金鉱山ダンジョン『アテン』
またアルケロンの世話になるな。
一時間なら、のんびりしていれば直ぐだ。
小屋へ戻り、後はテオドールに移動を任せた。
「では、アルケロンに指示を出す。目指すは金鉱山ダンジョン『アテン』だ」
「頼むぜ」
ゆっくりと歩き始めるアルケロン。あとは到着を待つのみだ。
◆
【金鉱山ダンジョン:アテン】
一時間後、予定通りに金鉱山ダンジョンに到着。
「ここが……」
「みたいですね、ラスティさん。ちょっと寒いです」
少し風が冷たい。そのせいか、スコルは小さく震えていた。マントを生成し、すぐに被せた。
「これで暖かいだろう」
「はい、ぽかぽかします。ありがとうございますっ」
自分とハヴァマールの分も作った。テオドールも欲しいらしく製造。だが、ルドミラだけは不要と断った。どうやら、あの騎士の格好にプライドがあるようだ。ビキニアーマーで寒くないのだろうか……けど、無理強いはできない。
「無茶はするなよ、ルドミラ」
「大丈夫です。鍛えていますので」
風邪を引かないといいのだが――今更か。
さて、さっそく鉱山へ入る。
目の前には巨大洞窟のような出入口があった。
鉱山は塞がれておらず、かといって崩落している様子もない。
さっそく中へ進入していく。
内部は、きちんとダンジョンになっているようだ。
ゴツゴツとした地面が続き、少し歩き辛い。
岩と砂のニオイ。そして、僅かな臭気。カビか何かだろうか。あまり留まっていたくはないな。
「モンスターのおでましなのだ!」
少し歩くとハヴァマールが戦闘態勢に。風属性魔法ライトニングボルトを放ち、敵に先制攻撃。
――しかし、敵はまったくダメージを受けていなかった。
お、おい……ウソだろ。
てか、あのモンスターはいったい……?
金色のミノタウロス!?
[ゴールデンミノタウロス]
[詳細]
工事帽子とつるはしを持つミノタウロス。黄金の影響で金色。通常のミノタウロスよりも強く、ゴールデンピックアックスの攻撃は10倍アップしている。
『――グゥゥゥゥゥ!』
怪物の唸り声をあげるミノタウロスは、ゴールデンピックアックスをハヴァマールに向けていた。
俺は直ぐにゲイルチュールを取り出し、敵の武器を弾いた。
「うおらッ!」
辛うじてハヴァマールを助けだせた。
「……うおっ! 兄上、すまぬのだ……!」
「気にするな。お前はスコルと共にルドミラの後方へ」
「了解なのだ!」
そんな間にもゴールデンミノタウロスの激しい攻撃が続く。……マジか、なんて攻撃速度!
ガンガンと打ち付けるように攻撃を繰り返してくるミノタウロス。強引だな!
無人島開発スキル『落石』を起こし、敵の行動を鈍化させた。この隙に更に『サンダーブレイク』を放ち、ダメージを与えた。……僅かだが。
「ラスティ! ゴールデンミノタウロスは、魔法耐性が高い。魔法は使わない方がいい!」
と、テオドールが叫ぶ。
「マジか!」
どうせなら早く教えて欲しかったがな。
けど、ならば……ゲイルチュールではなく、+10覚醒ヴェラチュールの方が良さそうだ。
形状を変化させ、槍に変更。
ヴェラチュールなら、高火力で攻撃が可能だ。
これで倒す!




