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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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古代魔獣ベヒーモス、襲来

 飛び出して行ったスコルを追いかける俺。

 森と呼ぶには小規模だが、木々が密集した林へ向かっていた。まずい……日暮れで、すでに暗所だ。

 迷って出て来れなくなるぞ。


 そろそろ止めねばっ!


 スコルは相変わらず全力疾走していた。まさか、こんな足が速いとは……!



「おい、スコ――」



 俺は叫んで止めようとしたが、林の方から大きな気配を感じた。


 こ、これはモンスターなのか。

 それにしてもデケェぞ。



『――グルゥゥゥ……』



 さすがのスコルも足を止めていた。



「…………え」



 ズシン、ズシンと大きな足音が響く。おいおい、まってくれ。それはないだろう……!

 林の奥から現れた巨大な影。


 島国ラルゴにいたイノシシとは比較にならない巨大なモンスターだ。


 イノシシのようなフォルムをしているが――ちょっと違うな、これは。



[ヘルズベヒーモス]

[詳細]

 レイドボス。

 聖魔大戦時代の古代魔獣。

 高い攻撃力と耐久力を持つ。

 風属性攻撃『サンダーキャノン』に注意。



「ヘルズベヒーモス!?」



 ボスモンスタークラス――いや、それ以上じゃないか。



「あわわ……ラスティさん!」



 バケモノ級巨大モンスターを前に、スコルはくるっとターン。マッハで俺の元に向かってきた。はやっ!



「こんな無人島に魔獣がいるとはな」

「こ、怖いです……」


「大丈夫だ。俺が守る」



 +10覚醒ヴェラチュールを武器召喚して、俺は身構えた。


 恐ろしい目つきで俺を補足するヘルズベヒーモスは、口を大きく開けた。……ちょ、まさか!



『――ガァゥゥゥ!』



 炎でも吐いてくるのかと俺は思ったが、予測はハズレた。


 ヤツが放ってきたのは風属性魔法スキル。

 俺と同じ雷系でサンダーボールに近い!


 まさかそんなモノを口から放つとは――!


 無人島開発スキルで壁を作っても防御できるとは思えん。となると、回避する方がいい。


 俺はスコルを小脇に抱えて跳躍(ジャンプ)した。

 スコルの体重がスポンジのように軽くて助かった!



「わぁぁぁ……!」

「舌を噛まないよう気をつけるんだぞ、スコル」


「は、はいぃぃ」



 宙に舞った俺は、そのまま+10覚醒ヴェラチュールを投擲(とうてき)開始。一直線に飛び出す槍は、ヘルズベヒーモスの肩辺りに突き刺さった。


 ……なッ!


 貫通しないだとぉ!?



「あの獣の体は鋼か!」

「あ……あのあの、ラスティさん、下! 下です!」


「ん……? うお! しまった!!」



 下を見下ろすと着地地点に『沼』があった。


 って、なんでそんなところに!!



 俺とスコルはその沼に落下。しかも、底なし沼のようで、体がどんどん沈んでいった。……ヤベェ!


 ヘルズベヒーモスは、俺たちを見失って大人しくなっていた。助かったが――これはこれでマズい。



 どうにかして這い上がらねば!


 考えろ、俺。



 う~ん……



 そうだ!

 材料の布を使い、覚醒無人島開発スキルでロープを作る。念のため、ロープの先にオモリもつけて、それを木に向かって投げる。そして脱出!



 それだ!



 俺は急いで道具を生成。

 予定通りにロープを投げつけ、木に巻き付けた。お~し、成功!



「おぉ、これなら沼から出られますね!」

「ああ、スコル。俺にしっかり掴まっているんだぞ」

「もちろんです。わたし、絶対に離れませんっ」


 ドロドロの沼の中で、スコルは俺に抱きついてきた。泥の感触がほとんどで分からないが、スコルの肌が触れているように思えた。

 ……柔らかいものが俺を包んでいる気がする。


 たぶん、泥だ! たぶんな。



「いくぜっ!」



 ロープを使い、俺は登っていく。

 即座に手が痛くなったが――気合いだ、気合でいくしかない!


 飲み込まれる前に、なんとか這い出ることに成功。



 安全な地面で俺は大の字になって倒れた。

 泥まみれのスコルが覆いかぶさるように俺に抱きつく。



「ひゃ~…泥人間ですぅ」

「服が大変なことになっている。風呂にも入りたいな」


「……そうですね。でもおかげで助かりました」

「ああ。ヘルズベヒーモスは去った。つーか、あんな危険なのがいると思うと、小屋でのほほんと暮らすわけにもいかないな」


「どうします?」


「今までと同じように小屋で済むより……『地下』の方がいいかもな」

「地下生活ってことですね!」


「名案だろ~?」

「はいっ、とてもいいと思います。――でも、その前にメイルシュトローム!」



 ドバアアアァァァ……と、上空から大量の水が降り注いできた。

 そや、スコルってば大魔法が使えるんだっけな。


 思えば、水もこれで確保できたのでは……。

 いや、でも水の貯蔵はできないから、井戸で正しかったけど。



「イイ感じのシャワーだ。泥が洗い流されていくな」

「とても気持ちがいいですね~」



 そう言いながらも、スコルは服を脱ぎ始めていた。



「ちょ! なにしてるの!」

「服の中にも泥が入って…………あ、その、洗ってくれますか?」


「え…………」



 ついに全部脱いでしまうスコルだが、俺は背を向けた。


 一瞬だが、透き通るような白い肌と、美しすぎる谷間を直視してしまった。



 …………ドキドキドキドキと俺の心臓が乱れる。



 ど、どうしてこうなったー!?

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