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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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各地で黄金化するモンスターたち

 井戸を覗きに行くと、それよりも先に住人が俺に殺到。



「ラスティ様、ありがとう!!」「水が戻ったよ」「これで普通に生活できるわぁ~」「井戸が使えるようになってよかった」「さすが島国ラルゴの主だ」「やっぱり、水がないと不便だからねえ」「マジで助かった!」



 感謝の声が上がっていた。

 つまり、井戸は復活したということだ。


 直接見るまでもなさそうだな。



「水源は元に戻ったようですね」

「そうだな、スコル。これで水源調査は終了だ」



 しかし、まだいろいろ疑問は残っている。

 コルキスが原因でなかったのなら、別の誰かが悪さをしていたということだ。


 そもそも、山へ入る前に出現したゴールドスライム。

 思えばあんなモンスターは、この島国ラルゴにはいなかった。


 どこから沸いて出てきたんだ……?




 再び城へ戻ると、なぜか門の前にテオドールの姿があった。いつもの錬金術師の衣服に身を包み、黒髪を(なび)かせていた。

 なぜそんなカッコつけてんだか。



「待っていたよ、ラスティ」

「こんなところでどうした?」


「君の帰りを待っていたのさ。おぉ、スコル様もいるのか。都合がいい」


「どうやら長くなりそうだな。中で聞こうか」

「そうだね。広間で話そう」



 城内へ向かい、そのまま広間へ。

 中へ入るとアルフレッドがすでに紅茶を用意していた。


 準備が良いな。いや、良すぎだ。



「おかえりなさいませ、ラスティ様」

「もうセットしてあるのか……」


「気配を感じましたので直ぐに準備をいたしました」


 さすが俺の執事。

 気配を察知しただけで、ここまでしてくれるとは。



「ありがとうございます、アルフレッドさん」

「いえいえ、スコル様」



 まずは紅茶を一杯いただき、そしてテオドールに改めて聞いた。



「それで、話しとは?」

「うむ。困ったことに世界各所のモンスターが“黄金化”しているんだ」


「黄金化……だって?」


 ま、まさかゴールドスライムのようなモンスターが続出しているのか。


「ああ、エドゥから報告でね。ドヴォルザーク帝国の世界ギルドでも情報が出回っている」

「そうだったのか」


「冒険者の間でも動揺が広がっていてね。あんなモンスターは強すぎて倒せないと」



 あまりの強さに帰らぬ人となった冒険者もいるようだ。

 各地でそんなことになっていたとはな。


 これは『黄金の聖女』に関わる問題なのだろうか。


「俺にどうしろと」

「君は皇帝だからね。なんとかして欲しい。私の商売もあがったりで困っている」



 そんな問題になっていたとはな。

 こりゃ、久しぶりに帝国へ戻る必要もありそうだな。


 しかし、今はまだ島国ラルゴを見守りたい。

 防衛力強化も図らねば。



「解かった。もう少し考える」

「頼むよ、ラスティ。私も喜んで協力するから」


「そりゃ頼もしいな。ぜひ頼む」


「では、私は嫁の元へ」



 相変わらず三人の嫁さんと仲良くやっているようだった。

 テオドールは広間から去り、入れ替わるようにしてルドミラが。



「ラスティくん! 黄金のモンスターが!」

「お前もかっ」


「え」



 どうやら、黄金化したモンスターが増えまくっているみたいだな。一度、エドゥを派遣して調査してもらうか。

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