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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

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上級監督官が未知のダンジョンで行方不明

 スコルと共に風呂を堪能(たんのう)し、その後は『世界ギルド』へ。

 ドヴォルザーク帝国の中央広場付近にある建物。そこへ向かった。


 ギルドの前は相変わらず冒険者であふれていた。いや、恐らくは偽クラウスとディミトリーの討伐クエストに人が殺到しているんだろうな。


 みんな満足そうな表情を浮かべて帰る人が多い。

 手元には『ヴォルムゼル銀貨』が見受けられる。

 ほー、結構撃破されているようだな。


 つか、偽者自体もかなりの数がいそうだな。


 世界ギルドの中へ入って適当な受付嬢を探す。



「盛り上がってるなぁ~」

「そうですね、ラスティさん。みなさん、がんばっているみたいです」



 あらゆるギルド、パーティがお祭り騒ぎでワイワイしている。まさか、こんな楽しそうな光景が見られるとは。逆にクラウスとディミトリーには感謝かもしれんな。


 受付窓口へ向かうと、エルフ族の若い受付嬢がいた。へえ、珍しい。



「ご利用ありがとうございます。わたくし、エイシャと申します。ご用件をお伺いいたしま――って、皇帝陛下!?」



 エルフ族の受付嬢エイシャは、ビビってしまっていた。そんな青ざめなくても。



「や、やあ。ちょっと討伐について聞きたくてね」

「もしかして、偽クラウス議員とディミトリー議員のことです?」

「そうそう。今、順調かい?」



 すると、エイシャは太陽のような満面の笑みで「ええ、とても! おかげで世界ギルドも手数料で儲かっていますから!」


 なるほどね、討伐手数料を取っているから世界ギルドも(ふところ)(うるお)うわけだな。

 それなら良かった。

 俺としても、世界ギルドが発展してくれる方が助かる。


 うんうんと納得していると、今度はスコルがエイシャに質問していた。



「あの、エイシャさん」

「はい、なんでしょう?」

「本物の議員さんは見つかっていないのでしょうか?」


「そうですね。今のところこれといった情報はありませんね」



 大量の偽者ばかり見つかっているという。そこまで数を増やしていたとはな……。こりゃ、探し出すのは相当苦労しそうだな


 新たな情報が入ったら教えて欲しいとエイシャに頼み、俺たちは世界ギルドを後にした。



 ◆



 スターバトマーテル城へ戻ると、大広間にエドゥの姿が。それとストレルカにハヴァマールもいた。戻っていたんだな。



「みんな、お疲れ様!」



 (ねぎら)いの言葉を三人に投げる。

 まず、ハヴァマールが俺に飛びついてきた。



「兄上~! 大変だったのだー!」



 俺の胸の中で頬をスリスリとしてくる。子猫みたいで可愛い奴だ。

 次にストレルカは俺の左手を握ってきた。



「わたくし、ラスティ様の為にがんばって参りました」

「よくやってくれた、ストレルカ」

「は、はいっ! 貢献(こうけん)できて嬉しく思いますっ」



 本当に嬉しそうに微笑むストレルカだが、疲れも見えた。二人ともクタクタのようだな。休ませてあげよう。



「ハヴァマールとストレルカは、ゆっくり休むといい」



 二人とも「そうする」と言って大広間から去っていく。……さて、エドゥに聞かねばならない。

 視線を察したエドゥは報告を始めた。



「本物の気配は完全に消えています」

「ふむ。見つけ出すのは難しいわけだな?」


 こくんと(うなず)くエドゥ。

 大賢者である彼女がそう言うのだから、相当な難易度なのだろう。そもそも、偽者が大量に出回りすぎだ。


 そこまでの魔力があったということか。


 いや、だけど“限度”ってモンがあるだろう。

 魔力は無限あるわけではない。

 回復アイテムを使ってにいるにしろ、それでも限界はあるはず。



「ですが、気になる場所があります」

「気になる場所?」


「はい。そこはドヴォルザーク帝国の付近にある“未知のダンジョン”です」

「ほお?」


「上級監督官のシベリウスが視察へ行ったそうですが、行方不明です」


「――はい?」



 まてまて。

 シベリウスが行方不明!?


 そういえば、姿がまったく見えないと思ったら……そんなことになっていたのかよ。

 ったく、仕方ないな。探しに行ってやるか。

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