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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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無人島開発スキルで山小屋を設置!

【アルゴナウタイ:頂上付近】


 果てしない山道を登り続け、ついに頂上が見えてきた。

 ここまで半日を要した。

 日が傾き始めているし、それにみんな疲れている。今日は野宿だ。



「みんな、今日はここで休む。明日の朝にコルキスと戦う」



 スコルもストレルカも、そしてシオンもその場に崩れていた。さすがに歩き疲れたようだ。

 俺も足がガチガチのボロボロ。

 このまま戦っても敗北しかないだろう。


 先を急ぎたい気持ちもあるけれど、今晩は休む。


 頂上へ続く道の前にある平地がよさそうだ。

 無人島開発スキルで『小屋』を建てた。



「す、凄い。小屋が一瞬で……こんなスキルがあるんですね」



 俺のスキルに感動するシオン。

 滅多にないというか、俺にしかない特殊スキルだからな。


 木材と石材を消費したが、問題ないレベルだ。



「風呂とトイレ込みだ。自由に使ってくれ」

「さすがラスティさんですねっ!」



 スコルに褒められながらも、小屋の中へ。

 以前、ポーションダンジョンで作ったものと同じタイプだが、今回サイズ感は小さめ。さすがに山頂では仕方ない。


 が、四人は余裕で寝泊まり可能な空間があった。


 思ったよりは上手く作れたな。



「こ、これは……普通の家と遜色(そんしょく)ありませんね!」

「シオン、自分の家だと思って使ってくれ」


「いいんですか?」

「いいとも。同じパーティなんだから」

「ありがとうございます。まさか、登山でこんな快適な生活が送れるとは思いませんでした」



 今後この小屋は『山小屋』として固定で設置しておくのもアリだろうな。

 だから今回は撤去することはない。



「では、わたくしはスコルさんと晩御飯を作ります」



 ストレルカは腕をまくり、やる気満々だった。

 いいね、こういう山で食う飯は美味いだろうからな。

 一応、食材もアイテムボックス内に入れておいてよかった。



「解かった。保管庫に食材を移しておくから好きに使ってくれ」

「ありがとうございます、ラスティ様」



 料理は任せ、俺は木製の椅子に腰かけて一息つく。

 シオンも向かいの席に座り、話しかけてきた



「あの、ラスティさん」

「ん?」


「……黄金の林檎(アムブロシア)のことですが」


「ああ、君に譲るよ」

「いいのですか? あのアイテムは秘宝で、滅多に入手できないと言われています」

「弟さんの治療に使ってくれればいい」


「こんな見ず知らずの冒険者に優しくしてくれて……大変嬉しく思います」



 涙目になるシオンは、嬉しかったのか喉を詰まらせていた。

 病弱な弟の病気を治す。

 そういう為なら、どんどん使って欲しい。


 それに俺の目的は、島国ラルゴに『生活水』を取り戻すこと。

 おそらく、コルキスというドラゴンが()き止めているに違いないんだ。



「ところで、シオンは島国ラルゴの住人かい?」

「いえ、私は北大陸にある『ギンヌンガガプ』という国から来ました」


「ギンヌンガガプ……?」



 聞いたことがないな。

 そんな国が存在していたかもどうか。


 ――いや、最近は連合国ニールセンの崩壊があったり、世界情勢は常に流動的で不安定。


 新しい国が出来てもおかしくない時代だ



「雪国なんですけどね。常に真っ白で、でも街中はとても落ち着いていて楽しいところですよ」


「へえ?」


「しかも大迷宮の地下ダンジョンもあるんです!」



 どうやら、そのダンジョンの上に街があるのだとか。


 それは面白そうだな。

 ギンヌンガガプか、いつか行ってみたいものだな。



 しかし、北大陸ともなるとかなり遠いぞ。

 よくこの島国ラルゴに来られたものだな。

 船旅なら半月は掛かるはず。


 それとも、転移スキルで来たのだろうか。そんなところだろうね。



 話はさらに弾んで、シオンが十八歳でお姉さんであることも判明。俺より年上だったとは。

 そうは見えなかっただけに驚いた。

 そして、更に驚くべきことが判明した。



「――え、それって」

「うん、そうなの……。多分あれは」

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