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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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獣人モンスターの奇襲

【金鉱山ダンジョン『アテン』:第三層】


 奥へ進むほどモンスターは強くなっていた。

 黄金の棍棒を持つバーバリアンという獣人モンスターが何体も現れ、コイツが厄介だった。



[ゴールデンバーバリアン]

[詳細]

 黄金化したバーバリアン。

 黄金の棍棒・ゴールデンクラブは爆炎を起こす。



 振り回してくる棍棒が爆発して、その度に鉱山が崩れていた。危険すぎるって!

 大規模落盤でも起きたら大変だぞ、これは。



 だがしかし、今の俺たちにとってゴールデンバーバリアンですら敵ではなかった。



嵐の咆哮(ストームハウル)!」



 嵐のような一閃。

 テオドールの斧スキルの一撃がバーバリアンを引き裂いた。

 アイツが鍛冶師モードで戦うのはちょっと珍しい。



「お疲れ、テオドール」

「君びおかげで、かなり戦いやすくなった。ラスティ、無人島開発スキルは万能だな!」

「いや、ハヴァマールのおかげでもある」

「うむ、そうだな。しかし、それでも助かった」



 少し奥でルドミラもバーバリアンを倒していた。スコルと共に戻ってくると、一息ついて剣を納めていた。



「装備が変わると、ここまで攻略が簡単になるのですね」



 魔力回復ポーションを飲み、スコルからヒールを受けるルドミラは安堵(あんど)していた。



「今まで武具の強化なんてしてこなかったからな」

「ええ、良い機会でした」


「このまま黄金の原因を究明する」


「はい。先頭はお任せ下さい」



 神器エインヘリャルの力が衰えているとはいえ、装備が強化されたので、さほど気にならなくなったようだ。

 おかげで安心して先を任せられていた。


 もう大丈夫だ。きっとこのダンジョンを攻略できる。



 そうして、バーバリアンを討伐しながらもアテンの奥地へ到着した。



『…………ゴゴゴゴゴ』



 鈍い音が巨大洞窟内の空間に反響していた。

 なんて禍々(まがまが)しい音だ。

 まるで地獄からの叫びに近い。



「……なんでしょう、この音」



 不安に包まれるスコルは、俺の背後に隠れて怯えていた。

 この先はいったいどうなっている。



「ルドミラ、洞窟の先は?」

「……この先は“黄金”です」


「全部黄金だけどな」

「いえ、これが“発生源”で間違いなさそうです」

「なんだって?」



 俺も先へ進むと、そこは崖というか巨大な穴になっていた。底から這い出てくる黄金の波。……こんな奥から!


 これを止めれば世界の黄金浸食は止まるのだろうか。


 ――いや、考えているヒマはないな。


 さっさと埋める。それしかないだろう。


 そんな中、隣で震えるスコルが口を開く。



「どうしましょうか、ラスティさん」

「俺の覚醒無人島開発スキルで穴を塞ぐ」


「おぉ、そんなことが可能なのですね!」



 もちろんだ。俺はさっそくスキルを発動。驚いたことに、今まで相応分の材料を消費していたが――今は違った。


 なんと材料の消費量が半分に減っていたんだ。


 どうやら、覚醒版にはそんなオマケもあるらしい。助かるぜ。


 石材をありったけ落とし、蓋をしていく。


 更に、コンクリートを生成。流しまくった。



「凄い量ですね、ラスティくん」

「覚醒無人島開発スキルのおかげさ」



 果たして埋め尽くせるかどうか。

 何時間と繰り返し、たまにスコルから魔力供給を受けて――そして、ようやくその時はきた。



 ついに穴を埋めることに成功した!



「お疲れ様です!!」

「ありがとう、スコル。やっと黄金を止めた」


「これで世界は黄金の被害に遭わなくて済むですよね!」

「たぶんな」



 ひとまず、ここから発生した黄金は止まった。これで他の領地に被害が及ぶこともないだろう。ドヴォルザーク帝国にも。



「戻りましょうか」

「そうだな、ルドミラ。帰還アイテムはあるか?」


「ええ、ドヴォルザーク帝国を出る前に確保しておきました」



 アベオの葉か。葉に書いた場所へテレポートできる。この場合は『エチェナグシア』でいいだろう。


 よし、帰還する――!

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