裂したようで、アルラウネは問答無用で討伐されたようだ。

 残念ながら視界を奪われているので確認はできなかったが、気配で分かった。


 それから、ハヴァマールの緊急裁縫スキルによって、二人の水着は復活。ようやく俺は解放された。

 気づけば、スコルもストレルカも機嫌が直っていた。なんだか以前よりも友情が芽生えた模様。



「ごめんなさい、ストレルカさん」

「いいのです。わたくしこそ、邪魔をしてしまいました。レディのすることではありませんでしたわ……ごめんなさい」



 よかった。テオドールのアルラウネのおかげで険悪な雰囲気が消えていた。たまには役に立つものだな。


 以降、重苦しい空気もなくなり――ほのぼのとした遊泳が続いた、のだが。

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