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無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

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SSS級武器 vs 覚醒武器

 こちらも本気でいかなければ。

 即座に『+10覚醒ヴェラチュール』を召喚し、俺は武器を手にした。


 ナハトは先ほど金の宝箱から取り出した『+10アークフランベルジュ』を構えていた。


 あの剣、ただの剣ではない。

 SSS級という最上レアの武器だ。

 甘く見ればケガをするだろうな。



「……大丈夫ですか? ラスティさん」

「ああ、スコル。離れていてくれ」



 安全な場所へ行かせた。これでいい。

 さすがのナハトもスコルを巻き込むことはしないはずだが――。



「このフランベルジュを破壊できたのなら、お前を認めてやる」



 鋭い口調でナハトは言った。



「そうか。そりゃありがたいな」



 直ぐに(ほこ)を交えることになった。数秒足らずで刃が激突。俺の+10覚醒ヴェラチュールを安々と受け止めるナハト。

 その顔には余裕があった。

 さすが、SSS級武器だな。


 だけど、魔剣の方がまだ重みがあった。


 そして以前の方がもっと殺気も感じられた。でも今は違う。


 彼はあくまで俺を試す風な、そんな練習試合にも似た感覚。



「お前はなぜ戦う! ラスティ、なぜ皇帝になった……!」

「人々の幸せの為だ。帝国の建造物は今、危険な状態だからな。大量の木材が必要なんだよ」



 ガンッと火花を散らす刃。

 激しく何度も何度も叩き合う。


 突風のように鮮烈に。苛烈(かれつ)に戦いは進んでいく。


 お互いの力は互角に見えた。

 ただ、魔剣を抜かれれば少しキツイ。でも、負けるつもりは毛頭ない。



「だが、枢機卿が暗殺された! 元老院はやりたい放題だぞ!」



 痛いところを突かれた。

 確かに、それは事実だ。

 ドヴォルザーク帝国は、なお不安定で……至る所に不正や犯罪が蔓延(まんえん)している。


 今一度、正さねばならない。この帝国を。


 正しく導かねば、この俺が――。



 だから、せめて今だけは負けるわけにはいかない。



「好き勝手はさせないさ!」

「そうか。なら、この俺を止めてみろッ!」



 スキルの発動を感じたので、俺は先に魔力を込めた。

 短期決戦のつもりだったし、先制攻撃しかない。それがナハトに勝つ方法だ。


 無人島開発スキルで鉄製チェーンを生成。


 ナハトに向けて巻き付けた。



「どりゃああああああ!」

「な、なんだこれは……! こんなモノをどこから!?」



 さすがのナハトもビビっていた。

 彼に俺のスキルを披露(ひろう)するのはこれが初めてだったな。


 アイツが『トレジャーハンド』を使ったように、俺だって『無人島開発スキル』を使うに決まっているさ。その方が公平だろ?



「さらに……サンダーボルト!!」


「魔法系の風属性攻撃か……クソッ」



 頑丈な鉄製チェーンで体の自由を奪われているナハトは、武器も扱えず、ただ寝っ転がっていた。その間に俺はフランベルジュを+10覚醒ヴェラチュールで破壊した。


 これで俺の勝ちだな。


 だが、ナハトは魔剣に魔力をこめていた。



「おい、ナハト。フランベルジュは破壊したんだぞ!」

「……()かった。認めよう」



 ようやく戦意を失うナハト。どうやら解かってくれたようだな。

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