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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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大戦斧エンデュミオン

 円環(えんかん)の舞台が崩壊していく。

 あのマキシマスの“大戦斧エンデュミオン”の威力が高火力すぎるせいだ。


 なんて馬鹿力だ……!


 建物なんて容易く破壊できるようだな。



「僕たち獣人族を(あなど)ったな、ラスティ」

「想定外だっただけさ。だけど、世界の広さを知ったよ。七つの世界には、こんな国があったなんてな!」



 このアルキメデスがどこの世界なのかも未だに分からない。

 なぜ俺たちの世界と繋がったのかも。


 でもきっと、必ず意味があるからこうなった。この戦いもきっとそうだ。


 この試練を乗り越えねば、聖女アイファを救い出すことができない。そういう運命なのかもしれない。



「七つの世界だと? やはり、伝承は真実だったか。このアルキメデスは……別の世界に飛ばされたわけだな」



 ゴォン、バコォンと地面がえぐられ、崩壊していく。

 どんどん足場がなくなっていくが、その度に俺は覚醒無人島スキルで舞台を修復。拡張しまくった。


 だが、石材の在庫がなくなれば……終わりだ。


 幸い、覚醒無人島スキルのおかげで材料の消費量は多くない。それでも限界はある。いつまで持つやらな。



「伝承だと?」

「……僕に勝てたら教えてやるさ。勝てたらな!」



 マキシマスの大戦斧エンデュミオンが俺のゲイルチュールを弾き飛ばす。



「くっ!?」



 再び武器召喚しようとしたが、なぜか発動できなかった。



「無駄だ! 僕の大戦斧の効果のひとつだ。相手の召喚武器をしばらく発動不可能にするんだ」


「なんだって……!」



 なんてこった。そんなスキル効果がある武器だったとはな。厄介すぎるぜ。

 こうなると、俺は武器なしで魔法スキルか覚醒無人島開発スキルで乗り越えるしかないわけだ。


 なんとかなるか、たぶん。



「これで終わりだ」



「いや、まだだ。武器がなくとも、俺は素手でもスキルを発動できる……! サンダーボルト!」



「……風属性使いか!」



 強烈な稲妻が走るが、マキシマスは素早く斧を振り回し俺のサンダーボルトを切り裂いた。……マジかよ!


 あんなバカデカイ斧でアッサリと!


 信じられねえ!!



 しかも多分、武器召喚がない分で威力が低下している。やはり、ゲイルチュールがないとダメか。




「諦めろ、ラスティ。降参するなら、お前だけ国外追放で許してやる」

「仲間はどうなる?」


「そこのエルフは知らん。だが、人間の女騎士は貴重だ。嫁に迎える」



「「なッ」」



 俺とルドミラの声が重なった。


 やっぱり、スコルは対象外だが――ルドミラは気に入られまくりだな。なんでだろうな、不思議すぎる。




「そうはいかない。マキシマス、お前を倒す!」


「武器召喚もできないお前に何ができるッ!」



 再び、大戦斧エンデュミオンが俺に向かってくる。まずい、これは避けられない――!

 生命の危険を感じている最中、背後から気配を感じた。



「ラスティくん、我が“聖剣”をお使いください!!」



 あ、あれは……ルドミラの『覚醒アマデウス』! そうか、その手があったか!


 くるくると宙を回転してくる(つち)


 俺はそれをキャッチした。


 そして、覚醒アマデウスで防御した。



「なッ――ハンマーだと? あの女騎士の武器か!」


「厳密にはマレットだぜ。てやあああああああッ!」



 俺は全力全開の力で大戦斧エンデュミオンをはじき返す。



「ぐうううううう!?」



 はじめて大戦斧エンデュミオンと拮抗した。さすがルドミラの武器だ。



「これで!」

「甘い。この程度で僕の大戦斧エンデュミオンは止められない!」


「なに!?」



 ぐぐぐっと押し返される。ま、まだそんな力が!

 コイツ、筋力お化けかよ。


 クソ、このままでは負ける!!


 次の瞬間には俺は場外へ吹き飛ばされるだろう。絶体絶命の大ピンチだ。……チクショウ、ここまでなのか!!



「ラスティさん!!」



 スコルの声が響く。


 だけど、これ以上は――。




『これを受け取れえええええええ、ラスティ!!』



「!?」




 またも背後に気配を感じた。


 武器が向かってくる。



 アレは、まさか――!!




「その剣でアイファを救ってくれ!!」



 俺は片方の腕を伸ばし、その剣を掴んだ。



 これは『魔剣ヘルシャフト』!!



 まさかルドミラの『覚醒アマデウス』とナハトの『魔剣ヘルシャフト』の二刀流で戦うことになるとはな!! だが、これならいける。戦える。




「ありがとう、ナハト。そして、ルドミラも!」


「そんな剣ごときで……!」



「いいや、これはみんなの“想い”だ。俺はひとりではないッ!」



 両方の武器に最大魔力を流し込み、俺はダブルスキルを発動した。



 覚醒アマデウスの『ガグンラーズ』。


 魔剣ヘルシャフトの『地獄の業火(ヘルブレイズ)』。



 混ざり合う最強スキル。

 マキシマスを瞬く間に飲み込み、容赦なく粉砕した。



「な――スキルが融合して、うわあああああああああ……!!」



 舞台に穴を穿(うが)ち、マキシマスは転落していく。【3】の義妹が彼を助けに行った。飛んでいるところを見ると、大丈夫そうだな。


 これで俺のランクは【2】へ。


 あとは王を倒すのみか。

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