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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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降り注ぐ溶岩の嵐『ラヴァストーム』

 物理攻撃でゴールデンミノタウロスを撃破していく――はずだった。


 ゴールデンピックアックスで俺の攻撃を防ぎ、反撃してきやがった。おい、マジかよ……! このモンスター強い。



『ヌオオオオオッ!』



 咆哮(ほうこう)を上げ、凄まじい斧攻撃を繰り返してきた。俺はその度に防御(ガード)を繰り返し、なんとか受け流した。



「……っ!」



 なんて重い攻撃だ。そこらにいるミノタウロスより強いぞ。



助太刀(すけだち)いたします!」



 ガンッと鈍い音がする。ルドミラが黄金の槌・覚醒アマデウスでヤツをブン殴った。

 攻撃は確実に命中していたが、決定打ではなかった。……ダメか!


 どうするか思考をフル回転させていると――。



 ゴールデンミノタウロスがスキル『ラヴァストーム』を発動し、ゴールデンピックアックスを振り回した。


 溶岩の嵐が周囲にまき散らされてる。これやヤベェ!


 俺は直ぐに材料『石材』を使用。

 石の壁を生成して、みんなの前に石壁を建てた。


 溶岩が壁に激突して、グツグツと煮えていた。赤くなってるな。



「こ、怖いです……」

「スコル! 俺のそばを離れるなよ」

「は……はい」


 なかなか凶悪なスキルを放ってくるな。

 あんなモンを喰らったら死ぬな。



「た、た、助かったのだ……兄上」


 ぶるぶる震えるハヴァマールは、石壁に背を預けて震えていた。



「ああ、さっきのは危なかった。ルドミラとテオドールも大丈夫か?」



 視線を送るとルドミラはサムズアップ。テオドールはニカッと笑っていた。ケガはないようだな。

 さて、こうなると一気に畳みかけるしかない。


 次にラヴァストームを使われたら、一帯が溶岩まみれになって大変だぞ。



「どうしますか、ラスティくん」


 少し焦りながらも俺に指示を仰ぐルドミラ。……そうだな、ここに留まっていても仕方ない。



「ルドミラは、テオドールとハヴァマールを援護してやってくれ。いったん後退し、立て直してくれ。俺は、スコルと共に対処する」


「解かりました! 無茶はなさらず!」



 三人は出口の方へ後退。

 俺は、スコルを連れて石壁を作りながらも距離を取っていく。


 ひとまず、ラヴァストームの射程外には来れたかな。



『…………』



 ゆったりとした足取りで俺たちを探すゴールデンミノタウロス。こんなモンスターが棲息していたとはな。



「この金鉱山のモンスター…つ、強いですね」

「そうだな、スコル。俺もここまでとは思わなかった」



 金鉱山ダンジョン『アテン』……これほどとは。

 黄金の影響とはいえ、ここまで強化されるのか。いったい全体どういう理屈なんだかな。


 正直、ここまで苦戦を強いられるとは思わなかった。

 このままでは金山の調査どころではない。


 いったん撤退して立て直すか。



「魔法スキルも効かないんですよね……?」

「そうらしい。となると、今の俺たちに勝てる見込みはないかもしれない」


「どうすれば……」


「でも、諦めるつもりもないよ。きっと方法があるはずだ」


「そうですよね! きっとラスティさんなら倒せます」



 スコルは俺を励ますように言った。そりゃ嬉しい。

 だが、倒す方法か……うーん。


 うん。


 やはり、こんな時は!



「スコル、世界聖書(ウルガタ)で使えそうなスキルはあるか?」

「なるほど! そうですね、今使える中では……真の赤き竜(グラン・グリモワール)でしょうか?」



 改めてスキルの効果を見せてもらう。



 ⑤真の赤き竜(グラン・グリモワール) Lv.10

  堕天使ルシフェルの力。

  対象に強制的な状態異常『超沈黙』を与え、スキルの使用を不可能にする。対象に『超猛毒』を付与する。数秒毎に大きなダメージを受ける。

  対象を状態異常『詠唱遅延』を与える。詠唱時間が三十秒追加される。

  対象を状態異常『メンタルブレイク』にする。全てのステータスが半減する。



 ふむ、これならイケるかもしれないな!

 状態異常を与えるものだし、世界聖書(ウルガタ)の力だからな。

 ただし、魔力使用量は高い。そう何度も使える代物ではないだろう。だが、今目の前にいる一体くらいなら撃破できるだろう。



「よし、それだ! スコル、頼むぞ!」

「了解です!」



 スコルは『真の赤き竜(グラン・グリモワール) Lv.10』を発動した――。

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