表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

541/579

大帝国の真の皇帝

 アルフレッドが“未知の無人島”に来れた理由――それは。



「余が呼んだのだ」



 背後から現れるメイド服姿のハヴァマールは断言していた。……なるほどねぇ。

 黄金の宮殿(ヴァルハラ)の――天の声を利用して呼びかけたらしい。


 島国ラルゴがまだ無人島だった頃、俺が島に飛ばされた当時のように、語りかけたらしい。……納得。



「そういうことか」

「そうなのだ、兄上。アルフレッドには座標を送った」


「そんなことが出来たとは」

「うむ。島国ラルゴと余は繋がっているから、特にメッセージが送りやすかった」



 どうやら、多少の条件はあるらしい。

 でもアルフレッドを呼んでくれたのは助かる。



「ラスティ様。ご迷惑でなければ再びお仕えしたい次第です」

「迷惑なものか。俺はすっげー嬉しいよ」


 子供(ガキ)のころから、アルフレッドのことは本当の親のように思っていた。常に俺の味方であり、専属執事でもあり――師でもあった。あらゆる知識を与えてくれた恩人だ。


 おかげで無人島に飛ばされても、俺は生きながらえることができた。



「感激にございます。では、全力でサポートさせていただきます」



 嬉しそうに微笑むアルフレッドは、俺の前で丁寧に頭を下げた。


 変わらず元気そうでなにより。

 てか、泳いで来たんだよな……すげぇ体力だな。



「しかし、遠かっただろ」

「いえ、移動の大半をサメ系モンスターである『ハンマーヘッドシャーク』に頼りましたので、一日で来られました」



 マジかよ。

 凶暴なサメに乗って来ていたのかよ……危険すぎる気がするが、アルフレッドなら出来てしまいそうだから、疑いの余地などなかった。


 ああ、これはたぶん本当だ。



「理解した。……さて、せっかくだし小屋へ案内するよ」

「おぉ、ラスティ様の無人島開発スキルですな!」


「そうだ。俺の力で開拓した」

「さすが我が主。偉大な力でもう発展を……感服です」



 オーバーだなぁと苦笑する俺。

 そういえば、アルフレッドはこんなんだったな。



 ◆



 小屋へ戻った途端、スコルはアルフレッドを認識するや歓喜していた。



「わあ! アルフレッドさん! お久しぶりです!」

「スコル様。こちらこそお久しぶりでございます」


「どうしてここに?」


「ハヴァマール様に場所を教えていただき、泳いで参りました」


「え……」



 当然の反応だ。普通、泳いできたとか信じられないからな。あと、大半はハンマーヘッドシャークのおかげな!



「おや、客人ですか?」



 突然現れた執事に目を細めるムスペルさん。俺は事情を説明した。



「彼はアルフレッドで俺の専属執事だ」

「……なるほど。予言で視えていましたが、このお方が」


「予言していたのかよ」


「ええ、まあ」



 キリアンにも紹介して、お互い丁寧に挨拶を済ませていた。

 それからエドゥとも。

 部屋のソファで寝転がっていた。



「おや、エドゥアルド様。お怪我を?」

「もう大丈夫です。それより、ルドミラちゃんとテオドール、ストレルカさんを救出せねばなりません」


「さきほどラスティ様から聞きました。カファルジドマ大帝国で事件があったと」


「アルフレッド。あなたは知っているでしょう。この世界が“ひとつ”だったことを」



 エドゥは淡い瞳でアルフレッドを見つめる。

 ……妙だな。

 この感じ、つい最近どこかで。


 いや、気のせいだな。



「ええ、もちろん。カファルジドマ大帝国は、世界聖書(ウルガタ)に記されておりました。世界の中心であり、全ての根源であると」



 更に続けて、アルフレッドはこう言った。



「しかし、トール皇帝は世界を広げるべく……国を割譲したと。人類の発展の為に」



 ……トール皇帝?


 ううん……?



「まて、アルフレッド。カファルジドマ大帝国の皇帝はシックザールと聞いたが」

「現在に至るまでトール皇帝のはずですが……」



 つまりアレか。シックザールが皇帝の座を奪ったってことか。そうとしか思えないな。

 キリアンに確認してみると、三年前に皇帝が変わったという。

 ……やはりか。



「あくまで噂だが……トール皇帝は暗殺されたらしい」

「なんだって……」



 納得がいかなさそうなキリアン。その情報は重要な気がしている。……暗殺か。そういえば、俺が大聖女ボヘミアを暗殺したことになっているんだっけ。

 これまた妙な感じがするな。


 もう少し情報収集をする必要がありそうだな。



「ラスティさ~ん、こっち手伝ってください~」



 と、いかんいかん。

 スコルが昼食の準備で忙しそうだ。そろそろ手伝わねばな。



「私はどうしましょうか?」

「アルフレッドは、井戸から水を汲んできてくれないか。露天風呂に必要なんだ」


「うけたまわりました」



 今は、この無人島をレベルアップしていくしかない。カファルジドマ大帝国へ戻る為にも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ