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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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未知の無人島 Lv.3000

 騎士たちの行動が激しくなっていた。

 一致団結するようになり、俺の拠点を集中的に狙うようになった。いつの間に手を取り合っていたんだ。


 初日は殺し合いをするほど険悪だったというのにな。


 おかげで俺たちは大忙し。

 壁をよじ登ってくる騎士たちを撃退したり、確保したり――対応に追われまくっていたのである。



「……へとへとですぅ」


 地べたに座り込むスコルは、深いため息を吐く。ハヴァマールやアルフレッドも疲れているようだ。みんな疲弊(ひへい)している。


 あのルドミラでさえ、肩で息をしている状況だ。



「ラスティくん、このままでは防衛ラインを突破されてしまいます」

「……む、むぅ」



 トラップもかなり破壊されてしまったからな。

 ストレルカのアクアナイトも“対策”されてしまった。騎士の中に水属性使いがいて、氷魔法スキルで凍らせてきた。おかげでアクアナイトは凍結。バラバラに砕けてお陀仏だった。



「申し訳ありません。わたくしのアクアナイトが不甲斐(ふがい)ないばかりに……」

「気にするな、ストレルカ。君は十分よくやってくれている」



 今のところはエドゥがソウル系スキルで追い払っているようだが、魔力がいつまで持つやらな。


 こうなったら続けて俺が対応するしかないな。


 ゲイルチュールを片手に俺は外へ向かおうとしたが、テオドールが目の前に現れた。



「ちょっとまった」

「やっと植物研究が終わったのか、テオドール」


「そんなところだ。この拠点を守るための策を考えた」

「へえ、どんな?」


「このポーションを見たまえ」



 すぱっとポーションを取り出すテオドール。なんだろう、この赤色の液体。血液――じゃないよな。



「バーサークポーション?」

「なわけなかろう。これは『アータルポーション』という。詳細だが――」



[アータルポーション]

[詳細]

 改造植物モンスター[アータル]を召喚する。

 形状はハエトリグサであり、無数に存在して何百から数千メートルも伸びる。口から火属性魔法スキル[ファイアーボール]を放つ。



「こ、これは!」

「このポーションひとつでざっと五十のアータルが生えてくる。つまり、拠点の周囲をこいつで守れるわけだ」


「す……すげぇ! さすが錬金術師!」

「褒めるのはまだ早いさ。試してみないと」


「そうだな。さっそく頼む」

「おう」



 テオドールは、壁際へ向かってアータルポーションを投げつけた。試験管が割れるや否や、赤い(つる)がヘビのようにウニョウニョと伸び続け、壁をつたっていく。


 なんて速度で広がっていくんだ……!



「こ、これは凄いですね!」



 ニョロニョロと広がる植物に驚くスコルは、目を白黒させていた。という俺も、ビックリした。こんなに伸びるのかよ。


 四方八方に絡みついた赤い植物アータルは、やがていくつかが球状となり“口”を開けた。


 壁の向こうに火属性魔法スキル『ファイアーボール』を吐きまくっていた。



「うぉ!? 兄上、外が凄いことになってるのだ!」



 ハヴァマールは、地響きに飛び上がっていた。……こりゃスゲェ。ファイアボールの乱れ撃ちじゃないか。

 騎士たちの叫び声も聞こえるぞ。



「な、なんだこりゃああああああ!」「ぎゃああああ!」「あちぃぃぃ!!」「植物が火を吐くなんてアリかよ!!」「なんだよ、あれ!!」「こんなトラップ聞いてないぞ!」「やっとアクアナイトとソーダグリズリーを全滅させたのに!」「新種のモンスターかよ!」「やべえ、撤退だ!」



 おぉ!

 見事に撃退できているではないか!



「上手くいったようだ」

「さすがだ、テオドール!」

「これなら、しばらくは攻撃されないだろう」

「そうだな。助かったよ」


「役に立ててよかった。だが、まだまだ研究を続けるよ」



 まだ納得していないのか、テオドールは再び研究しに向かった。錬金術師の仕事となると熱心だなぁ。おかげで助かってるけど。


 良い傾向だと満足していると、エドゥが帰還した。



「ただいま戻りました。テオドールの植物がしばらく防衛してくれそうなので」

「おかえり。休憩していいぞ」

「ありがとうございます、ラスティ様」



 今日のところは家に戻るとしよう。



【未知の無人島 Lv.3000】

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