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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

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魔力回復ポーションを飲みまくれ!

 クラウスの斬撃スキル『ソニックブーム』を(かわ)しつつ、無人島開発スキルを発動。在庫の『土』100個を消費して地面から壁を生やした。


 だが、その壁をもソニックブームで粉々にされてしまう。



「こざかしいマネを!!」



 何度も斬撃を飛ばしてくる。

 なるほど、それなりに耐性のある壁なのだが――やはり、ダメか。

 かと言って『鉄』はもう在庫がほとんどない。

 (わず)かしかないので無駄には使用できないのだ。



「教えろ、クラウス!」

「なにを?」


「お前なぜドヴォルザーク帝国を支配したい!」



 話をしつつ、俺はその間に作戦を練る……!



「ふんっ! 前回の『聖戦』の結果が気に食わないからだ!」

「つまり、俺が皇帝に相応しくないと?」


「そうだ! あの聖戦は正しいものではなかった。それに、お前のやる気のなさ。噂に聞いたぞ。お前自身は皇帝を望んでいなかったと!!」



 どこで聞いたのやら。

 そうだ。俺はあんまり乗り気ではなかった。

 でも、ドヴォルザーク帝国は俺の故郷でもある。

 放ってはおけなかった。


 ソニックブームを避けつつ、俺は次の手を放つ。



「落とし穴!」


小癪(こしゃく)な!!」



 ヤツの足元あるいは付近に落とし穴を生成していくが、ジャンプして避けられる。このままではスコル達も巻き込んで危険か。


 だが、落とし穴は無駄に作ったわけではない。


 この空間はあまりに遮蔽物(しゃへいぶつ)がなさすぎた。

 スコル達の安全性を高めるには『落とし穴』が一番だ。


 俺はクラウスの周囲を走ってスコルとエドゥの元へ。



「いいか、エドゥ! 合図したら落とし穴に入れ」

「……! 了解しました」



 よし、これで準備完了だ。



「なにをする気だ、ラスティ!」

「クラウス。お前は確かに騎士としては強い」


「そうだ。お前のヘナチョコな剣では勝てんぞ!」



 ああ、そうだ。それだけは認めてやらんこともない。だがな、俺は別に騎士ではない! 騎士道精神もないし、仲間を守れればそれでいいんだよ。


 ――だから!


 このポーションダンジョンで拾いまくった『魔力回復ポーション』を飲みまくって、俺は魔力を全回復した。


 シグチュールから即座に『+10覚醒ヴェラチュール』へ変更。


 ハヴァマール、力を借りるぜ!



「くらええええッ! ライトニングボルテックス……!」



 風属性最強の魔法スキル。

 こんな場所では危険すぎるが、そうも言っていられない。大技で決めるしか方法がない。


 嵐のような稲妻は、渦となりクラウスに激突。



「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」



 何度も雷撃を与え、徹底的なまでに体を痺れさせた。そして、体を何百回転もさせて壁に衝突。その場に倒れた。


 スコル達は、俺の作った『落とし穴』に避難していた。


 よかった。


 ディミトリーは?


 奴も俺の落とし穴に隠れていたか!



「…………バカな。あのクラウスが負けるとは……」



 悔しそうに唇を噛むディミトリーは、顔半分だけ出して状況を伺っていた。さて、あの野郎も叩きのめさねばな。



「おい、ディミトリー!」

「ひぃぃぃ! ど、どうか命だけは!!」



 腰を抜かすディミトリーは俺に恐れて顔を青くした。ようやく観念したかな。


 けれど。



「ラスティ!!」



 シベリウスが俺の前に立ち――『グシャッ』と肉を切り裂くような音が。



 …………え。



「シベリウス!! お前!!」

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