強制召喚 - フォースサモン - Lv.10
ハヴァマールのおかげもあり、世界聖書の解読に成功した。よって、スコルに新たなスキルが追加された。
[世界聖書]
[効果]
世界に一冊しか存在しない聖書。
これを所持する者は真の聖人となれる。
ヒエロニムスという特殊な言語で書かれており、エルフの聖女でなければ解読できない。
最大七つの効果を持つ。
①アカシックレコード Lv.10
②ソウルコンバージョン Lv.10
③スーパーノヴァ Lv.10
④ハイパードライブ Lv.10
⑤真の赤き竜 Lv.10
⑥強制召喚 Lv.10
指定した人物あるいはモンスターなど、あらゆる対象を目の前に強制召喚する。(アイテムなど物も可能)数は最大7まで。この強制召喚を受けた対象が生物の場合は一時間拘束される。
このスキルのクールタイムは一日。
使用後、魔力を半分消費する。しばらくの間、魔力回復力が大幅低下。
⑦解読できていません
「強制召喚! スコル、これならクラウスとディミトリーを呼べるんじゃないか!?」
「はいっ! このスキルならいけると思います!」
まずは場所移動。
近くの無人島へ上陸し、スコルに頼んでさっそくスキルを発動してもらう。
世界聖書が赤く光る。これで探すことなく、この場に強制召喚できるわけだ。
まさか、こんな便利スキルとは思わなかったぜ。
数秒後、目の前にボンっと破裂するような音がするや煙が上がった。目の前に二つの気配を感じた。
これは間違いない!
「……な、なにが起きた! ディミトリー!」
「わ、分かりませぬ。クラウス殿のスキルではないのですか?」
二人とも混乱している様子。
俺は直ぐにゲイルチュールを取り出し、奴らに向けた。
「見つけたぞ、この反逆者共!」
睨みつけるようにして俺は威嚇した。クラウスもディミトリーもこの状況にただただ混乱し、一歩一歩後ずさっていた。逃がすわけにはいかない!
無論、テレポートなどさせない。
というか、スキルの副作用で一時間は拘束されるようだし、チャンスだ。
「ぐぬ! ラスティ、なにをした!」
テレポートできぬと慌てるディミトリ―は、俺に疑いの眼差しを向けた。
「詳しく教える義理はないさ。おい、それよりもう逃げられないぞ。覚悟しろよ」
「「…………ッッ!!」」
クラウスは『マズイ』といった表情を浮かべていた。ディミトリーもテレポートができず、無駄に魔力を減らしていた。
ちょこまかと逃げるからそうなるのだ。
さあ、ここからは“大反撃”だ。
今までやられた分、ここでキッチリと返してやる。いや、それ以上に!
「みんなはサポートに徹してくれ! 俺がヤツ等を止める!」
そう指示を出すと、みんな素直にうなずいてくれた。
クラウスとディミトリーは俺からどんどん距離を取っていくので、俺は走って距離を詰めた。逃がさない!
まずはディミトリーを叩き潰す。その後に直ぐクラウスを捕まえてやる。




