表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

443/579

魔王の生み出した大蛇ミドガルズオルム

 世界ギルドを立ち去り、シックザールではなくスケルツォの気配を追う。アイツの魔力なら(とら)えられる。


「……!」


 既に膨大な魔力が漂っていた。これだ。これは間違いなくスケルツォたち。テオドールとナハトも戦っているはず。


「ラスティくん、みなさん戦闘中のようですね」

「ああ、どうやらシックザールと遭遇したのかもしれん」


 急いで通路を走っていく。

 気配の方向へ向かっていくと、ドヴォルザーク帝国の外壁あたりで巨大な爆雷が上がっていた。


 スコルを足を止め、空を仰ぐ。


「あ、あれは……なんですか!?」

「スケルツォの大魔法だな」


 アイツは“轟雷の魔女”だからな。本来の力が出せるフィールドなら、たとえシックザールでも苦戦する相手のはず。



 走って現場に駆け付けると、外側にある荒野フィールドに大穴が穿(うが)たれていた。な、なんて巨大な……!


 まるで湖が水を全て失ったような……とんでもないな、こりゃ。



「みなさんの姿がありませんね、ラスティくん」

「そうだな。いったい、どこに――」



 微かに残る魔力を追っていくと、スケルツォの姿があった。大穴の前に立っていた。



「来られたのですね、ラスティ様」

「なにがあった……!」



 聞き返すと、スケルツォは突然その場に倒れた。俺は彼女が地面に激突する前に支えた。


 ん、これは……血!



「おい、スケルツォ!」

「……も、申し訳ございません。ナハトとテオドールさんを“封印”されてしまいました」

「なんだって……!?」


「あの男……シックザールは予想外の行動を――ぐっ」



 ウソだろ。スケルツォほどの大魔女が負けた……?

 ロイヤルガーディアンだぞ。なのに、なぜ……!


 このままでは死んでしまう。スコルに頼み、治療を頼んだ。



「ヒールをします……!」



 スコルは腰を下ろし、スケルツォにヒールを施す。

 そんな中でもスケルツォは話を続けた。



「き、聞いてください。ラスティ様」

「馬鹿、死ぬぞ」

「この情報を頭に入れてください」


「……解かった。なんだ?」


「シックザールは、トロイメライの完成を急いでいるようです。世界を全て繋げると……そして、作り直すと言っていました」



 なんだって……!


 それはつまり……!



 世界聖書(ウルガタ)の第七スキル『破壊と再生(メメントモリ)』の成就ってヤツか。



 自分の世界にならないなら、新たに創り直す。それがヤツのやり方なんだ。

 必要な人間だけを傍に置き、必要な人材だけを生かす。そんなところだろう。



 ……認めるかッ!



「ラスティくん、話しはここまでです」



 黄金の槌『覚醒アマデウス』を構えるルドミラは、最初から魔力全開だった。……つまり、強敵が――シックザールが現れたのか?




『…………グ、グゥゥゥゥ』




 ズンっと張り詰めるような空気に支配され、俺はゾッとした。な、なんだこりゃ……!

 邪悪なモンスターみたいな気配だぞ、これは。



 大穴から現れたのは……うわ、何だこの巨大なウネウネ……!


 這い出てくるウロコのある黒い物体。

 ま、まさか、これは……!



「魔王ドヴォルザークのペットの一匹、ミドガルズオルム……! 封印が解けたのか」


 と、青ざめるルドミラ。どうやら知っているらしいな。




[ミドガルズオルム]

[詳細]

 魔王ドヴォルザークの生み出し大蛇。

 世界を飲み込むとされている。

 鱗は非常に硬く、通常の剣では歯が立たない。

 デッドリーブレスはあらゆる生物を融解させる。




「ルドミラ。このモンスターのことを?」

「はい。存じております。魔王ドヴォルザークの支配が強まったある時代に生み出された最強の大蛇。この場所に封印したのを思い出しました……」


「なんてところに!」



 その封印が丁度解けて現れてしまったのかよ。



「当時はこれを倒せる方法がなかった。なので封印したのです」

「そうだったのか。だが、なぜ封印が解けた?」


「この大穴のせいでしょう」



 つまり、スケルツォとシックザールの戦いで偶然にも――ってことか。



「申し訳ございません、ラスティ様」

「お前が悪いわけじゃない、スケルツォ。悪いのはシックザールだ」




 とにかく、この大蛇を倒さないとドヴォルザーク帝国がめちゃくちゃにされちまうぞ。 さっそく『妖刀テレジア』を構える。



「お待ちを」

「ルドミラ! しかし!」


「ラスティくんは体力の温存を。ここは私が……勇者としてヤツを仕留めねば」


「そうか。解かった! 頼んだぞ!」



 猛スピードで走り抜けるルドミラは、黄金の槌『覚醒アマデウス』を軽快に振るう。どうやら、本調子が出てきたようだな。


 今のルドミラなら、きっと勝てるはずだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ