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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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祝福を受けし天上の聖域 - ヘブンリーサンクチュアリ -

「ラスティさん、更なる刺客が現れそうです」


 と、ムスペルさんは“予言”した。

 今でも数十人の騎士がサバイバルをしているのだが、また増えるのか。


「大帝国から送られてくるんだな」

「ええ。ヘイムダル宰相が決定したようですね。という予言ですが」


「……なんだって」



 その予言が正しいとは限らないが、しかしこうも騎士を送ってくるとなると……疑いの余地はないのかもしれない。


 ヘイムダルは俺たちに何をしたいんだ……?


 シックザールの命令に忠実に従っているだけなのか。

 よく分からないが、でも真実が明らかになるのはそう遠くはない。無人島のレベルは上がり続けている。

 すぐにカファルジドマ大帝国へ戻ってみせるさ。



「明日です。明日お気をつけください」

「了解」



 ムスペルさんは去っていく。

 明日、更に敵が増えるという。これ以上、増えたら大変だぞ。


 今のうちに拠点を強化しておかねば……!



 ◆



 アルフレッドが無事に帰還した。


 木材や石材をかなり集めてきてくれた。数本、数十本という数ではない。数千個にも及んだ。……こりゃ、スゲェな。



「ご命令通り、多くの材料を集めて参りました」



 家の庭に置かれていく、大量の材料。

 騎士から奪った物資も含まれているようだ。



「騎士は殺したのか?」

「いえ。彼らは敵とはいえ……殺すには値しません。生存の為に必死なだけですから、戦闘不能にしました」


 アルフレッドは、騎士たちの手足の骨を折るにとどめたらしい。それでも十分すぎるけどな。



「助かったよ。これで島のレベルを一気に上げられる」

「ラスティ様に貢献(こうけん)できたのなら、何よりでございます」



 満足そうに頭を下げるアルフレッド。外でかなりの人数の騎士とやり合ったようだし、たいしたものだ。さすが、元レオポルド騎士団の騎士団長だ。



「ただいま戻りました」



 監視塔で監視を続けていたルドミラも戻ってきた。

 テオドールと交代したようだな。



「おかえり」

「こちら異常ありません。スナイダー卿の鬼神のごとし剣技によって、敵は瞬く間に打ち砕かれていました……。見惚れるほど見事でした」



 と、アルフレッドを賞賛する。神器エインヘリャルで何百年と生き、勇者であるルドミラから見ても、アルフレッドは凄いんだな。



「ごはんできましたよ~」



 家の中からストレルカの声がした。

 夕食ができたらしい。


 ちょうど腹が減ったところだ。食うか。



 ・

 ・

 ・



 ストレルカ特製の美味すぎる帝国カレーをいただき――満腹。

 畑で採れたじゃがいもなどの野菜をふんだんに使っていたし、美味かったなぁ……。


 やはり、団欒(だんらん)というのは良いものだな。


 みんな笑顔で食事を楽しんでいたし、こんな時間がずっと続けばいい。

 でも本来なら、島国ラルゴであるべき光景だった。


 帰りたいな――故郷に。



 外を眺めていると、目の前に魔力を感じて俺は引いた。



「……?」


「……ただいま戻りました」



 食事後、監視役をテオドールと交代していたエドゥが戻ってきた。



「拠点の外はどうだい?」

「夜になり、落ち着きました。小屋は今のところ七つ確認。残るは洞窟などに潜伏しているようです」



 うまく隠れているようだな。

 さすがに夜襲はないと思いたいが、ありそうなので困る。

 夜も交代制で監視を続けねばな。



「深夜は俺も監視をする」

「いえ、アクアナイトとゾーダグリズリーがいるので大丈夫でしょう」


「心配性なんだよなぁ……俺」


「そうでしたね。では、スコル様の力を借りましょうか」

「え? スコルの?」


「はい。聖女の力なら、拠点の防衛力を高められるのです」



 そうなのか!

 てか、それを島国ラルゴでも教えて欲しかったけどな!



 スコルを呼ぶと、キョトンとしていた。状況が飲み込めていないから当然だな。



「わたしの力で……?」

「そうです。スコル様には守護スキルがあるんです」


「えっと……新しいスキルは覚えてないですけど……」


「これです。これ」


「あ……本当だ。いつの間に」



 どうやら、スコルには新しいスキルが備わっていたらしい。気づかなかったんだな。



「それは?」

「はい、ラスティさん。詳細を教えますね」




[祝福を受けし(ヘブンリー)天上の聖域(サンクチュアリ)][Lv.7]

[スキル]

[詳細]

 聖域スキル。

 物理攻撃および魔法攻撃を防御する。

 一部特殊なスキルも防御可能。

 一部特殊なスキルによっては防御できない。


 魔力が続く限り聖域を展開できる。

 魔力が底を尽くと聖域は解除される。




「こりゃ凄い! これなら拠点を守れるな!」

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