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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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監視塔から遠距離支援スキル!

 トラップを増設するなど防御を固めていると、背後から俺を呼ぶ声がした。この可愛い声はスコルだな?



「どうした、スコル――って、アイファ」

「こんにちは、ラスティさん」



 ……声がそっくりだから分からなかった。

 本当に顔も仕草もまんまだな。唯一、エルフ耳くらいだぞ、違いは。



「ナハトはどうしたんだい?」

「今は外にいるみたいです。騎士を追い払うって言って行ってしまいました」



 マジか。ナハトって意外と好戦的なんだな。

 だけど、助かる。

 危険は少ない方がいい。


 それに、ちょうどアイファのことも知りたいと思っていた。



「そうか。ところで、アイファはナハトとは長い付き合い、なんだよね」

「はい。ナハトさんの力でわたしは召喚されました」


 以前、言っていたっけな。

 ナハトのスキル『トレジャーハンド』の金の宝箱によって出現したと。



「長い旅をしていたみたいだね」

「いろいろありました。最後にはシックザールに負けてしまいましたけどね……」



 辛そうに過去を思い出すアイファ。俺自身も過去の記憶を見た。世界の中心に『星の巨大塔トロイメライ』があって、その頂上にヤツがいたんだ。


 そういえば、シックザールはこの世界にも塔を建てるとか言っていた。世界の崩壊を防ぐ為だとか。あんなヤツの言葉なんて信じられないけど。



「ちなみに聞きたいんだけど、トロイメライって塔は何なんだ?」

「えっ……。なぜそれを」


「実は、世界聖書(ウルガタ)でナハトの過去を見たんだよ。それで君のことも知っている」


「そうだったのですね。この世界にも世界聖書(ウルガタ)が存在するのですね」

「ああ、全部で七つあるらしいけどね」



 歩きながらも、俺は監視塔へ向かった。アイファもついてきた。


 今はルドミラが監視を続けているようだ。



「そこにいるのはラスティくんと……アイファ様ですか」



 するっとハシゴから降りてくるルドミラは、笑みを浮かべる。



「監視ご苦労、ルドミラ」

「いえ、仕事なので。今のところナハトが上手くやってくれています」


「ほう、大活躍だな」


「この数時間で、我が拠点を狙う野良騎士が多くて……。味方のモンスターでも対応できないほどです」



 アクアナイトやソーダグリズリーでも追い付かないってわけか。そこでナハトってわけか。



「ちょっと監視塔へ上がっていいか?」

「もちろんです。アイファ様も?」


「ああ。ルドミラはしばらく休憩していてくれ」

「わかりました。では、また」



 ルドミラと別れ、俺はハシゴを上っていく。アイファも必死に上がってくる。



「気を付けて」

「ありがとうございます、ラスティさん」



 展望台まであがり、景色が一望できた。見晴らしがいいなぁ。

 そして、騎士たちの姿がチラホラ。

 弓を使って戦っているようだな。



「ナハトの姿は見えないな」

「どこにいるのでしょう?」


「う~ん……」



 草原には、多数の気配があるが身を隠しているようだな。気づけば、知らない家や小屋があっちこっちに建っているし、拠点が増えているな。


 いつの間に建てたんだか。



「ヘルブレイズ!」



 どこかでナハトの声が響く。これは技名だ。


 黒い炎が岩陰を負っていた。そうか、隠れている騎士を攻撃したんだな。



「ぎゃあああああああああ……!」



 ぶっ飛ばされる騎士たちは逃げ惑っていた。更に、ナハトは小屋を破壊していく。どんどん周囲から建物が消えていた。


 すげぇ活躍っぷりだな。



「さすがナハトさんです! うまく追い払っていますね」



 アイファはそう言いながらもスキルを発動していた。そうか、ナハトに対して支援スキルを使っていたのか。



「こんな遠くから支援スキルを?」

「はい、できますよ。キリエとグローリアです」



 キリエとグローリアといえば、スコルも習得している支援スキルだ。だが、こんな距離で使えるなんて……さすが“黄金の聖女”だ。


 感心していると『グゥ~』となにか鳴った。



「え?」


「……はぅ。ごめんなさい、わたしのお腹の音です」



 頬を赤くするアイファはそう言った。え、マジで。



「お腹空いていたの?」

「いえ、魔力を消費したのでお腹が減ったんです」


「もしかして、遠距離支援スキルの影響か?」

「そうなんです。無理をすると、空腹になりやすくて……」



 なるほど、ちゃんとデメリットもあるんだな。それでも、遠距離でスキルを発動できるなんて凄いけどな。たぶん、スコルでも難しいはずだ。


 監視を終え、ハシゴを降りる。


 地上に戻ると、そこにはムスペルさんの姿があった。



「お待ちしておりました、ラスティさん」

「え、どういうこと?」


「新たな予言がでました」


「なるほど……聞いておこう」



 彼女の予言は当たると確信した。聞いておいて損はないだろう。

 まずは家へ戻ってからだ。

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