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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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賢老騎士 - パラディン -

【アルキメデス:パリンプセスト城】



 城内に進入。

 そこにも“敵”は複数いやがった。

 こんなところにも獣人がいるとはな……厄介な。



「これは困りましたね」



 状況を見て身構えるルドミラ。そうだな、相手のランキングがどいつもこいつも高い。

 【184】、【161】、【145】、【132】、【106】などなど明らかに高ランクの敵が多かった。ということは実力もあるということ。


 油断すれば簡単にやられるだろう。


 対して俺は【730】とまだまだだ。


 だが、諦めるワケにもいかない。



「雑魚がなんの用だ」「人間じゃねえか!」「わざわざ奴隷になりに来たのか?」「おいおい、女騎士がいるぞ!」「やっぱり、女の人間はいいよなァ」



 ――やっぱりというか、なんというか……エルフ族であるスコルは眼中にないらしい。どういうことやらな。


 そのせいか、ルドミラなんか珍しくモテちまって……それに嫌悪を感じているのか、青ざめていた。



「……くっ。屈辱です」

「俺が戦うさ」


「すみません。代わりにスコル様はお守りしますので」


「ああ、頼む」



 俺は一気に片付けるつもりで魔力を最大限に高める。

 多分、この一撃を放てば魔力は一発で枯渇(こかつ)するだろう。だが、しかし――それでも、俺は先へ進まねばならない。


 ていうか、魔力なら回復ポーションかスコルの魔力供給で何とかなるからな!



「な、なんだ!?」「あの少年の右手が光っているぞ……」「どうせコケ脅しさ」「やっちまえええ!」「奴隷にしてやらァ!!」



 と、複数の高ランクが向かってくる。


 お前たちに構っているヒマなんぞない!



「くらえええええッ! 聖槍グングニルッ!!」




「「「「「な、なにいいいいいいいいいいい!?」」」」」




 束になって向かってきた獣人共は、俺の放つ光に驚愕(きょうがく)していた。

 白き(いかづち)は、ヤツ等の手前で炸裂し――咆哮(ほうこう)を上げた。



「ぐあああああああああ!」「ぎゃああああああ!」「ぶああああああああ!」「な、なんだこりゃああああああ……!」「そんな馬鹿なァ!!」



 それぞれ城内の壁に激突し、沈黙。

 俺のランキングは【730】→【160】と一気にアップ。


 おい、マジか。



「わぁ、さすがラスティさんです! もう100ですよ!」

「褒めてくれてありがとう、スコル」



 しかし、魔力はゼロだ。

 このまま戦闘は厳しい。

 ので、俺はスコルに世界聖書(ウルガタ)の使用を頼んだ。



「スコル、魔力をくれ」

「もちろんですっ! ソウルコンバージョン!」



[ソウルコンバージョン Lv.10]

[効果]

 体力・魔力を吸収、変換、供給可能。



 おかげで俺の魔力は全回復。

 スコルはまだ余裕がありそうだった。

 やはり、聖女の魔力は凄まじいな。



 更に広い通路を進む。


 なんだ、この廊下。やたら幅も長さもありやがる。先が見えない。


 しかも、さっきから高ランクの獣人族が待ち構えている。

 ルドミラと協力して敵を倒し、ランキングを上げていく。



 おかげで俺は【66】、スコルは変わらず。ルドミラは【280】まで上がった。



 先へ進めば進むほど貴族のような、身なりのいい格好をした男たちばかり。更に、魔法職が多くなってきた。いや、騎士クラスも僅かにいる。



「そこを止まれ、若いの……」



 ある広場で老騎士が現れた。

 大型鳥類の翼のよなデカ耳、白髪に白髭。

 異国の本にあった“仙人”みたいな老人だった。


 なんだろう、クルセイダーとかパラディンとかそういう雰囲気を感じる。



「なんだい、爺さん」

「ワシの名は“ガルマディス・ヒュッケバイン”。この城の賢老騎士(パラディン)じゃよ」



 鋭い目つきで名乗る老騎士。

 なんて重厚感のある声と態度だ。



「……いけません、ラスティくん。彼は今までの相手とは“格”が違う」

「そ、それは本当か、ルドミラ」


「ええ。あのお方は間違いなく、騎士の中の騎士。騎士王と評してもいいかもしれません」



 おいおい、戦ってもないのにそこまで評価するとはな。ルドミラほどの騎士がそう言うのだから、間違いはないが。


 しかし……ランキング【7】とはな……確かにヤベェな。



「貴公も名乗るがよい」

「そうだな――俺はラスティ。ラスティ・ヴァーミリオンだ」


「ほう。ヴァーミリオン家が“実在”したとはな」


「なに……? あんた、俺のことを?」


「かつて“世界はひとつ”だった。それだけのこと……今は勝負あるのみ!」



 ど、どういうことだ!?


 いや、考えていても始まらない。

 俺と爺さんは戦うしかなさそうだ。

 ルドミラも一緒にな。



 ランキング【7】の相手だ……こっちも超本気でいかねばな。

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