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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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古流剣術スキルの謎

「……じゃがいも?」

「そうなんです。畑で採れたんですよ~」


 おぉ、もうこんなに育ったのか。

 さすが俺の覚醒無人島開発スキル。農作物の成長速度がかなり速い。

 これなら食料には困らないな。


「いいね。スコルに美味しい料理を作って欲しい」

「もちろんですっ! 人も増えましたし、がんばらなきゃですね!」


 気合いを入れるスコルは可愛かった。

 じゃがいもなら、どんな料理にも使えるし楽しみだな。

 にくじゃが、ポテトサラダ、じゃがバター、ジャーマンポテトマトもアリだな!


 などとレシピを思い浮かべていると、壁の外が騒々しかった。



『物資を奪ええええッ!』『黙れ、お前はここで死ね!』『なんで急にこんな騎士が増えた!』『大帝国から次々に自由騎士が……原人もいるぞ』『ここが戦場か?』『本当、なんでもアリだな!』『ぎゃああ、やられた……』『コイツの物資を奪え!』『この拠点を狙っているから隙だらけなんだよな!』



 お、おいおい……何十人が殺到しているだ?

 てか、いつの間にそんな送られてきたんだよ。


 急いで監視塔へ向かう。

 ハシゴをのぼり、壁の外の様子を伺うと――そこには自由騎士がうじゃうじゃと。なんか殺し合っているぞ……!?



『うっは! この騎士の物資うめええッ!』『漁夫(ぎょふ)が多すぎ!』『俺は七人を殺った男だぜ……!』『人多すぎて……ぜんぜんレイドできないじゃん』『人集まりすぎだ!』『仕方ない、俺も拠点を作るか』『撤退だ!』



 どうやら、騎士たちは俺の拠点の前で殺し合いをしているようだ。物資を奪うために。……人ん家の前でなにやってんだよ。


 こんなに適当に騎士たちを送ってくるとは……ヘイムダル宰相の嫌がらせなのか? ――いや、違う。これはシックザールの戦略かもしれない。

 直接手を下すのではなく、サバイバル形式にして俺たちを襲わせる気なんだな。なんて野郎だ。


 しかし、今のところ俺の仕掛けたトラップが発動して撃退できていた。

 侵入される恐れはないな。


 さすがの騎士たちも気づき始め、撤退を余儀なくされていた。そして、遠くへ向かう者。割と近所に拠点を作るものが出始めていた。



 ただの無人島と思っていたが、こんな展開が待ち受けているとはな。



「て、敵襲ですか!?」



 ルドミラの声が聞こえた。

 監視塔から見下ろすと、姿があった。



「大丈夫だ。この拠点は壁に守られているから安全だ! だが、大帝国の騎士たちがかなり送られてきた。今後は危険だろうな」



 ハシゴを降りて、俺は地上へ。

 改めて危機感をあらわにした。



「このような事態になるとは……」

「同感だ、ルドミラ。もっと罠を増やさないとな」


「では、私が監視をしましょう」

「ああ、頼む」



 監視を交代し、俺はスコルと共に家へ。

 新たに作った二階建ての家。

 今日からここが俺たちの拠点だ。


 庭にはペットにエサをやるテオドールとエドゥの姿があった。



「やあ、ラスティ。外は大変のようだな」



 楽しそうに笑うテオドールは、この状況を楽しんでいるようだった。……いやいや、落ち着いている場合じゃないぞ。



「情報が早いな」

「エドゥのスキルで外の様子を見たのさ」



 ソウルフォースに不可能はないと、エドゥはドヤ顔でサムズアップ。なるほどねー! 説得力がありすぎて納得した俺。



「――とにかく、物資を集めて拠点を強化しないと」


「それならば、私にお任せください」



 と、家の中からアルフレッドが姿を出す。



「材料を集めてくれるのか?」

「もちろんです。私はその為にラスティ様のもとへ()せ参じたのですから」


「いいのか……?」


「ええ。“本物の騎士”の力をヤツ等に見せてやりましょう」



 いつの間にか腰に剣を携えているアルフレッド。いや、これは……『刀』だ! しかも、見たことあるヤツだぞ。


 あれは……そう、王政アルキメデスのルゼリアの使っていた刀にソックリだ。



「アルフレッド、お前まさか『次元乱流破』なんて技を使わないよな……?」


「……な、なぜそれを! ドヴォルザーク帝国に代々伝わる古流剣術スキルの大技のひとつです」



 つまり、アルフレッドのスキルだったのか。なぜ、アルキメデスのドラゴン娘が使えていたんだ……?



「別の国でそれを使ったヤツがいたんだよ」

「そうでありましたか。もしかしたら、その国に世界聖書(ウルガタ)があったのかもしれません」



 世界聖書(ウルガタ)に記されているものなのか。……まあ、世界聖書(ウルガタ)だし、なんでもアリか。



「納得したよ」


「ちなみに、私が()み出した最強の奥義は『第六天魔王煉獄殺』です。あれを凌ぐスキルはこの世にはございません。」


「!?」



 アルフレッドが作ったスキルだったのかよ!?

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