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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
黄金の聖女編(最終章甲)

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水属性使い令嬢の水源調査

 街中のアイテムショップの近くにある井戸。

 そこを覗いた。


 中は空っぽで水一滴もなかった。


「……な、なにもない」

「どうしてこんなことに」


 俺の隣で一緒になって井戸の中を覗くスコル。ストレルカも不思議な顔をしていた。



「水源が枯れてしまったのでしょうか」

「どうだろうな。俺の無人島開発スキルでは【異常】と表示されている」


「……それでは何か別の原因が」

「その可能性は高い。ストレルカ、調査を頼めるか」


「解りました。わたくしのオケアノスならばきっとお役に立てるかと」



 帝領伯令嬢で召喚士(サモナー)

 水属性魔法を操り、船まで操れる万能令嬢。

 彼女には何度も助けてもらっている。

 今回のことは専門であるストレルカに任せようかな。



「なら、結果を待つか」

「はい。そんなにお時間は取らせません」



 美しい水色の魔法陣が地面に現れ、そこから召喚されるオケアノス。相変わらず、筋肉ムキムキのイケメンである。


 オケアノスは、井戸の中へ飛び込んでいく。行動が早くて助かるな。


 多分きっとストレルカを通して会話を聞いていたのだろう。


 井戸の底へ着地したらしい大精霊は、更に奥深くへ溶け込んでいく。へえ、あんな風に地下へ潜れるんだな。


 あれなら『水源』を調査できるわけだ。



「……す、凄いですね、ストレルカさん」

「ありがとうございます、スコルさん」



 それからストレルカは“瞑想”に入った。

 どうやら、オケアノスを通して水源を調査している様子。こりゃ、邪魔しちゃ悪いな。

 そんな中で事件は起きた。



『ドオオオオオオオオオオオオオオ…………!!』



 そんな破壊音がアイテムショップの方からして、俺は振り向いた。

 すると、そこにはイノシシモンスターが一体。


 バカデカイ黄金のイノシシだった。


 アレはボスモンスターの『グリンブルスティ』じゃないか!

 以前倒したが、再び出現したか。



「うああああああ!」「助けてくれ!!」「なんでモンスターが!」「滅多に降りてこないのに……」「冒険者はいないか!」「こんな凶暴なの倒せるかって!」「やっべ、逃げろぉ!!」「ちょ、こっちくんな!!」



 大暴れのグリンブルスティ。

 まてまて、こっちに来るじゃない。


 今、ストレルカが水源の調査をしているんだぞ!!



「仕方ない。俺が出る。スコルは、ストレルカを守ってやってくれ」

「了解です!」



 ゲイルチュールを武器召喚して俺は、突撃。

 高速で走ってハイジャンプ。


 宙を舞い、建物を破壊しまくっているグリンブルスティの頭上に(つち)を振り下ろす。



「うおおおらああああ、サンダーボルトッ!」



 ずごぉんと稲妻が拡散するや否や、イノシシは白目をむいて気絶。ぶっ倒れた。



『ズドォン……』



 とんでもない地響きだ。

 この二階建て並みのサイズ。バケモノすぎるだろう。


 いつの間にこんな成長したんだか……!



「おおお! さすがラスティ様」「主が最強とか安心だよな」「あのモンスターを一撃で!」「強すぎて笑うしかない」「皇帝になった男は違うな」「ありがとう、ラスティ様」「島国ラルゴ万歳!」



 ふぅ、とりあえず人的被害はなさそうだ。


 ストレルカの方は……?

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