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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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ムジョルニア騎士団の騎士団長

 スコルの力なら、拠点を守れるな!



「頼む」


「では、やってみますね! 祝福を受けし(ヘブンリー)天上の聖域(サンクチュアリ)!」



 右手を天に伸ばすスコル。



 すると――



 し~~~~ん…………。



 なにも発動しなかった。って、えぇッ!?



「スコル!?」


「あ、あれぇ……なぜか発動しません」



 魔力が足りないのか? と、思ったがそうでもないようだ。魔力は十分にあるようだ。なら、なんで発動しないのか。


 俺はエドゥに視線を向けた。



「スコル様。世界聖書(ウルガタ)を召喚してください。発動に必要なんです」

「そうだったのですね!」



 なるほどと納得するスコルは、世界聖書(ウルガタ)を取り出す。

 今度こそ発動すると、拠点の上空に白い光が広がっていく。おぉ、あれが聖域!


 やがて全体を覆っていった。


 これで完全にバリアされたってわけか。コイツはすげぇ。



「ありがとう、スコル。これで安心して寝られるぞ」

「よかったです。でも、魔力が尽かないといいのですが……」



 その心配はあった。

 だが、エドゥが世界聖書(ウルガタ)専用スキル『ソウルコンバージョン』で魔力供給してくれることになった。

 大賢者の魔力なら、余裕で一日は持つだろうな。


 あとは祈るしかない。



 ◆



 ――翌日。


 拠点は無事で被害はなかった。トラップが複数発動しているくらいで、特に異変はない。



「お見事です、ラスティ様」



 紅茶を淹れてくれるアルフレッドは、外を見つめる。

 俺だけではない、スコルやエドゥのおかげでもある。それに、ストレルカとテオドールの召喚モンスターとペットの見張りもあったからな。


 ルドミラだってずっと監視を続けてくれていたようだし。

 そうだ、みんなの力があったからだ。



「そろそろ、Lv.9999を目指そうと思う」

「今、おいくつですか?」



【未知の無人島 Lv.2960】



「もうすぐで3000だな」

「お早いですね。つい最近まで三桁だったと認識しておりますが」

「まあな。あれから防衛力が上がったから、その影響だろう」



 防衛値は結構経験値になるらしく、そのぶん島のレベルもグンと上がる。すると、設置できる建造物の数も増えるし、畑や牧場なども増設できるわけだ。

 島としての機能もアップする。


 でも、これは敵の騎士たちにもメリットがあるので……複雑なところだ。



 と、思考を巡らせながらアルフレッドの淹れてくれた紅茶を楽しんでいると――



『ドゴオオオオオオオオオオオオオッ!!』



 普段は聞かないような轟音と地響きがして、地面が揺らいだ。


 じ、地震!?


 いや、違う。

 外からの攻撃だ!



「ラスティ様、こ、これは……」


「ああ、とんでもない攻撃だった。しかも、今ので聖域が解除されちまった」



 あの一撃で聖域が消滅するとは、どんな攻撃なんだ……?


 俺は直ぐに家を飛び出し、監視塔へ上った。


 そこにはルドミラとキリアンの姿があった。



「……ラスティくん! 大変です。強敵が現れました」

「なに……?」


「今までとは比べ物にならない強い騎士だと思われます」



 ルドミラの指さす方向には一人の女騎士がいた。正面に堂々と立ち尽くしていた。なんだ、アイツは。



「ムジョルニア騎士団の騎士団長シアルフィだ」



 と、キリアンは恐れながらも、その名を口にした。

 この前、俺たちを襲ったレスクヴァの姉ってヤツか。とうとう、この島に現れたんだな。



「わかった、俺が戦う。ルドミラとキリアンはここにいろ」


「いえ、私もあなたと共に」

「……仕方ないな」



 キリアンは監視塔に残ると言って縮んでいた。どうやら、あの騎士団長さんがよっぽど怖いらしい。


 確かに、凄まじい闘気を感じる。……レスクヴァより上だろうな。



 壁を飛び越え、俺はシアルフィの前に立った。


 シアルフィは、長い三つ編みを三本も生やした女騎士だった。しかも、結構軽装なアーマーで身動きはしやすそうだな。



「はじめましてだな、ラスティ・ヴァーミリオン」


「俺を知っているのか」

「もちろん。詳しくは愚妹レスクヴァが報告してくれた」



 姉妹同じようにネジがいくつか飛んでいるようで、その表情は恐ろしかった。なんで、いちいち狂人なんだよ。



「そうか。で、戦うつもりか」

「――まあまて。その前に見せたいものがある」



 ニヤリと笑うシアルフィは、岩の陰からなにかを引っ張り出していた。誰かの襟首をつかみ、それを俺の目の前に放り投げた。



 ドシャリと崩れるそれは…………




「…………ナ、ハト」


「…………」




 ボロボロになったナハトだった。なぜ、こんな(むご)いことに!




「どうした! なにをされた!」

「……す、すまねぇ。さ、さっき、あの女を……見つけて……やられちまった……」


「さっき!?」



 そうか、さっきの轟音と地響きはナハトがやられた音だったのか……!



「ヤツは強すぎる……ラスティ、ヘルシャフトを使え……!」



 魔剣ヘルシャフトを託された。その瞬間にはナハトは気絶。


 くっ……許せねえ。

 俺の仲間をこんなボロボロにしやがって。


 だけど、そんなに強いのか、あのシアルフィってヤツは。



「フハハハハ! お前の仲間は弱いな。雑魚といってもいい」

「シアルフィ、てめぇ!」


「さあ、掛かってこい! ラスティ!」



 この女、絶対にぶっ倒してやるッ!

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