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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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黄金のオオカミ

 エチェナグシアを去ろうとした、その時だった。

 巨大な黄金のオオカミが現れ、ルドミラに襲い掛かっていた。



『グルルルゥゥゥ…………!』


「――ッ!」



 な、なんだありゃ!

 この前の狐モンスター『ラピス・ラズリ』並みに大きい。あんなデカいオオカミが存在するのか!


 いや、また未知のモンスターだ。



[ゴールドファング]

[詳細]

 本来はシルバーの毛並みで『シルバーファング』という名前だが、黄金の影響によってゴールドファングとなった。

 聖属性攻撃『ムーンアサルト』に注意。



「あ、あのオオカミさん。金色の毛ですね……!」

「ああ、スコル。あれはこの世界のモンスターではない。気をつけろ」


「は、はいっ」



 ルドミラは、(つち)武器である『覚醒アマデウス』を巧みに使い、ゴールドファングの牙攻撃を防御(ガード)


 そして、珍しいスキルを放っていた。



「ギルファギニング!」



[ギルファギニング]

[効果]

 聖騎士専用 / ハンマー系武器限定スキル。

 漆黒の烈風を起こし、敵に魔法ダメージを与える。対象は強烈なノックバックを受け、状態異常[スタン]になる。



 真っ黒い風がゴールドファングに激突。

 オオカミは激しく弾かれて飛ばされていた。あれがノックアバック効果か。更に、スタンになって動けずにいた。


 さすがルドミラ。衰えているといいながらも、あの未知のモンスターを圧倒していた。


 しかし、ゴールドファングはターゲットをルドミラから、ハヴァマールへ変えていた。……おい、ウソだろ!




「な、な……余ぉ!?」

「逃げろ、ハヴァマール!」



 よりによってハヴァマールは、少し離れた場所にいた。しかも、涙目になって腰を抜かす。オオカミの威圧感に圧倒されたようだ。



「…………む、無理なのだ。怖すぎて……」



 恐怖に支配されたか。このままでは噛み殺されるぞ!


 ここは俺が何とかするしかに。


 無人島開発スキルで緊急の柵を作って隔離する。



「これで守るッ!」



 ハヴァマールとゴールドファングの間に、柵を建てた。これで襲われる心配はなくなった。よし、上手くいった。



「助かったのだ、兄上!」

「安心するのはまだ早いぞ!」



「え」



 ゴールドファングは、まだ諦めていなかった。

 更にターゲットを変えて


 今度はテオドールの方へ。

 だが、彼は自分を守る術を持っている。モンスターの専門家でもある。きっと凄いスキルを見せてくれるはずだ。



「仕方ない。私がなんとかしよう!」

「頼むぜ、テオドール」



 今日は『テイマー』として戦うようで、ペット召喚をしていた。

 彼の周囲に次々に現れる『ロートスライム』。

 あれは島国ラルゴや、他の草原にも棲息する一般的なスライムじゃないか。


 ――いや、まて。


 あのスライム、大きいぞ…………!?



[キングロートスライム]

[属性:水]

[種族:植物]

[詳細]

 ロートスライムの王様。

 通常のスライムより強く、体力が非常が高い。

 水属性魔法ウォーターボール100連発に注意。



「こいつを使うが来るとはね……!」

「テオドール、ボスモンスターをペットにしていたのか!」


「そうとも。コイツならば、ゴールドファングと戦える」



 巨大なキングロートスライムは、すでに膨大な魔力を漂わせていた。まさか、こんなペットを飼っていたとは。これなら勝てるか……!?

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