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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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愛の告白!?

【未知の無人島 Lv.128】 → 【未知の無人島 Lv.512】



 夜になり、肌寒くなった頃。

 スコルに手を引っ張られ、二人きりで外へ出た。


 夜空は、宝石に匹敵する満天の星空に支配されている。

 闇夜の中で煌々(こうこう)と輝く数多の星。この無人島で見上げる夜は、格別だなと俺は思った。



「わぁ、キレイですね~」

「そうだな。ラルゴよりも標高があるのかもしれない」



 復旧した畑の(そば)を歩いていく。

 あれから元通りにして、周囲も壁で固めた。トラップも多数。俺と一緒に歩く分には、罠は発動しないから、危険もない。


 しかし念のためだ。

 散歩しながらも、俺は覚醒無人島開発スキルで周囲を強化していく。そんなに手間もないしな。



「あ、あのぅ……」

「ん?」


「実はさきほどムスペルさんに予言をもらったんです」


「そうなのか?」

「はい。共有しておきますね」



 スコルは妙に落ち着かなさそうにしていた。

 悪い予言なのか……それとも。


 俺は開発をいったん止めて、スコルの方へ向いた。



「教えてくれ」


「……多分、三日後にはルドミラさんたちは助かると」



「え! それは良い予言じゃないか! 本当か!?」

「ええ。ナハトさんが助けてくれるって」



 そうか! 

 すっかり忘れていたが、カファルジドマ大帝国に入る前に別行動となったんだ。ナハトは今頃、どこかでアイファを探しているはずだった。


 なるほど、三日後にはルドミラが捕まっている地下牢にたどり着くんだな。それを聞いて安心した。



「予言通りなら助かりそうだな」

「なので、ラスティさんは島の強化を進めていただければ」


「もちろん。向こうにいる仲間の為にがんばる」

「がんばってください。わたしも手伝いますから」

「ありがとう。でも十分助かってるよ」

「そんな……わたしなんてなにも」


「そんなことはない。スコルは美味しいごはんを作ってくれている。……それに、笑顔にも救われているんだ」


「…………っ」



 スコルは泣きそうになっていた。けれど嬉しそうに微笑み――抱きついてきた。


 ぜんぶ本当のことだ。

 俺はこう見えて結構無茶をしている。スコルや仲間がいなかったから、どうなっていたことか。


 大切な人がいるから、俺は必死になってがんばれる。



「ここを乗り切ろう」

「はい。わたし、ラスティさんの為ならなんでもできますからっ」



 嬉しいことを言ってくれる。

 それに。


 ――ああ、そうだ。


 改めて言わなければならないことがある。



「スコル。そういえば……俺、神器エインヘリャルで不老不死になった」

「あ……テオドールさんから譲ってもらったアイテムですよね」


「そうだ。おかげで俺も永遠を生きられるようになった。ちょっと複雑だけど、でもスコルと共にしばらく人生を謳歌(おうか)できそうだ」


「そ、そ、それって! ラスティさん……プ、プ、プロポーズ……」



 顔を真っ赤にするスコルは、めちゃくちゃ慌てていた。俺も今になって、なんてことを言ったのだと心臓が跳ね上がった。


 そうだ!


 こんなの結婚してくれと言っているようなものだ!!


 ――でも、構わないか。

 気持ちに正直になりたい。



「だから、その、えっと……」



 とまどっていると「じれったいですね~」と声がした。

 振り向くと、そこにはいつの間にかムスペルさんの姿があった。



「うぉ、いつの間に!」


「ラスティさんは、神器エインヘリャルをお持ちなのですね」


「そ、そうだけどさ……びっくりした」

「申し訳ありません。露天風呂に行きたくて」



 それで通りかかったのか。なるほどねー!

 てか、出かける予定があるならスコルに予言を頼まなくてもよかったのでは……?


 不思議がっていると、ムスペルさんは上機嫌で去っていく。なんだ、妙に表情が柔らかいな。


 彼女の背中を見つめていると、スコルが両手で俺の頬を押さえて視線を返させた。……むぐっ!



「ムスペルさんに見とれていました?」


「いや、断じてそのようなことは……」


「ラスティさんは、わたしだけを見つめてくださいっ。他の女性を気にしたら、わたし……泣いちゃいます」


「悪い」



 だって、ムスペルさんの背中めっちゃ無防備なんだよ!?

 なんであんな(はだ)けているんだよッ。

 ジプシー風の服の威力高すぎるんだよぉ!



「ちゅーしてください」


「え……」

「そしたら、信じます」


「……わ、わかった」



 スコルは(まぶた)を閉じた。……大丈夫だ。俺は何度もスコルとキスをしている。今更緊張することはない――はずだ。


 アレ、おかしいな。


 今夜に限って俺は妙に心臓がバクバクしている。なんだ、これは……!


 いや、考えるな俺。

 自然のままスコルの唇を――



 しかし、その時だった。




「兄上~! 兄上えええ! 大変なのだ!!」




 と、ハヴァマールの叫び声がした。



「!? どうした、ハヴァマール!」


「エドゥが!!」



 エドゥだって!? まさか何かあったのか!!

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