表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

431/579

新約・世界聖書の効果

 スターバトマーテル城を飛び出し、無駄に段数の多い階段を降りていく。

 下まで降りてそのまま元老院へ。


 走って建物まで向かうと、その瞬間には人間(ヒト)が吹っ飛んできた。それは建物の塀に激突。衝撃で破壊された瓦礫(がれき)に埋もれた。



「…………」



 お、おい……いったい、誰が吹っ飛んできた……?



「あ、兄上! 今吹っ飛んできたのはルドミラなのだ!」

「なに!?」



 急いで瓦礫を取り除くと、そこには負傷して倒れているルドミラの姿があった。な……ウソだろう。ルドミラがやれるなんて。



「ラスティさん。ルドミラさんを治癒します!」

「解かった。頼むぞ、スコル!」

「はいっ」



 急いでヒールを施してくれるスコル。黄緑色のオーラがルドミラを包み、そして傷を癒した。……よし、これで傷は癒えた。


 しかし、気を失っているのか意識を取り戻す気配はなかった。



「スコルとハヴァマールはここでルドミラを診ててくれ」


「解かりました!」

「了解なのだ」



 俺はゲイルチュールを召喚して構えながら元老院へ向かった。

 いったい、中で何が起きているんだ……?


 それに、ナハトはどうした?


 建物内に入ると異様な気配を感じた。

 なんだ、この異常な魔力。


 会議室へ入ると、そこにはナハトを踏みつけるモラヴィアニの姿があった。なぜ……いや、やっぱりこの女が!



「モラヴィアニ議員、これはどういうことだ!」

「……来られましたね、陛下」



 冷徹に微笑むモラヴィアニは、ナハトの背中をグリグリと踏みつける。しかも彼だけでない、テレジアとゲルンスハイム帝領伯も床に伏せていた。どちらも意識がなさそうだ。

 この女!


「ルドミラを吹っ飛ばしたのはお前か!」

「ええ、そうです。私がやりました。世界聖書(ウルガタ)の第七スキル『破壊と再生(メメントモリ)』を成就する為に……!」



 そうか、コイツがクラウスとディミトリーを焚きつけていた真犯人。恐らく、マルクスとも関係が深いと見た。

 でなければドヴォルザーク帝国を陥れるような真似をするはずがない。


「クラウスとディミトリーは……」

「そうですよ、陛下。あの二人は私の操り人形です。もちろん、元・元老院議長マルクスの思想を強く受けていますけれどね」


「そうかよ。なら、お前を倒せば今度こそ解決ってわけだ」


 地面を蹴って俺は接近していくが、モラヴィアニはナハトを強く踏みつける。



「…………ッ!! か、構わん。ラスティ! 俺に構うな! アイファを助ける為なら……命など惜しくないッ!」



 意識を取り戻していたのか、ナハトはそんな風に叫んだ。……バカ野郎。命を粗末にするな。お前を待っている人がいるなら尚更だ。



「うるさいハエですねえ!」



 何度もナハトの背中を踏みつけるモラヴィアニ。美人議員の面影はなく、ただただ邪悪だった。コイツは人間じゃない……悪魔だ!



「……ぐっ、あぁ!」



 痛みと苦しみに悶えるナハト。



「この程度で私に歯向かうとは片腹痛い!」

「やめろ、モラヴィアニ!」


「やめませんよ。騎士団長もたいしたことはなかったし……陛下、あなたもきっとゴミでしょうね!」



 モラヴィアニがどんなスキルを使うか知らんが、ルドミラを吹き飛ばすほどだ。油断はできんな。



「お前を倒す!」

「陛下、あなたを倒せば……ドヴォルザーク帝国は私のもの! ここで死んでください!!」



 本を取り出すモラヴィアニ。ま、まさか……あれが『新約・世界聖書(ウルガタ)』か! ナハトの言う通り、本当にモラヴィアニが所持していたんだ。




[新約・世界聖書(ウルガタ)]

[効果]

 ドヴォルザーク帝国の『法律』を記す書。

 三つのスキルを使用可能である。


 ①法律作成

  新たな法律を作る。

  作成は元老院の[議長][議員]に限る。

  投票を経て賛成多数で可決される。

  ドヴォルザーク帝国のみ対象。

  この法律は、皇帝の場合は例外なく免責される。

  法律作成は、皇帝に拒否権がある。


 ②六法全書

  法律作成で作った法律をリストに加え、管理する。追加・削除が可能となる。このスキルの使用権限は[皇帝]と[議長]のみ。


 ③ジャッジメント

  犯罪者を裁判なしで裁く魔法。

  非常に強力な光属性魔法攻撃を行う。

  対象が法律に違反している場合、威力を10倍にする。悪質な場合は20倍。重犯罪は30倍。死刑相当は[死刑判決]を与え、即死させる。




 こ、これが新約・世界聖書(ウルガタ)の効果……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ