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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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世界聖書に記された黄金の聖女

 スターバトマーテル城内のバルコニーにスケルツォの姿があった。

 あんなところで街並みを見つめていて、どうしたのやら。


「帰ってきたぞ、スケルツォ」

「おや、ラスティ様。それにスコル様。そして、ルドミラとエドゥ様も」


 それぞれに挨拶を交わし、スケルツォは聖母のように微笑んだ。

 美しすぎて絵画になるレベルだ。


「知っているとは思うが――」

「ええ、ご存じですよ。“黄金”ですね」


 全くもってその通りである。

 言われなくとも、スケルツォは理解しているようだった。ここまで噂になっていれば、知らぬ存ぜぬというわけにもいかないよな。


「話が早くて助かる。今、シベリウスに頼みマップを調達してもらっている。エチェナグシアのね」


「エチェナグシアですか。北にある領地ですね」

「レイナルド伯爵に泣きつかれてね」



 俺は、島国ラルゴであったことを事細かく説明。スケルツォは直ぐに理解を示し、今度は真剣な眼差しを俺に向けた。



「世界は今、危機的状況にあります。このままでは滅茶苦茶になるでしょう」

「どうすりゃいい」


「原因は『黄金の聖女』で間違いないでしょうね」

「知っていたのか」


世界聖書(ウルタガ)に記されていましたから」

「そ、そうだったのか!」


 俺、世界聖書(ウルガタ)の中身をまともに読んだことがないからなぁ……。


 アレ、てか。


 聖書は“エルフの聖女”しか読めないはずでは?



 俺はスケルツォを凝視。すると、気づいたのか「以前、スコル様に翻訳して戴いたのです」とサラリと言った。いつの間にそんなことを。



「じゃあ、スコルは『黄金の聖女』のことを?」

「あ、えっと……その、スキルのアカシックレコードで見ました。でも、わたしにはよく分からなくて」


 しょぼんと肩を落とすスコル。そんな気を落とさなくても。


 そうか、世界聖書(ウルガタ)に記されていたとはな。

 アカシックレコードで過去・現在・未来が見通せるとはいえ、凄いな。てか、未来を視ればこの世界がどうなっているか解かるんじゃ……?


「ラスティ様。未来は常に変化するもの。そうなるとは限らない」

「俺の心を読むなって、エドゥ」


 この大賢者様には敵わんな。

 でもそうだよな。

 未来なんて誰にも解からない。



「とにもかくにも、エチェナグシアへ調査しに行くしかないでしょうね」

「そうだな。スケルツォ、引き続きドヴォルザーク帝国を頼むよ」

「はい。それがわたくしの使命でございますから」



 これで後はシベリウスを待つだけ――お、来たか。



「待たせたな、ラスティ! マップを持ってきたぜ」

「仕事が早いな」


「俺はもともと門番だったからな。こういう雑用はお手の物だぜ」



 そこ、威張るところだろうか……?

 まあいいや。


 シベリウスのおかげで北側のマップを手に入れた。これでエチェナグシアへ向かえるぞ。



 ……って、このマップおかしいぞ。



「シベリウス、これは……」

「ん――え?」



 マップには基本的に魔法が施されているから、世界と同期しているようだ。つまり、世界の状況がそのまま反映される仕組み。

 この北限定マップも、北に特化したものだが――とてつもない違和感があった。


 第三皇子時代、俺は暇さあれば世界マップを眺めていたから、解かるんだ。



知らない国(・・・・・)があるぞ」


「な、なんだこりゃあ!?」



 さすがのシベリウスもマップを見て驚いていた。


 やはり、七つの世界が……!

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