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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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旅立ち前の露天風呂 - 禁断の混浴 -

 城内には俺の作った大浴場がある。

 露天風呂もあれば、ジェット付きの浴槽もある。お風呂にはかなり力を入れていた。


 俺は一人、脱衣所へ向かった。


 たまにはソロでゆっくりと入浴もいい。


 不思議なくらい誰かとすれ違うことなく脱衣所へ。

 俺はさっそく服を脱ぎ、衣服をカゴの中へ放り込んだ。

 腰にタオルを巻き、浴場へ。


 湯気が立ち込め、視界が悪いな。

 気にせず、まずはかけ湯をして体を清めていく。

 そして、さっそく露天風呂へ。


 岩で囲われた風呂には、お湯が張られている。

 足をつけ、程よい温度を確認。

 ゆっくりと腰を下ろして――む。



「…………?」



 なんだか人の気配を感じるような。

 真っ白な湯気のせいで、ほとんど何も見えないが……そこに誰かいるような。


 いや、まさかな。


 今この風呂には俺だけのはず。



「え……あの、そこにいるのラスティさんですか?」



 可愛い声がした。


 ――って、この声は明らかにスコル。


 いるのか……そこに!



「そ、そうだけど。スコル……だよな」

「はい、わたしです。あ、あのあの……今日って混浴の日でしたっけ」



 明らかに動揺しているスコル。声が震えている。

 という俺もそこに裸のスコルが温泉に浸かっていると思うと、鼓動が加速した。


 幸い、湯気で何も見えないが――いや、どうせなら見えていた方が嬉しいけど。


 いやいや、なにを考えているんだ俺は。



「ち、違うよ。すまん、俺の判断ミスだ」



 というか混浴の日なんて作った覚えがないんだが。いったい、誰がそんな日を制定したんだ!?


 このままではマズイと判断した俺は、温泉から出ようとした――が。



 誰かが俺の腕を(つか)んだ。



「お待ちを」

「え、スコル!? ん、違うな」


「私ですよ、ルドミラです」

「なに……! お前も温泉に入っていたのかよ」


「ええ。まあ、スコル様と共に入っていました」



 そうだったのか。二人もいたとは……余計にマズい。このままでは俺が倒れる。

 なんとか脱出しようとしたのだが、ルドミラが俺の腕を掴んだままだった。……逃げれない。



「は、放してくれないか、ルドミラ」

「せっかくの温泉ではありませんか」


「だ、だがな」


「明日にはドヴォルザーク帝国へ戻るのでしょう? では、我々と共に温泉に浸かりましょう」



 素晴らしい提案だが、俺の身が持つかどうか。

 ……まあいいか。

 湯気によってほとんど見えないし。



「兄上がおるのだ!?」

「!? ……ハヴァマールもいるのか」


「おぉ、兄上! 温泉は最高だなぁ~」

「あ、ああ……そうだな」



 スコル、ルドミラだけではなかったのかよ!

 まさか、ハヴァマールまでいるとは。


 ということは……!?



「ラスティ様……わ、わたくしの裸を見ないでくださいまし」

「ストレルカ!」



 やっぱり、ストレルカもいたのか。いや、見えないけどね?


 となるとエドゥもいるのか?



「呼びました?」

「って、うあああああああああああ!」



 いつの間にか俺の体に張り付いていたエドゥ。密着されていた。

 肌の感触だけは伝わってきて、俺はどうにかなりそうだった。……こ、これは耐えられんぞ。


 エドゥめ、テレポートしてきたなッ!


 これで女子は全員集合である。



 直後、風が吹いて湯気が吹き飛んでいった。視界が良好になり、露天風呂にはみんながいた。微かな湯気で肝心な部分は隠れている。いるが、これは……刺激が、強すぎるぞ。


 思わず右手で顔を覆う俺。


 もうこれ以上見たら、鼻血を噴水のように噴く自信がある。



「エドゥさん、そこはダメです……!」



 ぷんぷんと怒るスコルは、俺からエドゥを引きはがしていた。


 隣に座るスコルは腕で胸を隠していた。けれど、大きな谷間が眼下に――ぐっ、直視してしまった。


 体がマグマのように熱くなっていく……逆上(のぼ)せそうだ。



「……………ッ」

「ご、ごめんなさい。ご迷惑でしたよね」

「いや、嬉しいよ」


「よかった」


 安心したのか、スコルは微笑んでいた。

 俺は右手で顔を隠している状態だが、やはり男として避けられない状況だった。結局、指の隙間から覗いていたわけだが。


 ふーむ……ルドミラもなかなか。



「どうかしましたか、ラスティくん」



 バレていたか。

 ……自重しよう。


 (まぶた)と指を閉じ、俺は闇に身を委ねた。



「兄上ぇ~!」

「ハヴァマール! く、くっつきすぎだろ!」


「兄妹なのだ。いいではないかっ!」



 そ、それはそうだけど……!

 スコルも負けじと密着してくるし、もうお手上げだ。


 このまま温泉を楽しもう――。

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