覚醒無人島開発スキル
[無人島開発:覚醒]
[詳細]
通常の無人島開発スキルの効果に加え、更に高ランクの防衛設備の設置が可能になる。武具の強化およびS級武具の製造も可能になる。低確率でSSS級となる。
「これが無人島開発スキルの強化版!」
覚醒効果に俺は驚いた。まだこの上があったなんてな。
「覚醒無人島開発スキル、ですか」
「ああ、スコル。そうらしい」
もし、現状の装備をS級に引き上げられれば、大幅な強化になるぞ。
俺やスコル、ルドミラ達でさえA級ランク以下の武具がほとんどだ。つまり、ここで全てのアイテムを強くすれば、今後ダンジョン内に現れるモンスターの討伐もしやすくなるかもしれない――というわけだ。
「よし、さっそくみんなの装備を強化する。まずは俺自身で試してみる」
「おぉ、ラスティくんにそのような力が備わるとは!」
「ルドミラ、お前の装備も全部S級にしてやる」
「ありがとうございます。テオドールなんかずっとオールB級なので……丁度いいです」
マジかよ。面倒くさがってそのままなんだな。という俺も武器以外はまともに強化してこなかったクチだ。そんなヒマがなかったというかね。
とにかく俺は自身の武具強化を始めた。
一定の魔力を消費すると、赤いオーラに包まれて装備を強化。全てがS級ランクに引き上げられていた。
「おぉ、成功だ!」
「やったな、ラスティ」
褒めたたええてくれるテオドールは、興味深そうに俺を見つめていた。
「実感はないが、安心感はある」
「うむ。確実に強化されているようだな」
物珍しそうに俺を観察するテオドール。鍛冶屋でもある彼が言うのだから間違いはないだろう。
さっそくスコルにも覚醒無人島開発スキルを施す。
その次にルドミラ、最後にテオドールと全てのアイテムをS級へ。
ついに強化完了。
「これならゴールデン系モンスターを余裕で討伐できるかもしれん」
「試してみましょう」
と、ルドミラは先行して再び金鉱山ダンジョン『アテン』内部へ進入していく。
そうだな、まずは戦えるかどうか様子見だ。
これでも無理なら、更なる強化をする。
先に行くルドミラを追いかけながら、慎重に前へ進む。
すると直ぐにゴールデンミノタウロスが沸いていた。強化前は、倒すのにかなり苦戦したが、今回はどうだ――?
覚醒アマデウスを構えるルドミラは、まずは“試し”で物理攻撃を与えていた。槌による一撃だった。
ドゴォッっと鈍い音が響くや否や、ゴールデンミノタウロスは紙屑のように吹き飛んで壁に激突。塵と化していた。
「――え」
呆然とするルドミラ。まさか一撃で倒せるとは思っていなかったらしい。というか、俺もスコルも、そしてテオドールもそう感じていた。
だが、現実はこれだ
「ま、まさかの一撃!?」
「そ、そのようです……ラスティくん。これは素晴らしいです!」
嬉しそうに微笑むルドミラ。
俺もここまで強化されるとは思わず、純粋に驚愕した。
その後、俺もゴールデンミノタウロスを一撃で粉砕することに成功。スコルやテオドールでさえも、一撃で討伐できてしまっていた。
S級武具ってスゲェ!!
ここまでとは想定外だ。
ハヴァマールのおかげで金鉱山ダンジョンを攻略できそうだ。そして、この黄金の秘密を解き明かせそうだぞ……!




