表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ 【コミカライズ企画進行中】  作者: 桜井正宗
世界聖書編(最終章改二)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

397/579

島国ラルゴは無事のようです

 いつ振りだろうか。

 島国ラルゴへ久しぶりに帰還を果たした。だが、今はもう深夜に近い。

 今日のところは本拠地(ほんきょち)である『城』で一泊だな。

 そもそも、テレポートした先が城だった。


「わぁ~(なつ)かしい気分です」


 楽しそうに城内を見渡すスコル。釣られるようにハヴァマールやストレルカも懐かしんでいた。

 そうだな、ずいぶんと帰っていなかった。

 聖戦がはじまって旅立ってから一週間以上は経過している。

 中が無事だといいんだが。


 少し歩いて大広間にたどり着くと見知った顔が現れた。



「おぉ! これはラスティ様ではございませんか!」



 驚きのあまりだろうか、いつもより声量の大きいアルフレッド。相変わらずシワひとつない執事服に身を包み、優しい笑みを浮かべていた。



「アルフレッド、さっき帰ったぞ」

「そうでありましたか。スコル様、ハヴァマール様、ストレルカ様、エドゥアルト様もご無事でなによりです」


 ひとりひとり丁寧に対応するアルフレッド。


「それで、変わりないか?」

「はい。島国ラルゴでは大きな事件はありませんでした」

「それならいいが」


「ところでラスティ様は、ドヴォルザーク帝国の皇帝になられたとか」


 そうだった。まだ島国ラルゴでは正式発表はしていなかった。けれど、ウワサはあっという間に流れて周知(しゅうち)されているだろうな。

 アルフレッドが知っているくらいだからな。


「そうだ。本来なら別の人物を皇帝にしたかった。……いや、そのつもりだ。俺は長く皇帝の座に居座るつもりはないよ。島国ラルゴが大切だからね」


 この国のことを一番に大切にしたい。スコルと共に作ってきたこの島国を。


「それは良かったです。島民も喜ぶことでしょう」

「それより、ドヴォルザーク帝国の元老院が怪しい動きをしている」


 俺は、これまでのことを話した。

 元元老院議長マルクスのこと、その弟子であるらしいクラウスのこと。元親父の腹心であるディミトリーの謀略(ぼうりゃく)

 アレグロ枢機卿の暗殺。


 新約・世界聖書(ウルガタ)が狙われていること。


 事情を話すとアルフレッドは驚愕(きょうがく)していた。



「元騎士の騎士クラウス・リヒトブリンガーですか。まさか議員になっていたとは……」

「知っているんだな」

「もちろんです。子供だった彼を訓練したのはこの私ですからね」

「なんだって!?」


「リヒトブリンガー家は、代々皇帝に仕えている聖騎士でした。しかし、近年は思うような功績も立てられず、目立った評価もありませんでした」



 どうやら、クラウスに才能がなかったらしい。そんな彼に訓練をしてくれと父親から懇願(こんがん)されてアルフレッドは応じたようだった。そんな経緯があったとはな。 それからクラウスは成長して、ルドミラに認められるほどの実力になったようだ。

 その頃になると野心が芽生(めばえ)えたとか。

 クラウスは、当時の元老院議長マルクスの護衛騎士となってたそうだ。


「そういうことか。そのあとはマルクスの思想を受け継いだってところかな」


「恐らくはそうでしょう。ラスティ様、このままでは大変なことになるかもしれません。もし、マルクスの支配を重きに置いているのなら、クラウスは危険です」


 アルフレッドは、若いころにマルクスの抱いていた理想だとか思想だとか聞かされていたらしい。詳しいことは聞くまでもない。


 世界の『支配』だからだ。



「さっきヤツとディミトリーを逃した。この周辺の無人島にいるはずだ」

「そういうことでしたか。では、島民にも協力してもらえるよう要請してみます」

「そりゃ助かる。今日のところは寝るよ」


「分かりました。みなさまのお部屋は常に清潔にしておりますので、そのままお使い下さい」



 さすがアルフレッド。毎日、清掃は欠かさずか。

 そんなわけで各々(おのおの)の部屋へ向かった。


 今日のところは寝て明日に備える――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ