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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
カファルジドマ大帝国編 (最終章乙)

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大人の色気がスゲェ

「……ッ! ルミナスだと……!」



 恐ろしいものを見たと、ルーカンは青ざめながらも華麗にバックステップ。俺たちから距離をとっていた。

 なんだ、急に警戒しまくってるぞ。



「エドゥのスキルを知っているのか、ルーカン」

「知っているも何もない。それはかつて大聖女様が使われていた守護結界……! なぜ、異界の者が使えるのだ」



 なぜと言われてもなぁ。俺にも分からん。



「なぜなんだ、エドゥ」

「大聖女ボヘミア様と会ったことがあるからです」


「――なるほど」



 納得していると、ルーカンは超ビビっていた。



「な、なんだとぉ!? そこの賢者、ボヘミア様をご存じか!」



 こくっと静かにうなずくエドゥ。その感じからして、カファルジドマ大帝国に滞在していたことがあるようだな。

 この大賢者は、ナハトの世界にも干渉していたようだし……なにか重大な秘密を知っていそうだ。



「それより、アイファだ」

「だから知らん。そんな名はこの大帝国で聞いたことがない」


「そうか。残念だ――鋼鉄チェーン!」


「む? ぐおわぁッ!? なんだこの鎖は!」



 俺は、覚醒無人島開発スキルを発動し、ルーカンの体に鋼鉄チェーンを巻き付けた。

 これ以上暴れられてもダルいし、有益な情報ももう引き出せないと判断した。この騎士に構っているヒマはない。



「じゃあな、ルーカン」

「……っ、ラスティ。お前は……大罪人だ! 逮捕、するぅ!」



 まーだあんなこと言ってるよ。

 もちろん、俺は無視してみんなと共に先へ進む。



 ◆



 ルーカンを倒したせいか、周囲の騎士は恐れて俺たちを襲ってくることはなかった。

 無駄な戦闘を省けて助かるね。


 少し歩くと、スコルがある場所で足を止めた。



「ん、どうした?」

「このお店……」


「ん、ああ」



 そこには【占い】の文字が――てか、こういう看板とかの言語は俺たちと共通なのか。スペルカードは未知の言語だったのに、どうなっているんだ……?



「占ってもらいたいですね……!」

「よし、寄っていくか」


「いいんですか?」

「構わんよ。たまには息抜きも必要さ」



 ストレルカと、おまけにテオドールも興味津々だからな。



「スコルさん、わたくしも一緒に……!」

「そうですね、ストレルカさん!」



 二人とも意気投合している。

 な、なんでこんな燃え上がっているんだ……!?



 ちょっとビビっていると、テオドールが俺の肩に手を置いた。



「私も嫁たちとの未来について気になっていてね」

「それならスコルのアカシックレコードで――」

「いや、世界聖書(ウルガタ)に記されいる、ほぼ確定した未来は見たくない。未来は分からないから面白いのさ」


 それでは占いも似たようなものな気が――いや、外れることもあるから違うか。



「ルドミラちゃんも占いに興味があるようです」

「ちょ、エドゥ! な、なにを言うのです!」



 ルドミラの背中を押すエドゥは、面白いことを言う。へえ、ルドミラが占いに興味をねえ。やっぱり恋愛なのかな。



「恋占いか?」

「……ッッ!」



 顔を真っ赤にするルドミラ。

 珍しく狼狽(うろた)えているな。


 こりゃ、余計に寄り道したくなってきた。

 少し寄っていこう。



 占い店の名は『ムスペルヘイム』といった。

 中へ入ると、妙な熱気を感じた。……暑ッ!?


 どうなってんだここ。まるでサウナだぞ。



「いらっしゃいませ」



 静かな声が響く。

 そこには赤と白のツートンの髪をした女性が立っていた。……おぉ、大人の色気がスゲェ。

 妙にジプシーっぽい恰好なのも高得点だ。――って、なにを言っているんだ俺は。



「あ、あの~、占い師さんですよね?」

「ええ、そうです。私の名はムスペル。……おや、これはこれはボヘミア様」


 と、ムスペルという女性は勘違いしていた。


「えっと……わたしはそのボヘミア様ではありません。エルフですし」

「……あら、これは失礼を」



 落ち着いた表情と口調でムスペルは、部屋に案内してくれた。どうやら、大所帯向けの応接室があるらしい。


 広間に到着すると、変わった風景がそこにはあった。



「なんだかイイ匂いがしますね」

「鋭いですね、ストレルカさん」


「え……わたくし、まだ名を名乗っていませんけど……」

「私は当たると有名な占い師ですから」



 占いで名を当てたってことか? そんなことが?

 部屋に広がっている絨毯(じゅうたん)のようなものは『(タタミ)』というらしい。

 そこにそのまま座って占いをしてくれるようだ。


 そういえば、アルフレッドが言っていたな。

 異国の国には『(タタミ)』があって、みんなそこで生活しているって。あと『囲炉裏(イロリ)』で囲っていると。


 でも、そんなものがなぜ、この大帝国の占い店に……?



「私のことが気になるようですね、ラスティさん」

「!? な、なんで……」


「ドヴォルザーク帝国のもともとは第三皇子。ですが、今は聖戦を経て皇帝の座に」


「こ、心が読めるのか?」


「これも占いです」



 そんなアホな!

 まだなにもしていないじゃないか。


 最初から俺たちのことを知っていたとしか思えないぞ。

 それとも本物なのか……?


 エドゥ以上の大賢者なのかもしれない。

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