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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

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お前を封印する

 エドゥの魔法スキルによって吹き飛ばされたシックザール。その際だろうか、ヤツは本を地面に落としていた。



 こ、これは……!



 この赤い本は『赤色閃光の聖書プロキシマ・ケンタウリ』ではなかろうか!


 まてよ、これは対象を“封印”できる恐ろしき聖書。これを使ってシックザールを封印すればいいのでは……!



「ラスティ、お前それ……」



 ナハトは赤い本に釘付けだった。

 彼もこの聖書の恐ろしさは理解している。

 コイツを使えば安全にアイツを世界から排除できるはずだ。



「これを使う」

「ヤツを封印するんだな!」

「そうだ。それしかないだろう」



 ヤツを捕縛できるのはエドゥだけ。ならば、その隙に封印するしかないだろう。



「では、自分がシックザールを抑えつけます」

「頼んだぞ、エドゥ!」



 ヤツが飛んでいった方へ向かうと、倒れているシックザールを発見。だが、ヤツは直ぐに立ち上がり白銀の渦を巻いて逃げ出していく。


 逃がすかよ!!


 もちろん、エドゥが『ソウルテレキネシス』を発動してシックザールの動きをガッチリ止めた。まるで石化したみたいに動かない。……スゲェな。



「…………なッ! 大賢者が!!」

「シックザールよ、自分のスキルから逃れることはできません」


「エドゥアルト、お前だけは……お前だけは厄介この上ないッ! 全ての世界に干渉し、なにがしたいのだお前は!!」


「世界の秩序を守る為です」



 よく分からないが、これでヤツを封印できる。



「感謝するぜ、エドゥ! そして、赤色閃光の聖書プロキシマ・ケンタウリを使う!!」



「――なッ! ラスティ、なぜお前がそれを! ……しまった、吹き飛ばされた衝撃で落としたか……」



 今になって気づくシックザールは焦っていた。

 身動きもできないから逃げられない。

 これで終わりだ……!




「お前を封印する!!」

「や、やめろおおおおおおおおおおおおお!! 私を封印すれば世界は……世界は終わるぞ!!」



「そうは思えんな! 本の中で大人しくしていろ!!」




 赤色閃光の聖書プロキシマ・ケンタウリのページがめくれ、赤い閃光を放つ。赤い腕がニョロニョロと生えてくると、それはシックザールに絡みついた。




「馬鹿共が! なぜ気づかん。私を封印しても意味はないと!」

「悪あがきを。さっさと封印されやがれ」


「……くッ。ラスティ、お前に忠告しておく! このままトロイメライを建てなければ、やがて世界はお前に牙を剥くな!!」


「そんなワケねえだろ。とっとと消え失せろ」



 魔力を込めると加速度的にシックザールは引っ張られ、ついに赤色閃光の聖書プロキシマ・ケンタウリの中へ引きずり込んだ。




「おのれええええええええええええ…………!!!」




 パタンと本が閉じた。

 これでシックザールは封印完了。


 ……終わった。




「よくやってくれた、ラスティ!」

「いや、ナハトやエドゥのおかげさ。俺一人では無理だった」



 エドゥの頭も()でて褒めてやった。嬉しそうに微笑む。たまにこういう顔するからキュンとくるものがある。



「…………褒められて嬉しいです」

「そりゃよかった。よし、城へ戻ろう! スコルとルドミラを待たせているんだ」


「ルドミラちゃん、来ているんですね」

「ああ、帰ろう」



 これで今度こそ、今回の事件は終わりだ。

 早急にドヴォルザーク帝国にも伝えねば。

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