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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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強くて無人島生活!

「えっと……どこですか、ここ……?」



 周囲を見渡すスコルは、非常に困惑していた。という俺も、なぜこんな状況になっているのか理解が追い付かなかった。

 さっきまでカファルジドマ大帝国の城にいたはずだ。


 ヘイムダル宰相は?

 コルキスはどうなった……?


 ――いや、まて。


 ヘイムダルが俺とスコルを“強制転移”させたのか。コルキスの言っていることは正しい、ということなのか。もうよく分からん。誰を信じればいい――?



「なんてことだ……」

「どうしましょう、ラスティさん。みなさんもいませんし……」


「大丈夫だ。きっと助かる。――というか、ここは『未知の無人島 Lv.1』らしい」

「無人島、なんですね」



 どこからどう見ても島だな。海に囲まれているようだし、島も広そうだが俺の島国ラルゴに比べると半分以下。狭そうだな。


 それでも、暮らすには十分だけど。

 って、住むつもりはない。


 直ぐに大帝国へ戻らねば。



「……とはいえ、これではな」

「どうやって戻ればいいのでしょう?」


「う~ん……分からん。転移スキルもないし、今はこの未知の無人島を探索するしかなさそうだ」


「そ、そうですね。脱出する為にがんばりましょう」



 まさか無人島生活をまたすることになるとは。

 妙に日も傾いているし……不本意ながら、今は生活拠点を作るのが先か。

 というか、喉が(かわ)いてきやがった。



「なんだかデジャブを感じる」

「はい、昔に戻った気分です」



 スコルも同じ気持ちなのか、妙に穏やかだ。

 こうして二人きりではじめた無人島生活だったな。島国ラルゴではいろいろあった。

 思い出に浸りながらも、俺は『水』を作ることにした。海水なんて飲んだら命にかかわるからな。


 とはいえ、昔のように泥水を啜るわけにもいかないが。


 今の俺なら普通の水を作れるさ。


 少し離れた場所で俺はスキルを発動。



「覚醒無人島開発スキル――井戸!」



[井戸]

[詳細]

 設置には石材×1000、木材×500、布×50を消費する。

 井戸を設置できる。

 飲み水を確保できる。



 そう、俺は『井戸』を設置した。

 幸い、材料もあったからな。


 おまけに地下から湧き出た水もたっぷりだ。



「おぉ! 完璧な井戸ですねっ」

「泥水時代とは違って、こっちはちゃんとした飲み水だ」



 さっそく滑車によって水汲み用のバケツを下ろし、水を汲む。

 上げて中身を確認すると、非常に透き通った水がそこにはあった。……我ながら完璧じゃないか!



「とても綺麗ですね!」

「ああ、さっそく味見してみるよ」



 更にスキルでガラスのコップを生成して、俺は一杯(すく)って飲んでみた。



「どうですか、ラスティさん」

「――うん、美味い! 普通の井戸水だ」


「おぉぉ! わたしも」

「ああ、ほら」



 コップを渡すと、スコルは手に取ってそのまま口をつけた。


 ……あ、忘れていたけど間接キスだ。

 今更ながら俺は顔が赤くなった。



「わぁ、美味しい! ちゃんと飲める水ですねっ」

「そうだな。泥水の頃に比べれば大きな進歩だ」



 あの頃は本当に酷かった。俺も無人島開発スキルの使い方がまだ掴めていない頃であり、十分に能力を発揮できていなかった。

 だけど、今は違う。


 あの経験があったからこそ、今は万能になった。


 無人島の脱出も時間の問題だろう。


 それから俺は簡易的な小屋を建て、最低限の生活ができるように机や椅子なども作った。


 作業時間――たったの五分!


 ずいぶんと慣れたものだな、俺も。



「わたしはお料理を」

「そや、腹が減ったな。なにか作ってくれるか?」


「はいっ。わたしのアイテムボックスには材料がたくさんあるので」



 スコルってば食材を大量に持ち歩いていたんだな。そういえば、アルケロンで旅していた時も食材には困っていなかった。……そうか、そういうことだったのか。


 木製テーブルの上には、新鮮なジャガイモやらニンジンやらタマネギやら並べられていく。


 俺の作った特製包丁を使い、素早い動きで野菜を切り刻んでいくスコル。

 さすが料理スキルを極めているだけある。


 手際が良すぎて俺の入る隙はなかった。



 そうして、ついに『カレー』が完成した。



「……うまそー!」

「お皿に盛りつけて――はい、どうぞ」



「あ、ああ……いただききますっ」



 スプーンを手にし、俺はさっそくスコルの丹精込めて作ってくれたカレーを口へ運ぶ。


 う、うまああああああああっ!!



 信じられん美味さだ。

 甘くて、けれど濃厚。これは隠し味を入れているな。


 ジャガイモやニンジンも大きめのサイズで、実に俺好み。



「お味はいかがですか?」

「美味いよ。さすがスコル。良いお嫁さんになれる」


「…………う、嬉しいです。というか、わたしは……ラスティさんのお嫁さんに……! ひゃあああっ!」



 耳まで真っ赤にするスコルは、慌てて飛び出していった。



 って、どこまで行く気だー!?

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