表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

435/579

黄金の聖書

「――というわけだ」


 ナハトに得られた情報を話すと、彼は震えていた。

 涙を(こら)えているようにも見えた。



「黄金の聖女アイファ……やはり、この世界にいたんだな」

「教えてくれ、ナハト。アイファとは君の大切な人なんだよな?」


「そうだ。彼女は俺の『トレジャーハンド』のスキル、金の宝箱から現れた聖女。長い旅を共にし、そして最果ての塔で……彼女を失くした」



 どうやら、ナハトは別の世界で聖女アイファと共に冒険を繰り広げていたようだな。だが、なにかしらのトラブルに巻き込まれてアイファを見失ったと。


「どうやって来た?」

「俺の世界にも世界聖書(ウルガタ)が存在したんだ。あの聖書を通して来たんだ。もっとも、こちらの聖書は……聖書と呼べる代物ではなかったがな」


 あれは趣味の悪い『黄金の聖書』だと、ナハトは溜息交じりに笑う。


 黄金の聖書か。


 名称だけなら立派に思えるが、内容がヒドイってことかな。

 少なくとも、ナハトをこっちの世界に飛ばすほどの力があるってことのようだが。


「聞いたことがあります」


 沈黙を保っていたストレルカが口を開く。


「なにをだ?」

「ラスティ様。聖書には“七つの種類”があると」

「なんだって……!?」


 七つもあんなモンがあるのかよ。

 この世界で確認できているのは『世界聖書(ウルガタ)』と『新約・世界聖書(ウルガタ)』の二冊のみ。

 どちらも、ドヴォルザーク帝国が管理しているものだ。


 だが、それ以外だって……?


 あんな強力な力を持つ本がまだあるというのか。



「そ、そういえば……アレグロ枢機卿から教えてもらったことがあるんです」



 ぽつりとつぶやくスコル。

 そうか、スコルは聖女だから何かしらの情報を持っているのか。



世界聖書(ウルガタ)のことか?」

「はい。確かに七冊存在します。それは枢機卿がおっしゃっていましたから……聖魔大戦がどうとか……」



 聖魔大戦。

 伝説の物語だ。槍の王のお話だが……御伽噺(おとぎばなし)ではなかったのか。



「聖魔大戦だと……! この世界にも聖魔大戦があったのか!」



 声を荒げるナハトは、スコルに詰め寄っていたので俺が割って阻止した。


「やめろ、ナハト。怖がっているだろ」

「……っ! すまない。だが、聖魔大戦はこちら(・・・)で起きた大戦争だぞ!」


「なに?」


「なぜこっちで大戦のことが知られているんだ……」



 それは俺にも分からん。てっきりアレは作り話と思っていたんだがな。……そういえば世界聖書(ウルガタ)には、アカシックレコードという能力がある。


 過去・現在・未来を閲覧できるという究極のスキル。


 なにか関係あるのかもしれないな。

 というか、あのスキルを使えばいいじゃないか!


 俺はスコルに耳打ちした。



「スコル、世界聖書(ウルガタ)のアカシックレコードを使ってみないか? 魔力はあるだろ?」


「……は、はぃ。問題ありません」



 妙に顔を赤くするスコルは、妙に嬉しそうだった。なぜ!?



「よし、やってみよう」



 うなずくスコル。ナハトのもとへ向かい、声を掛けた。



「あの……ナハトさん」


「……」


「その、わたし力になれるかもしれません」

「え……」


「アカシックレコードを使ってみます」

「アカシックレコード?」


「もしかしたら、聖魔大戦とかナハトさんやアイファさんのことも読み取れるかもしれません」


「本当か!」

「やってみます」



 世界聖書(ウルガタ)を召喚するスコル。膨大な魔力が流れはじめ、ページが捲れていく。これで“答え”が見つかるといいが――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ