表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

525/579

神器移植の条件

 抱きついてこようとするテオドールを俺は緊急回避。


「うぉい!」

「なぜ避ける。神器の移植だぞ、ラスティ」


「だからって抱きつく必要あるのか!?」


「ある。私の心臓にある神器を移すには、アツい抱擁(ほうよう)を交わし……キスをする必要がある」


「――んなッ!!」



 そんな方法なのかよ!!

 最悪だ!!


 なら、せめてルドミラかエドゥがいい! なぜ男同士でキスしなければならん! 絶対に嫌だ! 断固拒否だ!



「なにをゴチャゴチャ話している!」



 (しび)れを切らしたケニングは、魔剣ダーインスレイヴを振り回してきた。これまた緊急回避。……おっと、危ねぇ!


 頭上に大剣が横切っていった。なんて風圧。恐ろしい威力だ。

 まともに喰らえば真っ二つだろうな……。



「これで時間を稼ぐ――落とし穴!」



 ヤツの足元に落とし穴を設置。すると、あっけなく落下するケニング。最初から、この方が早かったか。



「――無駄だあああああ!」


「なにィ!?」



[バーニングブースト][Lv.5]

[補助スキル]

[効果]

 全身のどこでもよい。一部に火属性を付与する。このスキルはジェット推進を得ることが可能である。飛行可能。ホバリングも可能。



「我がスキル、バーニングブーストなら飛行可能だ」



 浮き上がるように這い上がってくるケニング。まさか、ハーピィとかの鳥人族でもないのに飛ぶ人間がいるとはな……。この男、想像以上に厄介だぞ。



「おいおい、そんなのアリかよ」

「一時退却も考えた方がいいのでは」



 テオドールはすでに逃走する気満々だった。まてまて、諦めるのはまだ早いだろう。てか、そんなカッコ悪い真似が出来るか! ドヴォルザーク帝国の皇帝として!

 つーか、俺のプライドが許さん。



「エインヘリャルはお預けだ。でも戦う!」

「頑固だな、ラスティ。だけど――その信念があってこそだ」



 スチャッと三本のポーションを取り出すテオドールは、それをケニングへ投げつけた。ま、まさか……!



『ズドオオオオオオオオオオオ……!!』



 爆弾ポーションかよ!


 周囲に配慮してなのか威力は控えめだったが、それでもなかなかの爆風だ。……これなら、ヤツを倒せて――?



「無駄だ」



 爆炎の煙の中からケニングは現れ、空高く飛んでいた。野郎、バケモノか。


 こうなったら、最大出力のスキルで……!



「ライトニング……」


「遅い! ラスティ、お前はここで散れ……ラーヴァブレイク!」



 大剣をまるでハンマーのように叩きつけてくるケニング。やべえ、あれは――死ぬ! どうする……どうすりゃいい!


 焦っていると、建物の中から人影が現れた。スコルだった。



「ラスティさ~ん、占いもとい予言終わりました~! 無事に――って、え……」



 空を見上げるスコルは、ケニングに存在に硬直。ヤツがこちらへ突っ込んできていた。……マズイ、スコルを巻き込んでしまう!



「…………ッッ!?」



 しかし、途中で剣を止めていた。

 ケニングは幽霊でも見るかのようにスコルを見つめていた。


 隙だらけじゃないか!


 悪いが、今しかない!

 卑怯と言われても、俺はスコルを守るためなら今というチャンスを逃さない。



「ライトニングボルテックス!」



 召喚武器なしで俺は素手でスキルを発動。

 武器補正の魔法攻撃力分の威力は落ちるが、それでも十分だ。




「ぐ、うおうおうおおおおおおおおおおおお…………!?」




 雷の渦がヤツを激しく飲み込み、全身を縦横無尽に駆け巡っていく。そして、強烈な一撃と共にヤツは空へ打ちあがっていく。

 巨体がカファルジドマ大帝国のどこかへ飛んでいく。……よし、上手くいった!


 かなり吹っ飛んでいったし、しばらく会うこともあるまい。



「えっと……ラスティさん、今の方は……?」

「気にするな。ただのお客さんだ」

「お、お客さん!?」



 ストレルカやルドミラ、エドゥもお店から出てきた。状況を飲み込めないようで、ぼうっと立ち尽くしていた。

 俺はみんなに説明した。



「――というわけだ」

「そのようなことが。……この手配書が……」



 複雑そうな微妙な表情を浮かべるルドミラは、手配書を全て剥ぎ取り処分していた。……助かるね。



「ありがとう」

「我が主を犯罪者扱いなど許せません。一刻も早く誤解をとかねば」


「ケニング……さっきの巨漢によれば、俺が大聖女ボヘミアを殺害した犯人になっているようだ」


「なんと!?」



 もちろん、そんなワケがない。ありえないんだ。

 きっと、この国の誰かが俺を犯人に仕立てているんだ。ふざけやがって……!


 でもきっと見つけてみせる。

 そして、俺の無実を証明してもらう。


 それと聖女アイファだ。別行動しているナハトは彼女を見つけだしているだろうか。


 気になるところだが――。



「……」

「ん、どうしたスコル」


「い、いえ! なんでもありません。でも、嬉しいんです」

「嬉しい?」

「はい、とっても嬉しいんですっ」



 なにか良い予言でも出たのかな?

 教えては……くれないよな。


 ちょっと気になっていると、噴水広場には多くの騎士が集まってきていた。俺たちを取り囲むように。


 ――って、マジで囲まれているじゃないか!


 その中にはルーカンの姿もあった。


 そうか、俺を本気で捕まえにきたか。……どうする?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ