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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

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星の巨大塔トロイメライ - 最果てのダンジョン -

『……さん』


 誰か知らないが俺を呼ぶ。

 誰だろう、この(なつ)かしいような声。


 てか、まて。

 俺はさっきまでシックザールと戦っていたはず。


 なのになぜ、俺はこんな知らない場所にいるんだ……?



 ここは、どこなんだ――?



 俺は見たこともない“巨大な塔”の前に立っていた。……こ、これは!

 見上げても塔は雲を突き抜けていて、テッペンを目視できない。なんて高さだ。こんな塔がこの世界にあったか……?



「あの、大丈夫ですか?」

「へ」


 隣に視線を合わせると、そこには知らない銀髪の少女がいた。


 あれ、この人って『世界ギルド』の受付嬢さんでは。



「疲れました? ヒールしましょうか?」

「えっと……キミ、受付嬢さんだよね……」


「はい? なにを言っているんですか、ナハトさん(・・・・・)



 そう呼ばれ、俺は頭が混乱した。


 ナハト?

 なぜ、俺をそう呼ぶ?



「まて。ナハトってナハト・クライノートか……?」

「そうですけど。もしかして寝ぼけてます~?」



 少女は屈託(くったく)のない笑顔で微笑む。なんて可愛らしい。なんだか、声も仕草も、その体型すらもスコルに似ていて違和感がないというか、昔から一緒だったような錯覚に陥った。


 ああ、そうか俺は彼女と旅をしていたのかもしれない。


 ナハトの記憶が流れ込んでくるような……でも、なぜ。


 これはシックザールのスキルなのか。

 それとも聖書のなせる業なのか。


 どちらにせよ、俺はこの塔へ向かわねばならない――そんな気がしていた。



「トロイメライか」

「そうです。わたしたちはこの塔の頂上を目指すんです。その為に、ナハトさんはトレジャーハンドを使って、たくさんのレアアイテムを確保しました」



 確かに、今身に着けている装備は高級なものばかり。しかも、彼女の武具すらもSSS級で固められていた。凄いな、こりゃ。


 ちょっとしたボスモンスターなら、一撃で倒せるはず。


 そして、予想通り『魔剣ヘルシャフト』が収められている鞘が背中にあった。



 なるほど、今は俺はナハトらしい。

 そして、この少女こそが黄金の聖女『アイファ』で間違いない。



 スコルと瓜二つじゃないか。

 ただし、彼女の種族は人間だ。


 一方のスコルはエルフ族。

 種族の違いだけはあった。



 もしもスコルが人間族だったのなら、こんな感じなのだろうな。いや、ほとんど変わらんけど。



「えっと……アイファ」

「やっと思い出してくれたんですね。そうです。わたしはアイファです」


「そのさ、俺たちなんで塔を登るんだっけ……」


「忘れちゃったんですね。その……思い出すの辛いですけど、わたしの両親とナハトさんのお父さんが殺されたんです」



 …………!


 そうだったのか。

 ナハトのことは聞いていたが、そんなことが――。



「すまん」

「謝る必要はありません。悪いのはこの塔を建てた星帝シックザール。彼は世界をも壊そうとしています。力を合わせて止めなければ……」


「そうだな。向かおう。塔の(いただき)に」



 俺とアイファは、トロイメライの頂上を目指してダンジョン攻略を進めた。


 この上にいるのか……シックザール!

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